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おでんの歴史を簡単に紹介!なぜ、絵文字のおでんは串に刺さっているのか?

冬の定番といえばおでんですが

そんなおでんはいつ頃から始まったのでしょうか?

 

 

はじめに:おでんの歴史を知る楽しみ

おでんと言えば鰹節や昆布でとっただしに、さつま揚げや大根、こんにゃく、ちくわぶなどの具材を入れて煮込んだ料理

冬の寒い時期に食べる熱々のおでんで体を温めるのはちょっとした楽しみですね。

現在では家庭、屋台やおでんを出す居酒屋などさまざまなところで食べられる人気料理です。

 

そんなおでんですが?歴史を紐解くとあの具材はいつ頃から仲間になったのか?

最初からあった具材は?などなどいろいろ分かると更に楽しめると思います

 

 

おでんの起源:室町時代の田楽

おでんがおでんになる前、室町時代の田楽が起源とされています・

宮中を支える女房が田楽をお田楽といい

 

そのうち、楽の字が省略されてしまいおでんとなった

 

つまり

でんがく→おでんがく→おでん

 

という風に言葉が変化した

田楽とは何か?

田楽とは豆腐やこんにゃく、里芋やなすなどを串に刺して焼いて味噌とみりんで作ったタレを塗って食べる料理

中国から伝わった豆腐を拍子切りにして串に刺して焼いて食べたのが始まりで平安時代には食べられていた

当時は豆腐を串に刺した豆腐田楽だけだった。

 

 

なぜ、田楽と呼ばれるのかと言えば田植えの際に踊る田楽法師に似ていたから

豊穣を祈って踊る田楽舞ですがその中に高足という演目があり

ホッピングのご先祖様みたいな棒に乗りバランスを取るという演目

これは服装によっては味噌田楽に見えなくもない

 

白い着物を着ていたら豆腐田楽に見えなくもない

 

炙り料理としての田楽とその進化

豆腐田楽が食べられるようになったのは江戸中期頃

江戸時代初期、徳川家康、秀忠の時代ではうどんやそば、豆腐を作る事も食べる事も禁止されていた

 

家光の時代でも「慶安御触書」には豆腐は作る事を禁止していた。

江戸中期になるとハレの日に豆腐料理を庶民が食べるようになった。

江戸や京都などの大都市に限った話ですが

 

 

 

豆腐田楽は『豆腐百珍』(1782年)でも紹介されています。

江戸時代の屋台などで田楽を惣菜として提供していたのが徐々に煮込み料理となっていったというのが始まり

浮世絵などにも田楽を焼いている女性が描かれています

 

お店で豆腐を串にさして焼いてる女性の浮世絵ですね

田楽の種類も豆腐・ナス・里いも・こんにゃく・魚と増えていった

こういう経緯を知るとおでんに新しい具材が追加されやすいのも納得ですね。

 

 

青菜と一緒に炊き込んだご飯(菜飯)と田楽を一緒に出す「菜飯田楽」は寛永の頃から流行を始め、こんにゃく田楽が登場した

こんにゃく田楽が生まれたのは大阪と言われています。

 

 

 

江戸時代:煮込み料理としてのおでんが誕生

醤油ベースの出汁文化の発展

江戸時代初期、醤油といえば上方(京都周辺)の物が多かった、1800年代に入ると江戸市場周辺、銚子や野田で醤油の生産が増え初めた

それによって醤油を使った料理も増えていく

おでんもそんな料理の一つではないかという説もある。

 

鰹節を削った削り節と昆布も江戸では一般的な食品であるため醤油と鰹節、昆布で作った汁を使ったおでんが発展した。

 

 

屋台で親しまれた庶民の味

外食産業が盛んだった江戸の街、「おでん燗酒、甘いと辛い、あんばいよしよし」と暖簾をかけた

振り売りや屋台が流行ったそうです。

屋台や振売の定番となっていたおでんは気軽に食べられる庶民の味として進化していった

 

ちなみに江戸時代のおでんは振売が扱える事からも分かるとおり汁気たっぷりなものではないらしい

汁気の少ない濃い味のおでんだったと言われています。

 

おでんの絵文字が串に刺さった状態なのは当時、お酒のおつまみとして売られており片手で食べられる串料理が流行っていたからですね

 

 

一方、京都ではお座敷おでんという焼かない田楽が生まれた

火で炙らず、串に刺した豆腐やこんにゃくを昆布だしで温め直し甘味噌をつけて提供していた。

 

 

誰が煮込み料理おでんを作ったのかは定かじゃないが記録に残っているのは

明治時代、明治20年創業、おでん専門店「呑喜」です。

たっぷりの汁がウリのおでんを売り出した

 

