学校のサッカー部の名前で目にする「ア式蹴球部」。普段は「サッカー部」って言うからピンと来ないかもしれないけど、ちゃんと理由があります。
この記事では、
「ア式蹴球部の意味」「なんで単に『蹴球部』じゃダメなのか」「ア式蹴球=サッカーってどうして?」
「今でも『ア式蹴球部』と名乗っている組織はあるの?」――こうした疑問に、歴史と現代の事情を交えて整理して書きます。
ざっくり結論
結論から言うと「ア式蹴球部」は『Association(協会)式蹴球=association football』、つまり サッカー を指す正式名称です。
「ア式」を付けるのは、昔からある「蹴る球技」を区別するためで、今でも大学の公式名として使っているところがあります(早稲田大学や東京大学などが代表例)。語源は英語の “Association” に由来し、「soccer」という呼び名が生まれる歴史ともつながっています。
「ア式蹴球部」の意味 ―― 言葉を分解すると
- 「蹴球」:文字どおり「蹴るボール競技」のこと。日本語では古くから使われてきた言葉です。
- 「ア式」:英語の Association(アソシエーション) を略したもの。「協会(Association)」が定めたルールで行う蹴球=協会式蹴球。要するに「アソシエーション・フットボール=サッカー」です。
英語の “Association football” を直訳して「ア式蹴球」としたわけで、フォーマルな場ではこれが正式名称になります。
とは言えア式蹴球なんてワールドカップでも使われていない言葉ですね
なんで「蹴球部」だけじゃダメなの?
一見、「蹴球部」で通じそうだけど、歴史的・実務的な理由で区別が必要です。
- 混同の恐れ
「蹴球」は広義にはラグビーのような他の蹴る競技も含み得ます。特に日本では昔、「蹴球」がラグビーを指すケースもあり、単に「蹴球部」とするとどの蹴球か分かりにくくなります。 - 伝統と正式名称
大学やクラブは長年の伝統や公式文書で「ア式蹴球部」という名称を使ってきました。公式の場では正式名を尊重するのが普通です。だから案内や掲示、入部案内などでは「ア式」を省かない。 - 略称と日常会話の違い
実際には日常会話や応援では「早大サッカー部」「蹴球部」と省略されることも多いですが、公式には「ア式蹴球部」。文脈に応じて使い分けているだけ、という見方が正確です。
ちなみにラグビーの正式名称は ラ式蹴球だそうです。
「ア式蹴球」=なぜ“サッカー”と呼ばれるのか?
ここは語源の話で面白いポイントです。
- イギリスで19世紀にいろんな「球を扱うスポーツ」のルールが整えられ、手で扱う系(ラグビーフットボール)と、手で触らないで蹴る系(協会式=Association)が区別されました。
- その「Association(協会)」に対する略称や俗称の変化の中で、英語圏で “association” → “assoc.” → 俗に “soccer” と呼ばれるようになった、という説が有力です。
- つまり“soccer”(サッカー)は “association football” の略称的ニックネームで、そこから日本語でも「サッカー」と呼ばれるようになった、という流れです。
要するに「ア式(=Association)の蹴球」が英語で “soccer” と呼ばれていて、そのまま和語化したのが「サッカー」というわけです。
そのままサッカーで定着してア式蹴球という言葉は完全に死語となっていますね。
今でも「ア式蹴球部」を名乗っている組織はあるの?
はい、今も使っている大学やクラブがあります。代表的な例を挙げると:
- 早稲田大学ア式蹴球部(伝統ある名門。公式に「ア式蹴球部」を使用)
- 東京大学運動会ア式蹴球部(歴史的に長いクラブ名)
- 一橋大学ア式蹴球部 など
これらは公式文書やウェブサイト、部の呼称で「ア式蹴球部」を明記しています。
日常会話では「早大サッカー部」と呼ぶ人も多いですが、正式にはア式を含めた名称が残っています。
まとめ
- ア式蹴球部が残っている組織では書く相手が公式な場(大学案内や大会資料など)なら:「ア式蹴球部」 と書く。
- カジュアルなブログや会話なら:「サッカー部」 や「早大サッカー部」と書いて問題なし。
- 読者が歴史や語源に興味があるなら、本記事のように「association→soccer」「蹴球の語義の変化」について一言添えると面白くなります。
早稲田大学などでは今でもこの古い言い方が通じているのが歴史を感じられて面白いですね
ではでは(^ω^)ノシ
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