今回は日本で徴兵制が復活する可能性があるのかというのを考察してみた。
徴兵制とは国民に兵役に服す事を義務付ける事
つまり、強制的に自衛隊として活動させられるという事ですね。
実際のところ日露戦争くらいまでの徴兵制はくじ引きで決めていたなんて話もあります。
僕らが想像するのは第2次世界大戦時の徴兵制で男性の殆どが兵隊になった時代の事です。
陰謀論が好きな人たちは集団的自衛権の行使容認が可能になるから徴兵制も復活するのでは?
などと言っていますが、個人的な意見としてそれはないと思います。
結論から言うと
しっかり教育しないと使い物にならない
やる気のない奴に高度な教育を受けさせるのは時間の無駄
というのが筆者の意見。
自衛官になるためには高度な訓練や教育があり日本では防衛大学で勉強というのもあります。
陸自、海自、空自とありますが、それぞれで厳しい訓練と高度な知識が必要です。
精密機器を扱う事もあり、寄せ集めの兵隊に使えるものではありません。
教育のコストやお給料の問題もあります。
現代の日本でいくら国を守るためとは言え給料は払わないといけない。
そんなお金は日本にはない。
そして現在、日本は戦争をしていないし、集団的自衛権の行使しても自衛官が前線に立つケースは少ないと思われる。
日本で徴兵制が復活する可能性があるならそれは戦争状態でなおかつとんでもない負け戦な状態の時しかない。
防衛大でしっかり教育している。
防衛大の学費は無料だけど、9年間は自衛隊に勤務する義務があり、それ以前に退官した場合は学費の返還義務が生じます。
返還額は最大約5000万円で、卒業後の勤務期間に応じて減額される。
入学するには身長制限あり。
男子は155㎝以上
女子は150㎝以上
いろいろな制限がある例えば
- 防大では、就寝時間中以外のベッドでの横臥は許されていません
- アルバイト禁止
- 傘の使用禁止
- 様々なマニュアルを使って生活している。
学費は無料なので単位認定もかなり厳しくなっているし
全寮制なのでプライベートなんかもあってないも同然。
一般の大学とは全く異なる管理体制の「全寮制」です。
日常生活は、原則的に学校の敷地内で行われますが、気分転換や余暇活動のために「外出」という制度があります。
この外出は事前に計画を立てて申請し、許可を得る必要があります。
学年によって、年間の外出回数や外泊の許可回数が決まっています。
外出時の服装なども細かく規定されています。
私物品に関しては、必要最小限のものしか持ち込むことが許されません。
学生一人あたりのスペースは限られており、部屋は個室ではなく相部屋です。
また、備え付けのテレビなどの使用に限りがあります。
さらに、光熱費なども税金でまかなわれています。
要するに、団体生活であり、相部屋の生活であり、さまざまな制限があります。
厳しい試験がある。
社会人から自衛官になるには年齢制限があり。
18歳〜26歳までの場合は、「自衛官候補生」をめざすことができます。
試験に合格して「自衛官候補生」になれば、3か月の訓練期間を経てすぐに自衛官になることができます。
もっと長く訓練したい人は「一般曹候補生」を目指す
「一般曹候補生」は簡単に言うと「自衛官候補生」を指導する人間を育成する仕組み。
試験は公務員試験と同じような感じですが面接や身体検査をクリアして始めて合格になります。
自衛隊の仕組みを考えると徴兵制は有り得ない。
これまでいろいろ書いてきましたがそれは日本で徴兵制が有り得ないという事を分かってもらうためです。
自衛官になるにはかなり厳しい試験や訓練をパスしないと合格できない。
防衛大などでしっかり知識を身に付けた人、ヤル気を持って入隊した人たちの中に
徴兵制で適当に徴兵した人間をいれても害にしかならない。
大体、狭き門から選ばれた人間を3ヶ月で一人前にしているのに
それがガバガバになるのは自衛官の練度を下げてしまうだろうし士気も下がる。
更に言えば高度な知識や技術を覚えさせる必要があり、兵士としての訓練もある。
ヤル気のない人間に無理やり教え込んでも身に付くものじゃないと思います。
今、日本で徴兵制を行うと防衛大とかでバリバリ勉強して訓練を受けている。
最新の兵器を扱える自衛官と、適性を欠く徴兵が混在することになるのは問題ですね。
フランスでは徴兵制が復活か?
フランスのマクロン大統領は2018年1月19日、海軍基地がある南部のトゥーロンで、軍の幹部や兵士を前に年頭の演説をした。その中で、2001年に廃止されていた徴兵制度を復活させる考えを示した。
相次ぐテロの脅威に備えるため、18歳から21歳の男女(約60万人)が対象だ。1カ月の兵役に参加する。
マクロン大統領は、2017年の大統領選で18歳以上の男女を対象に約1カ月の兵役を課すことなどを公約に掲げていた。
徴兵制と言っても期間は1ヶ月だけらしい、1ヶ月訓練したところで1人前の兵士になるか聞かれたら疑問。
徴兵制の復活はあくまでも市街地におけるテロ対策が理由。
対テロの護身術や一人づつ思想チェックができるから一石二鳥という感じ。
徴兵制の復活が議論される際、主な目的は戦争に参加するためではなく、突発的なテロ対策や防衛のための人員確保に重点が置かれているようですね。
スウェーデンではロシア対策のために徴兵制を復活させるそうです。
徴兵期間は11ヶ月間で割とマジで兵隊として鍛えるようです。
国境の防衛は常に重要であり、特に陸上国境では定期的な警戒が必要。
海上と異なり、陸上では誰もが比較的容易に密入国できる可能性があるため、
テロ対策を考えると、常に十分な兵力が必要なんだよね。
日本に必要なのはハイテク兵器
フランスやスウェーデンでは徴兵制が復活しますが日本では絶対に有り得ないと言えるのは日本は島国だからです。
国境に接している国がありません。
フランスやスウェーデンなどは隣国からの驚異やテロ対策として陸軍を強化する必要があります。
国境にたくさん人を集めて国境線を守らないといけません。
日本の場合は国境線上には陸がないから軍艦でミサイルを撃ち込んで相手を撃退したり。
戦闘機による攻撃、領空侵犯してきた戦闘機を追い出すなどハイテク兵器が国防の要になる。
徴兵制でとりあえず頭数がほしいのは陸軍だけで海軍、空軍には高度な知識を使いこなすエリートしかなれない。
陸上自衛隊では徴兵制ではなく予備自衛官で非常事態に備えている。
徴兵制が復活して戦争が起きるというのは非現実的で日本に旨味はないし防衛のために徴兵制をするならそれは侵略者が上陸している。
絶対に有り得ないけど、ファンタジー小説みたいに街中でモンスターが出現するのなら陸上自衛隊が足りなくなるから徴兵制が復活するかもしれませんね。
徴兵制で頭数を揃えるよりもハイテク兵器を買って海軍力、空軍力を強化する方が有益。
ミサイル迎撃システムをたくさん買ったり新しい護衛艦を作ったりした方が日本の国防にとって有益。
何故、戦前は徴兵制があったのか?