近くに東京帝国大学もあったから学生に大人気、それ商機とみておでん茶屋が他にもたくさん出来たそうです。

 

 

 

 

江戸時代~現代のおでん:地域ごとの個性と家庭の味

豆腐田楽からこんにゃく田楽となり、おでんとなった

明治時代になると汁気たっぷりなおでんが登場し大正時代に関西へ伝わる。

おでんが関西に伝わって関東炊きとなった。

 

おでん定番の牛スジやタコ足などが入るのも関東炊きの特徴です。

 

1923年(大正12年)の関東大震災の時に、炊出しとして関西の料理人が関東炊きを振る舞ったと言われている

 

関東炊きが更に改良されたのが現在のおでんというわけです。

戦後の闇市ではおでんに練り物が入り大人気になりました。

ちなみに練り物は製造方法が確立され一般庶民が気軽に食べられるようになったのが昭和初期です。

 

 

家庭でおでんが食べられるようになったのは昭和47年、紀文から発売された「おでん汁の素」がきっかけ

家庭で簡単に作れるイメージが定着した結果、家庭の鍋料理として食べられるようになった。

 

 

関東風と関西風の違い

おでんの関東風と関西風の違いには、比較すると結構、違いがありますね

1. 出汁(だし)の違い

  • 関東風
    ・醤油ベースで濃い色の出汁。
    ・煮干しや鰹節、昆布を使った出汁に、たっぷりの醤油とみりん、砂糖などで味付けします。
    ・味が濃く、しっかりした風味が特徴。
  • 関西風
    ・薄口醤油を使った透明感のある出汁。
    ・昆布や鰹節を中心に、素材の風味を引き立てるシンプルな味付けが特徴。
    ・素材本来の味を活かす、上品であっさりした味わい。

2. 具材の違い

  • 関東風
    ・ちくわぶ(小麦粉を練って作られる関東特有の具材)が入る。
    ・牛すじではなく、鶏つくねや豚肉を使うことも多い。
  • 関西風
    ・ちくわぶは基本的に使わない。
    ・代わりに牛すじをよく使うのが特徴。
    ・関西特有の「平天」や「ごぼう天」などの練り物が入ることが多い。

3. 味付けと調理の違い

  • 関東風
    ・具材を長時間煮込み、全体に味をしっかり染み込ませる。
    ・濃い味付けで、寒い冬に体を温めるスタイル。
  • 関西風
    ・煮込み時間は比較的短く、あっさりとした味を楽しむ。
    ・具材の色を崩さず、美しい見た目を重視する。

4. 地域による個性

・関東、関西以外にも地域ごとに独自のおでん文化があり、例えば名古屋の「味噌おでん」や静岡の「黒はんぺん」が入ったおでんなども存在します。

 

関東風は濃い味付けでしっかりとした風味、関西風は素材を活かした上品な味わいが特徴です。

どちらもそれぞれの地域の食文化を反映した、個性豊かな料理ですので、ぜひ食べ比べてみてください

 

 

 

コンビニおでんの登場とその人気

コンビニでおでんが売られるのは当たり前というか当然の流れと言えます

昭和初期から昭和20年代後半までは屋台や専門店、駄菓子屋なんかで食すものでした。

駄菓子屋とか酒屋が廃業してコンビニが作られた経緯も考えればコンビニでおでんが販売されているのは不思議じゃない

 

 

コンビニおでんの登場は、1970年代後半から1980年代初頭にかけてです。

この時期に日本のコンビニエンスストア業界が急成長し、手軽で温かい食べ物の需要が高まったことが背景にあります。

 

具体的な時期と背景

  1. 1979年
    • セブン-イレブンが最初に「おでん」をコンビニ商品として取り入れたとされています。
    • 冬場の温かい商品のニーズに応える形でスタートし、次第に人気メニューへと成長しました。
  2. 1980年代
    • セブン-イレブンの成功をきっかけに、他のコンビニチェーン(ローソン、ファミリーマートなど)もおでんを販売し始めました。
    • 初期は地域ごとの味付けや具材の選定がまだ試行錯誤の段階でしたが、徐々に各チェーンで定番メニューが確立されました。

コンビニおでんの普及要因

  • 手軽さ: 調理済みで温かいまま提供されるため、買ってすぐに食べられる。
  • バラエティ: 好きな具材を1つずつ選べるスタイルが受け入れられた。
  • 価格の手頃さ: 手頃な価格で家庭的な味を楽しめることも人気の理由。

その後の進化

  • 1990年代以降、味付けや具材の種類が地域ごとに最適化され、関東風、関西風の出汁や、地域特有の具材が取り入れられるようになりました。
  • 季節限定商品や新しい具材の導入も進み、年々商品ラインナップが充実しています。
  • 2020年代には、ヘルシー志向や環境問題に配慮した取り組み(紙容器の採用など)も進んでいます。

 

おでんの具材の歴史:何が変わったのか?

