チノパンっていうと割と日本では一般的なズボンと言えますが
チノってなんだ?と思ったりしませんか?
チノというのはスペイン語やフィリピンでの「中国」を意味する言葉が由来です。
19世紀にスペイン語で「中国」を意味する「Chino」に由来し、中国で生産された綿織物がルーツとされています。
ちなみにチノパンは和製英語で、「チーノーズ」、または「チノーズ」が正式な名称。
しかし、調べてみるとややこしいというか勘違いされていた部分がある事が分かりました。
作ったのはアメリカ?イギリス?
チノパンを作ったのはアメリカですがイギリスとも関わりがあるようです。
ややこしいので整理しながら書いていきます。
実はチノパンの素材を作ったのイギリス
チノパンのチノはスペイン語で中国、チャイナの事と書きましたが
実はチノパンの布地を作ったのはイギリス
1840年ごろ、イギリスのマンチェスターで織り始めたもの
白の強い綿織物の事、熱帯地方で活動するイギリス兵の軍服用に開発されたもの
ナポレオンなんかも肖像画で履いている白いズボン、これがチノパンのご先祖さま
白いズボンというのは汚れが目立つためインド駐屯軍の連隊長だったハリー・ラムズデン卿はこれじゃダメだと思って
コーヒーとカレー、それに桑の実を混ぜた汁で染めてしまったらしい
そうして出来たのが【カーキ色】というわけです。
カーキ色の布地は中国に輸出されていきました。
アメリカの勘違いで名前が決まる
第一次世界大戦中、1890年代の話です。
フィリピンで駐留のアメリカ軍が中国から軍服用に布地を調達したことに由来しています。
これはインドから輸入されたチノクロスというわけです。
元々、軍服などを作る布地だったので大量に買い込で生産されていたのがチノパンいうわけです。
カーキ色の布地が中国で作られていると勘違いしたアメリカ軍はチノクロスを使ってズボンを作った
もう一つの説は軍服を作るためにアメリカがイギリスから輸入する時に中国を経由して輸入したからという説ですね。
こうして作られたチノパンは大人気になり第二次世界大戦後にはアメリカのキャンパス・ウエアとして人気になり
現在でもカジュアルなファッションとして人気がありますね
チノクロスとは?
厚手の綾織りでコットンの布地を指します
綾織り(あやおり)は、織物の基本的な織り方の一つで、平織りや朱子織りと並んでよく使われる技法です。
生地に斜めの線模様(綾目)が現れるのが特徴で、この模様は経糸(たていと)と緯糸(よこいと)の交差の仕方によって作られます。
特徴
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斜めの模様(綾目)
綾織りでは、経糸が一定間隔で緯糸の上や下を通ることで、斜めの模様ができます。この綾目の方向によって、生地の見た目や手触りが変わります。 -
柔らかさと伸縮性
綾織りの生地は平織りよりも柔らかく、伸縮性があり、しわになりにくいのが特徴です。そのため、衣類やカバン、家具のカバーなど、さまざまな用途で使われています。 -
耐久性
織り方によっては密度を高めることができるため、耐久性が求められる用途にも適しています。
代表的な綾織りの例
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デニム
綾織りの典型的な例で、ジーンズに使われます。右綾(右上がりの綾目)で織られることが多いです。 -
ギャバジン
目が詰まった綾織りの生地で、トレンチコートやスーツに使われます。 -
ツイル
比較的軽めの綾織り生地で、カジュアルな衣類やシャツに使用されます。
綾織りの構造
綾織りは「浮き」と「沈み」の比率によって模様や質感が変化します。
たとえば、2/1綾(2本の経糸が緯糸を覆い、次に1本の経糸が緯糸の下に沈む)や、3/1綾などがあります。
これによって生地の強度や見た目が調整されます。
まとめ
イギリスのマンチェスターで作られた白くて丈夫な布地を熱帯地方の軍服として使っていたが白い布地は目立つし汚れやすい
そこでハリー・ラムズデン卿がインドにあるもので染めたのが【カーキ色】
第一次世界大戦中、フィリピンでこのカーキ色に染められた布地を軍服を作るために買い付けたアメリカ
アメリカは中国産の布地だと思ってチノクロスと名付けそれで作ったパンツはチノパンとなった
第二次世界大戦後からはアメリカのキャンバスウェアとして人気になった。
アメリカの勘違いというのが面白いですね
ではでは(^ω^)ノシ
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