旧厚生省援護局調べ。1945年8月15日時点の兵数によりますと・・・終戦当時
内地 370万人
引き上げてきた人たち
陸軍 296万3000人
海軍 38万1800人
これだけの軍人さんが引き上げてきました。
内訳を見ると陸軍が圧倒的に多い、大東亜戦争でアジア諸国から白人を追い出すために必要だった。
これを侵略戦争と主張する人もいるけどそれは間違い、植民地支配をされていたアジア諸国を解放し独立のきっかけになったのは間違いない。
つまり旧日本軍はアジアを解放するために陸戦を繰り広げていたわけです。
そうなると陸軍がどれだけいても足りなかったという話です。
現代とは全く違いますね。
大東亜戦争開戦後の地図
当時の日本ではアジアを白人から解放するというテーマがあったわけです。
そうなるとやはり陸軍の兵士がたくさん必要になる。
今の日本は日本列島が守れればいいので徴兵制で頭数を集める必要はない。
ランドパワー(陸軍力)はいらなくてシーパワー(海軍力)が必要。
なのでハイテク兵器を購入するか開発するかが国防にとって重要になる。
徴兵制が復活するとしたら
徴兵制が必要になる事態というのは侵略戦争をしない前提であれば
日本の領土が奪われ泥沼の戦いになって兵士が足りなくなった時です。
この状態って日本という海洋国家ではほとんど詰みと言っても過言じゃない
海という防衛ラインを突破され、更に領土を奪われ多数の死者を出している状態
とにかく即席で兵士が必要という状態は日本が本土決戦をしている状態になるので
絶対にそうならないように日本は防衛しないといけないわけです。
他国の徴兵制復活の背景と日本との比較
フランス
フランスでは、2019年に「国民奉仕制度」として徴兵制が部分的に復活しました。
背景には、テロの増加や市民の防衛意識を高める目的があります。
復活した徴兵制は、18歳の男女を対象とし、兵役の他に社会奉仕や教育も含まれる点が特徴的です。
スウェーデン
スウェーデンは、2017年に徴兵制を復活させました。
これは、ロシアの軍事活動に対する脅威が高まったためです。
特にバルト海地域での安全保障環境の変化が影響しました。
日本との違い
フランスやスウェーデンの徴兵制復活の背景には、主に近隣国からの脅威や国内の安全保障リスクが存在します。
スウェーデンはロシア、フランスはテロ対策に直面しており、これらはそれぞれの国が徴兵制を再導入する大きな要因となっています。
一方、日本の場合、地理的に海に囲まれた島国であること、そして強力な日米同盟の下でアメリカの軍事的保護があるため、陸上での大規模な侵略リスクは低く、これが徴兵制が現実的でない一因です。
日本の防衛政策は、高度な技術や兵器に依存しているため、徴兵による「数の力」よりも、技術力の高い自衛官の育成が重要視されています。
フランスやスウェーデンは現実的な安全保障上の脅威に対応するため徴兵制を復活させましたが、
日本は地理的な条件や安全保障体制の違いから、そのような脅威を抱えていないため、徴兵制の復活はほぼあり得ません。
まとめ
日本では防衛高校や防衛大から自衛官になる人がいるので徴兵制は基本ない
兵士が足りなくなったら予備自衛官を使うだけだし
基本的に烏合の衆である徴兵制を取るよりもエキスパートを育てた方がいい
2019年現在、ハイテク兵器が主流になっているから護衛艦を動かすためのスキル
高度な技術と高度な兵器を駆使して戦うため、そこまで人数を必要としない。
陸戦なら人員が必要になるけど、海戦になると距離も遠くなるし人数もいらなくなる。
徴兵制を実施するには問題が多すぎる。
今の日本政府のスタンスでその状態まで持っていくのははっきり言って難しいと思う。
そもそもが戦争をしない国というのが日本だ。
例え、憲法第9条がなくなっても日本が戦争をするというイメージがない。
というか殆ど貿易でなんとかなりそうだもんな
まとめると
日本での徴兵制復活はまずない。
なぜならお金がかかるし、自衛隊だけじゃ人数が足りなくなるとかっていう大規模な戦争を日本はしない
防衛戦争で徴兵制が必要になるって本土決戦で兵士が足りないという絶望的な状況なのでそうならないように防衛するのが基本。
徴兵制で無理矢理人数を揃えるのは現実的じゃないと思います
ではでは(^ω^)ノシ
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