アルファロメオのエンブレムとして同じのビショーネですが元々はイタリア、ミラノのヴィスコンティ家の紋章ですね
日本語のwikiだと人を飲み込む蛇という風に紹介されているのですがイタリア語版のwikiを読んで比較すると
日本語版の解釈
ミラノのヴィスコンティ家の紋章であり人を飲み込む蛇
先祖が森に住む人食い大蛇を倒した、または先祖が十字軍遠征した時にイスラム教の教徒がつけていた紋章
アルファロメオはこのビショーネとミラノの市章である白地に赤の十字「聖ゲオルギウス十字」を組み合わせたものが採用されている
イタリア語wiki和訳
ビショーネ(英語: "big grass snake"、大きな草蛇)は、稀にヴィペラ(Vipera)とも呼ばれる。
これは紋章学において、子供を生む神聖な蛇の姿を描いた図像であり、ミラノ市の歴史的な象徴である。
このシンボルは、ミラノに拠点を置く企業によっても使用されている。
歴史
11世紀にコンスタンティノープルからミラノに持ち込まれ、現在はサンタンブロージョ聖堂に保存されている青銅の蛇が、このビショーネの着想源であると考えられている。
語源
「ビショーネ」という言葉は、イタリア語の女性名詞「ビッシャ(biscia, 草蛇)」の男性形拡大形であり、この語は「ビスティア(bistia)」から転じたもので、最終的にはラテン語の「ベスティア(bestia, 獣)」に由来する。
ヴィスコンティ家との関係
この図像がミラノ市と結びついたのは、ヴィスコンティ家が1277年にミラノを支配したことがきっかけだった。
ボンヴェジン・ダ・ラ・リーヴァは、13世紀末までにヴィスコンティ家のシンボルとしてこの紋章を記録した。
このシンボルは、11世紀にアルンフ2世・アルサーゴ(998–1018年在任のミラノ大司教)がコンスタンティノープルからミラノに持ち込んだ青銅の蛇に由来している可能性がある。
ビショーネの最古の描写の一つは、アンジェラのヴィスコンティ城の大広間にある。
この広間は13世紀末に描かれ、ヴィスコンティ家の大司教オットーネが対立するデッラ・トッレ家に勝利したことを祝うフレスコ画がある。
ホールのペンデンティブには、小さな人間の姿を飲み込む大蛇が描かれている。
ミラノ公国との関係
15世紀にヴィスコンティ家が絶えた後も、ビショーネはミラノ公国の象徴として残り、スフォルツァ家が公国を継承した際、その紋章に取り入れられた。
1531年、ルネサンス期のミラノの作家アンドレア・アルチャートがミラノ公の紋章について以下のように記している:
「蛇の喉から飛び出す子供は、あなたの一族の高貴な血筋を示している。
我々は、マケドニア王(アレクサンドロス大王)がこのようなデザインの硬貨を用い、それによって自らが神アモンの子であり、蛇の形をした神によって母が騙されて生まれたことを祝っていたことを見た。
子供が蛇の口から現れることについて、蛇はこのように生まれると言われる。
または、これはパラス・アテナがユピテル(ゼウス)の頭から生まれたことに似ているのかもしれない。」
現代の使用例
ミラノの象徴として、ビショーネは市に関連する複数の組織で使用されている。
- サッカークラブ「インテル・ミラノ」はビショーネで広く表され、2010–11年および2021–22年のアウェイユニフォームにはこのシンボルが目立つデザインが採用された。
- ミラノを拠点とする自動車メーカー「アルファロメオ」(ビショーネの家、またはビショーネのブランドとも呼ばれる)は、ミラノの旗から由来する赤十字とビショーネをロゴに取り入れている。
- また、エスプレッソマシンのメーカー「ベゼラ」も同様にビショーネを使用している。
シルヴィオ・ベルルスコーニは、ミラノ生まれでミラノを拠点とした企業「メディアセット」と「フィニンヴェスト」のロゴに、子供を花に置き換えたスタイライズされたビショーネを使用している。さらに、「ミラノ・ドゥエ」「ミラノ・トレ」の住宅地や、メディアセット傘下のテレビチャンネル「カナーレ5」もビショーネに着想を得たイメージを採用している。
ミラノ以外での使用
類似のデザインは、ハンガリーの貴族ニコラス1世ガライ(1375–1385年のハンガリー王国のパラティン)の印章にも見られる。
ここでは、冠をかぶった蛇が人間ではなく王権の宝珠を飲み込んでいる。
また、ポーランドのサノクとベラルーシのプルジャニの紋章にもビショーネが描かれており、これらの町がポーランド・リトアニア時代にスフォルツァ家と結びついていたことを表している。
イタリアのバンド「ラクーナ・コイル」は、アルバム「ブラック・アニマ」のアートワークと限定版タロットカードでビショーネを使用している。
類似のシンボル
ビショーネに類似したものとして、ヒンドゥー教の神「マツヤ」の描写がある。彼の姿は一般的には上半身が人間、下半身が魚として描かれるが、魚の口から上半身が現れる形で描かれることもある。
また、初期キリスト教美術においては、旧約聖書の預言者ヨナがヘブライ神話の海の怪物「リヴァイアサン」(蛇のような姿を持つ)に飲み込まれる様子が描かれている。
まとめ
ビショーネの解釈が人を飲み込む蛇、もしくは子供を生む神聖な蛇という解釈もできるというのが面白いですね
特に詳細な物語があるわけじゃないから話を掘り下げにくいな
ミラノを象徴するマークなのは間違いないですね
ではでは(^ω^)ノシ