カエルが水を飲む時
どこを使うかと言うと口ではない
カエルといえばよく伸びる舌で虫を捕まえるイメージがあるけれど
水分をどうやって接種しているかはみんな知らない
水は腹で飲む
カエルは水分をお腹の
皮膚
で吸収する。
人間には絶対にできない事だがカエルは皮膚から水分を吸収する。
水辺で生活するカエルはその方が都合が良かったのだろう
水辺といっても水の中で暮らしているわけではなく池などの近く
アマガエルなどは水辺の近くにある木の上で生活している。
朝露などの水分をカエルはお腹で吸収している
YouTube動画
思ったより水を吸収するのが速いですね
どういう仕組み?
両生類は皮膚などの浸透圧を調整できる。
つまり、体に吸収する液体を選べるというわけです。
カエルなどは粘液を分泌していたりするが水分を吸収する事もできるらしい
両生類の浸透圧調整には皮膚、泌尿器およびリンパ系が関わっているようでかなり特殊
カエルには半水生と陸生種がいるけど、その多くは体内にある水を拡散させるための領域がある。
後肢腹側~体後部腹側の皮膚領域に血管分布が増加した特殊なペルビックパッチ(Pelvic patch)、もしくドリンクパッチ(Drink patch)と呼ばれる領域を備えている。
水分を吸収してナトリウムと塩化物のバランスを整えています。
カエルは水分が足りなくても喉が渇くという事はなくお腹に水分を触れさせて吸収する。
カエルの皮膚は水分が蒸発しないように粘液を出す機能と水分を吸収する機能がある。
カエルの水分吸収の仕組み
-
通常の水分吸収
- カエルは非繁殖期の樹上生活中に、腹部の皮膚を通じて30μL/cm²/100分の水分を吸収します。
-
乾燥環境下での水分吸収の増加
- カエルを数日間、水分が摂取できない乾燥環境に置くと、水分吸収能力が通常の5〜7倍に増加します。
-
水分吸収の活性化因子
- 交感神経作動剤(アドレナリンβ受容体刺激)や、下垂体神経葉ホルモン(両生類の抗利尿ホルモンであるアルギニンバソトシン)の分泌によって水分吸収が活性化されます。
乾燥環境においても水分吸収能力が上がるという事はかなり融通が効くようです。
水分維持におけるカエルと人の違い
-
人の場合
- 人間は主に腎臓の集合管細胞に存在するアクアポリン(AQP)と呼ばれる膜タンパク質を通じて水分を維持します。
-
カエルの場合
- カエルのAQPは下腹部の皮膚(ペルビックパッチ)、膀胱、腎臓に存在します。
- カエルは膀胱に蓄えた尿から水分を再吸収することができます。
- 皮膚では、分泌腺である粘液腺と顆粒腺に特異的に発現するAQPが水分吸収に関与しています。
アクアポリンというタンパク質は人間にもカエルにもあるけどカエルは皮膚、人間は腎臓にあるというのは面白い
カエルの特有の生理機構
- 腎髄質対向流系の欠如
- カエルは哺乳類と異なり、腎臓に腎髄質対向流系がないため、腎臓で尿を濃縮することができません。
- このため、皮膚を通じた水分吸収作用が重要な役割を果たしています。
ペルビックパッチの機能とカエルの種類
- ペルビックパッチの違い
- ペルビックパッチの領域や機能は、カエルの種類や生息環境によって異なります。
- 皮膚の水透過性やアルギニンバソトシン(AVT)に対する応答の違いは、それぞれのカエルの皮膚に発現するAQPの種類によります。
これがカエルの水分吸収の仕組みと、それに関する詳細な生理学的説明です。カエルはその生息環境や生理的特性に応じて、独自の水分維持メカニズムを進化させてきたことがわかります。
まとめ
カエルは口ではなくお腹の皮膚から水を吸収する。
人間の腎臓がカエルにとっての皮膚というわけです
こういうのを見ると両生類と哺乳類って全く違う生き物なんだと分かる
ではでは(^ω^)ノシ
この記事もおすすめ
化粧水を皮膚から吸収しない・できない理由とは?北條元治 | 形成外科医・肌の再生医療の専門家チャンネル引用
エキゾチックアニマルはペットとして飼いにくい!飼うのはお金と覚悟がいるぞ!
炭酸水を毎日飲む!その健康効果とは?普通の水より断ぜんいいのよ?
参考文献
■Bentley PJ.Endocrines and Osmoregulation.A Comparative Account in Vertebrates.In: The Amphibia,edited by Bentley P.Springer,New York:155-186.2002
■Hoff KVS,Hillyard SD.Angiotensin II Stimulates Cutaneous Drinking in the Toad Bufo punctatus.Physiol.Zool66:89-98.1993
■Jørgensen CB.200years of amphibian water economy:from Robert Townson to the present.Biol.Rev72:153-237.1997
■Hillyard SD,Willumsen NJ .Chemosensory function of amphibian skin: integrating epithelial transport,capillary blood flow and behaviour.Acta Physiol202:533-54.2011
■KamishimaY,MoriT.Dual water absorption systems in ventral skin of Japanese treefrog (Hyla japonica). proc4.internat.Congr of Comp.Physiol.Biochem.1995
■Nakashima H,KamishinaY.Regulation of water per meability of the skin of the treefrog,Hyla arborea japonica.Zoo.Sci7:371-376.1990
■Tanaka S,Hasegawa T,Tanii H,Suzuki M.Immunocytochemical and phylogenetic distribution of aquaporins in the frog ventral skin and urinary bladder. Ann N Y
Acad Sci 1040:483-485.2005
■上島孝.両生類の経度的水分摂取機構と陸上適応.岡山実験動物研究会.8-10.1999
■佐藤恵,酒井秀嗣.無尾両生類の水調節機構.日本大学歯学部紀要41.97-101.2013