昔ながらの具材、筆者が子ども頃から食べてきた具材といえばこんな感じ

 

昔ながらの具材

1. 豆腐

  • 江戸時代の田楽では、串に刺した豆腐を味噌や醤油で焼いていました。
  • 煮込み田楽になると、豆腐を煮て出汁の味を染み込ませるスタイルに。

2. こんにゃく

  • 低カロリーで庶民にも手が届きやすい食材として人気。
  • 田楽味噌を塗って焼いたり煮込んだりする形で、おでんに取り入れられました。

3. 大根

  • 江戸時代の庶民の間では手軽で栄養豊富な食材。
  • おでんでは味がよく染みる定番の具材として重宝されました。

4. 昆布

  • 出汁を取る素材としてだけでなく、そのまま具材としても使われていました。
  • 江戸時代には昆布の流通も増え、庶民の料理に欠かせない食材に。

5.

  • 煮卵は江戸時代の終わり頃から定番具材に。
  • さっぱりした味の出汁とよく合い、ボリューム感があることから人気。

 

牛スジやタコ足は関東炊きから

牛すじ

  • 西洋料理の影響で牛肉の利用が増え、牛すじも一般的に。
  • 関西地方では特に牛すじをおでんの具材として使うことが定着しました。
  • 煮込むと柔らかくなり、出汁に深みを与える具材です。

 

タコ足

  • タコの足を串に刺したものをおでんの具に

 

練り物が入ったのは戦後の闇市から

江戸時代の練り物はハレの日にしか食べられない高級品でした。

 

1 竹輪(ちくわ)

  • 魚のすり身を使った練り物は江戸時代から存在していましたがおでんの具になったのは戦後から

2 はんぺん

  • 魚のすり身を使ったふわふわの練り物。
  • 白くて柔らかい食感が特徴で、関東地方で特に人気です。

3 ちくわぶ

  • 小麦粉を原料にした独特の練り物。
  • 関東地方を中心に親しまれ、煮込むとモチモチした食感が楽しめます。

4. がんもどき

  • 豆腐をベースに野菜や山菜を混ぜて作る練り物。
  • ヘルシーでボリュームがあるため、おでんの具として利用されました。

5,厚揚げ

  • 豆腐を油で揚げたもの

平成~令和で追加された新しい具材

定番とは言えないものの認知度も高くなりつつあるおでん種を紹介します。

 

ロールキャベツ

  • 一口サイズのロールキャベツがおでんの具に
  • 縛るために昔は経木や竹の皮けれど、今ではカンピョウやしらたきが使われている
  • いつ頃からロールキャベツを入れるようになったかは定かじゃないが美味しい

 

トマト

  • トマトを丸ごと入れるおでん専門店で見かける事が多い

 

餃子巻き

  • 餃子巻は餃子に魚のすり身を巻き付けて揚げたおでん種

アボカド

  • トロっとした食感が新感覚
  • ボカドを大きめにカットして入れます。クリーミーな味わいがだしと意外にマッチします。
  • コツ: 長時間煮込むと崩れるので、さっと温める程度で。

ピーマンの肉詰め

  • ピーマンから種を抜いて肉を詰めたおでん種

ソーセージ

  • 大人気のソーセージもおでん種として入れるようになりました。

 

まとめ:おでんの魅力と未来

おでんは室町時代に生まれた豆腐田楽から始まりこんにゃく田楽となり

江戸時代中期になると庶民も食べるようになり

いろいろな具材で田楽が提供されるうちに鰹節と昆布でダシを取った醤油ベースのタレを使った

おでんが屋台や振売で販売された

 

明治時代に汁の多いおでんが生まれ、関西で関東炊きと呼ばれ改良

関東大震災の時に関西の料理人が関東炊きを炊き出しで振る舞った事で関東にも改良版おでんが広まる

 

第二次世界大戦後の闇市では練り物がおでん種の仲間入りを果たす

昭和初期頃までおでんは屋台やお店、駄菓子屋で食べられるものだったが

紀文が「おでん汁の素」を販売した事で家庭の鍋料理として定着

 

 

平成~令和にかけていろいろな具材が追加されていった

御当地おでんも考えるとバリエーションはかなり豊富ですね

 

ではでは(^ω^)ノシ

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