打製石器といえば旧石器時代に作られていた原始的な道具という印象が強いがサバイバル環境において必要不可欠な道具です。
例えば無人島に体一つで遭難した場合などには作り方を知っているのと知らないのでは生き残る確率は減ると言っても過言じゃない。
金属がない状態でナイフや斧を手に入れるためには絶対に必要。
文明を築くためには必須の道具と言えます。
打製石器の簡単な作り方
まず河原などで適当な石を手に取り石同士でぶっ叩きます。
筆者が作った打製石器がこちら
単に石を割っただけじゃないかと思われるかもしれませんがその通りです。
本当に転がっている石を拾って石で叩いたり投げて石にぶつけたりして割っただけです。
細かく形を整えてもいません。
これで本当に使えるのか?と思うかもしれませんが
切れ味は鈍いながらツタ程度ならあっさり切れますし紙も切る事ができます
枝を削ったりする事も出来ました。
石器に適した石であればもっとクオリティが高くなると思いますが砂岩の石器なのでもろくてすぐに砕けてしまう
加工しやすい反面、丁寧に作るのは技術がいるっぽいです。
そんなクオリティでもペットボトルのラベルくらいなら簡単に切り裂きます。
ナイフとは比較にもならないけど、切る作業に使える。
石が割れた面が非常に鋭くなるため雑に叩いて作ったものでも十分だったりします。
形を整えるなら磨製石器、石同士を擦り合わせて形を整えるのがベストだと思います。
石の選び方が8割
石の選び方が重要、硬くてガラス質な石がベストと言われています。
黒曜石やチャート、頁岩、安山岩など硬くて薄く割れ口が鋭いものがベスト
割れた破片が鋭くなる石なら何でもいい
硬い石同士を叩いて形を作っていく
コツが必要かもしれない。
打製石器に適した石は、割れやすく、鋭利な刃を作れる石です。具体的には以下のような石がよく使われました。
1. 黒曜石(こくようせき)
- 特徴:火山活動で生まれた天然のガラス質の石。非常に鋭い刃を作れる。
- メリット:薄くシャープな切れ味が出せるため、ナイフや矢じりに適している。
- デメリット:割れやすく、強度が低い。
- 使用例:細石器、矢じり、ナイフ
2. チャート(珪岩、ちょうと)
- 特徴:シリカを多く含む硬い石。適度に割れやすく、耐久性も高い。
- メリット:強度があり、鋭利な刃を作れる。
- デメリット:黒曜石ほど鋭くならないが、実用性が高い。
- 使用例:ハンドアックス、ナイフ、槍の穂先
3. 燧石(ひうちいし、フリント)
- 特徴:チャートと似た成分を持ち、割ると鋭利な断面ができる。火打石としても有名。
- メリット:加工しやすく、耐久性がある。
- デメリット:石の質によっては加工が難しいものもある。
- 使用例:ナイフ、矢じり、槍
4. 砂岩(さがん)
- 特徴:粒子が粗めで比較的柔らかいが、硬い層があるものは石器に適する。
- メリット:加工がしやすく、道具の種類によっては使いやすい。
- デメリット:耐久性が低いため、鋭さを保ちにくい。
- 使用例:石斧、削器(スクレイパー)
5. 玄武岩(げんぶがん)
- 特徴:火成岩の一種で硬く、頑丈。
- メリット:耐久性があり、大型の道具に向いている。
- デメリット:加工が難しく、細かい刃物には向かない。
- 使用例:ハンマー、すり石
6. 石英(せきえい)
- 特徴:硬度が高く、鋭い刃が作れるが、やや脆い。
- メリット:黒曜石やチャートが手に入らない地域では代用品になった。
- デメリット:割れやすく、加工が難しい。
- 使用例:ナイフ、小型の刃物
まとめ
| 石の種類 | 刃の鋭さ | 耐久性 | 加工のしやすさ | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|
| 黒曜石 | ★★★★★ | ★★☆☆☆ | ★★★★☆ | ナイフ、矢じり |
| チャート | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ハンドアックス、槍の穂先 |
| 燧石 | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ナイフ、矢じり |
| 砂岩 | ★★☆☆☆ | ★★☆☆☆ | ★★★★★ | 石斧、削器 |
| 玄武岩 | ★★☆☆☆ | ★★★★★ | ★★☆☆☆ | ハンマー、すり石 |
| 石英 | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ | ★★☆☆☆ | ナイフ、小型刃物 |
打製石器に適した石は、その地域ごとに手に入りやすいものが使われました。たとえば、黒曜石は日本の北海道や長野などで多く使われ、フリント(燧石)はヨーロッパで一般的でした。
サバイバルで必要な切れ味
簡単な作業をするためには必要な能力は枝葉を切る、ツタを切る
斧などで木を切るなど特別な切れ味は必要ではなく簡単に作れて使えるツールとして機能する。
簡単に作れる消耗品ですね。
打製石器はサバイバルでも非常に役に立ちます!
現代の道具がない状況でも、適した石を使えば簡単な刃物や工具を作ることができます。
サバイバルでの活用方法
1. 刃物として使う(ナイフ・カッター)
- 用途:ロープやツタを切る、動物の皮を剥ぐ、食材を調理する
- 作り方:
- 黒曜石、チャート、燧石などを見つける
- 石同士をぶつけて割り、鋭利な部分を作る
- 木の枝や骨と組み合わせて柄をつければ持ちやすい
2. 槍の穂先にする
- 用途:狩猟や自衛のために槍を作る
- 作り方:
- 鋭く尖った石を作る(尖頭器)
- 木の棒にくくりつけ、ツタやロープで固定する
- 焚き火で焼き締めると強度が上がる
3. 火を起こす(火打石として)
- 用途:火種を作る
- 作り方:
- 燧石(フリント)やチャートを鉄(ナイフや金属片)とこすり合わせる
- 火花を火口(ほくち:乾燥した草や木の皮)に落とす
- 息を吹きかけて火を育てる
4. 木材や骨を加工する(削る・割る)
- 用途:木の枝を削って道具を作る、骨や角を加工する
- 作り方:
- 平たい石を作り、削る道具(スクレイパー)として使う
- 木の枝の表面を削り、槍や矢を作る
5. 穴を掘る、粉を挽く
- 用途:植物の根を掘り出す、水源を探す、穀物を粉にする
- 作り方:
- 丸みのある石をハンマーやすり石として使う
- 地面を掘るための石を探し、シャベル代わりにする
まとめ
打製石器は簡単に作れる原始的な道具です。
作ってみると分かるけど、割れた石って思った以上に鋭いですね。
ナイフが手元にない状態でも石があれば何かを切るのに困ったりはしない
正確性には欠けるけど切ったり削ったりはできるというわけです。
ではでは(^ω^)ノシ
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