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巧遅は拙速に如かずは孫子の言葉じゃない?

巧遅(こうち)は拙速(せっそく)に如かずとはよく言いますが

誰が言ったものなんでしょうか?

一般的には孫子が言った事になっているのですがちょいと違和感がありますね

 

 

なんていうか兵法で早い事は良い事なのは分かるのですが拙くてもいいというのが引っかかります。

というのも拙いというのは下手くそでもいいから早くという意味に感じてしまうからです。

確かに納得してしまう説得力はあるのですが戦でそんな雑な理論でいいのでしょうか?

 

とりあえず調べてみましょう。

 

 

巧遅は拙速に如かずの意味

巧遅は拙速に如かずとは
できあがりがいくら立派でも遅いのは,できがまずくても速いのに及ばない。
引用,weblio辞書

 

 

 

「文章軌範」の“拙速”

 

中国南宋の謝枋得(しゃぼうとく)の「文章軌範(ぶんしょうきはん)」という書物に「巧遅(こうち)は拙速(せっそく)に如(し)かず」という言葉があります。

孫子よりもこちらの方がしっくりくる内容、文章軌範は科挙、中国の官僚になるための試験でした。

文章軌範にはこう書かれています。

 

 

■文章軌範 補注巻之五[有字集]

此(こ)の集の文章は皆(みな)、謹厳(きんげん)簡潔(かんけつ)の文なり。
[此集皆謹厳簡潔之文。]
場屋(じょうおく)(試験場)中には、日晷(にっき)(時間)に限り有り、巧遅(なる者)は拙速に如かず。
[場屋中、日晷有限、巧遅者不如(二)拙速(一)。]
論策(ろんさく)の結尾(けつび)に、略(ほ)ぼ、この法度を用いば、主司(しゅし)(試験官)もまた必ず異人(いじん)(傑出した人物)をもってこれを待せん。
[論策結尾、略用(二)此法(一)。主司亦必以(二)異人(一)待(レ)之。]

 

試験には制限時間があるから詩文を作る時は巧くて遅いよりも拙くてもいいから早い方がいい

これは現代の試験にも言える事ですね。

長文を読んで文章を書いたり論述問題を解く時は上手に書こうとしたら時間切れになってしまう可能性が高い

 

 

それならば下手くそでもいいから早く問題を解いた方がいいという話です。

 

 

 

孫子はどういう風に言っているのか?

孫子はどんな風に言っているかと言うと

兵聞拙速、未睹巧久也 『兵は拙速を聞くも、未だ巧みの久しきをみざるなり。』
孫子兵法第二編作戦
これは政治手段としての戦争遂行上の将の心構えを説いたもので解釈は以下の通り。
1,「拙」とは戦争目的達成度合いのことで、完璧さより一定の戦果が上がれば良しとする考え方、老子の「足るを知る」に通じ、不完全な仕事という意味では無い。
2,「速」とは戦争目的達成の速さのこと。
3,「巧」とは完璧な勝利を達成すること。
4,「久」とは完璧な勝利を求めるため無駄に戦争を長引かせること。

 

兵は拙速を聞くも、未だ巧の久しきをみざるなり。(拙いが速いという戦争はあっても、上手いが遅いという戦争は聞いた事が無い)」という言葉が出典の言葉です。

 

調べた所、拙にはあれこれと手を加えないという意味があり、巧は無駄にあれこれ手をかけるという意味があるそうです。

 

 

つまりこの意味を拾っていくと巧遅は拙速に如かずに当て嵌ると

 

「余計な事をせずに素早く成果を上げた方があれこれ考えて手をかけて遅くなるよりもいい」となる

 

こうなると下手くそでもいいから早くという意味ではないですねwww

つまり余計ことをせず素早くこなした仕事の方があれこれ余計な手間をかけて遅くなった仕事よりも優れているという意味です。

余計な小細工をせずに兵士を素早く動かした方がいろいろな策略を考えて兵士を動かすのが遅いよりもいいという事ですね。

 

完璧を求めて仕事が遅くなってはいけないという意味にも取れますね。

 

まとめ

巧遅は拙速に如かずは文章軌範や孫子の兵法に書かれている事を上手く咀嚼して考えると

【できあがりがいくら立派でも遅いのは,できがまずくても速いのに及ばない。】

という辞書の内容よりも

 

【あれこれと手を加えて遅くなるよりも、余計な手間をかけず早い方がいい】

 

という事になりますね、仕事でもあれこれと手を加えて仕事が遅くなったというのはよくある事ですね。

余計な事をせずに素早く仕事をした方がいいという意味ならばわかりやすいですね。

 

 

僕も作った資料をやたら色を入れて見やすくしたり、プレゼンする時にパワーポイントに無駄なアニメーションを入れてしまうタイプなので

気をつけたいと思います、僕以外にも多いと思うんですよねこのタイプ。

 

巧遅は拙速に如かず。何かを始める時や仕事をする時はあれこれ考えたり手を加えたりして遅くなるよりも、とにかくやってみろという事ですね。

ではでは(^ω^)ノシ

 

 

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