
発勁と言えば中国武術でよく使われる言葉ってイメージがありますね
しかし、発勁とはなにか?そう聞かれるとチンプンカンプン
ネットで調べてもよく分からないというかインパクトが強い部分が強調されていて分かりづらいです。
筆者が調べた発勁の意味とは
発勁とは
力を出す
という意味
発勁は中国武術を習っていない人には超能力みたいなイメージを持たれる
気功で相手を吹っ飛ばすみたいな漫画の影響もあったりなかったりするかもしれませんね。
力とは区別するために勁という字が使われている。
発勁と力の違い
楊式太極拳の第三代伝人の楊澄甫の弟子である鄭曼青いわく
「左莱蓬老師曰く『力は骨より発し、勁は筋より発する』」
という主張であった。
発勁とは体の「伸筋の力」「張る力」「重心移動の力」などの運動エネルギーを相手に作用させる事を言う
筋肉が伸びる力、筋肉が張る時に生じる力、重心移動などで生じる力を相手に作用させるのが発勁
力というのは単純な筋力と言ってもいいかもしれません。
発勁を分かりやすく分析すると
手には全く力を入れず脚や腰で発生したエネルギーを手に伝える技術
相手からすると手には力感が全くなく突然、凄まじい攻撃を受けるという事になる。
勁の速度と外面上の拳脚の速度は一致しない。というのはそういう事
香港映画でジャッキー・チェンがカンフーアクションをしていて速いけど全く力が入っていない攻撃をしていたりします。
ボクシングのフォームとは違う動きをしているのは発勁があるから
当たってから勁を流せばいいという発想なのかもしれません(個人の感想)
まとめると
- 全身の力を統合する:腕や足などの部分的な力だけでなく、体全体の筋肉や動きを連動させることで、より大きな力を生み出すこと。
- エネルギーの流れを利用する:呼吸や意識を統一し、エネルギーを効率的に伝える技術。
- 精密な技術:単なる力任せではなく、技の精度やタイミングを重視することで、最小限の力で最大限の効果を得ること。
各流派で発勁の仕方が技名になっている。
八極拳の李書文いわく
八極拳には
- 「沈墜勁」
- 「十字勁」
- 「纏絲勁」
- 「爆発勁」
- 「透化勁」(浸透勁)
という五法があると言われています。
沈墜勁
沈墜勁は自然落下を急激に止める事で発生する勁と説明されていたりします。
自分の体重を擬似的に増やすという風に説明されていますが
筆者の考察としては震脚、床を踏み鳴らす事で股関節の位置が変化するというか
手と脚がきちんと連動するようになる感じがしますね
流派によって解釈が違ったりするので要注意。
八極拳の流派、錬神会ではきちんと重心が落ちた状態を沈墜勁と呼んだりしています。
重心が落ちて上半身は脱力した状態になると体に軸が生まれる
それを沈墜勁というそうです。
十字勁(錬神会)
十字勁は沈墜勁で軸を作った状態
その軸に対して前後左右に力を働かせる状態を言います。
十字勁は直線の力と言われています。
纏絲勁
纏絲勁は螺旋の力という意味です。
纏絲勁とはどういうものか
分かりやすい説明として洗面台に水を溜める事ってあると思います
顔を洗って洗面台の水を抜く
栓を抜いてしまうと水は渦を巻いて下に落ちていきます。
重力の力とは捻る動きを発生させやすい。
いろいろなものに螺旋の力は働いているという事ですね
人間の身体も微妙に捻りながら動いています。
全身が協調して動けばそれは纏絲勁になる。
強さを分かりやすく説明すれば
十字勁は直線の力、言うなれば火縄銃
纏絲勁は螺旋の力、言うなればライフル
このくらい違う。
爆発勁(錬神会)
爆発勁は纏絲勁を強くすると相手の内部で力が爆発するようになると言われていますが
錬神会の解釈では脱力(放鬆)を極めていき沈墜勁、十字勁、纏絲勁と練習する中で
地球の引力以外、自分の引力を感じられるようになる
引力があるという事は浮力も感じられる
引力と浮力は常に発生しているものです。
浮力というのは全方位に常に働いています。
脱力を極める事で常に爆発している状態になる
その力を相手に伝える事が出来るようになるのが爆発勁というわけです。
透化勁(浸透勁)
人間の身体というのは水と油で出来ています。
放鬆を深めると発した力が波として相手に伝わる。
動画では人が列を作り相手の背中を触った状態で浸透勁を使った映像がありました。
相手の体に波を送るという事みたいです。
まとめ
発勁とは単純な筋力ではなく「伸筋の力」「張る力」「重心移動の力」などを総合して発生する力と言えます。
八極拳の動画では
- 「沈墜勁」
- 「十字勁」
- 「纏絲勁」
- 「爆発勁」
- 「透化勁」(浸透勁)
などを解説した動画を紹介しましたが
脱力(放鬆)を極める事で大きな力を発生させる事ができるという事です。
人間の身体は力むと力が出ない、逆に力みを無くす事でとんでもない運動エネルギーが出せるという事ですね