私たちが普段あまり意識しない「鳥のフン」ですが、実は長い年月をかけて島を形成した例があることをご存じでしょうか?
今回は、アホウドリのフン(グアノ)が地形や経済に与えた影響について、特にナウルという国を中心にご紹介します。
ナウル共和国は、バチカン市国・モナコ公国に次いで世界で三番目に面積の小さな国ですが島は独特な形で作られています。
アホウドリのフンが島を作るって本当?
はい、本当です!アホウドリをはじめとする海鳥のフンは、長い時間をかけて堆積し、やがて固まって島の地盤の一部となることがあります。
特に、太平洋のパルミラ環礁やベーカー島、ハウランド島などでは、この現象が見られます。
フンが島を作るメカニズム
海鳥が同じ場所で何世代にもわたってフンをする
フンが乾燥し、リンを豊富に含むグアノ(鳥糞堆積物)となる
長期間の堆積により、やがて岩のように固まる
島の地盤の一部として形成される
これらのグアノは、19世紀には天然肥料として高い価値を持ち、大量に採掘されました。
ナウルではアホウドリのフンが化石になったものを売っていた?
ナウルは、もともと海鳥のフンが長い時間をかけて鉱物化し、リン鉱石(燐灰石)として豊富に存在する島でした。
ナウルのグアノ採掘の歴史
海鳥のフンが数千年以上かけて積もる
リン酸が豊富な鉱物(リン鉱石)へと変化
19世紀後半~20世紀にかけてヨーロッパの鉱山会社が採掘開始
リン鉱石の輸出で一時的にナウルは世界有数の富裕国となる
過剰採掘により資源が枯渇し、環境が荒廃
実際にナウルでは「化石化したフン」とも言えるリン鉱石を採掘し、輸出していました。
特に農業用肥料として高く評価され、世界中に輸出されていたのです。
ナウルは鳥のフンだけでできた島なの?
いいえ、ナウルはもともとサンゴ礁が隆起してできた島で、その上に長年にわたって鳥のフンが堆積し、鉱物化したのです。
ナウルの地質の成り立ち
約3,000万年前にサンゴ礁の島が誕生(海底からの隆起)
長い年月をかけて海鳥のフンが堆積
フンがリン鉱石として鉱物化し、島の大部分を覆う
資源として採掘され、島の地形が変化
つまり、「ナウルは鳥のフンだけでできた島」というわけではなく、サンゴ礁の島に鳥のフンが堆積し、特異な地質が形成されたというのが正しい理解です。
まとめ
アホウドリなどの海鳥のフンが長年にわたって堆積すると、地形を変えるほどの影響を与えることがあります。
ナウルのように、リン鉱石として貴重な資源となるケースもありましたが、過剰採掘によって環境が大きく変わることもあるのです。
「ただのフン」と思いきや、実は地球の歴史や経済に大きな影響を与えているなんて驚きですね!
ではでは(^ω^)ノシ
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