新しい薬や化粧品などを作る時に必ず動物実験を行います。
人間で試す前に動物で実験して安全性を確かめるためです。
そんな動物実験で使われるのがモルモットです。
人体実験をされる事を「モルモットにされる」なんて暗喩がありますが
それくらい動物実験といえばモルモット
なぜ、モルモットなのか?他のネズミとかハムスターじゃダメなのか
ハツカネズミとかめっちゃ増えるから動物実験に使っても困らなそうなイメージ
なのに何故、モルモットなのか?
モルモットが動物実験に使われる理由
モルモットが使われる理由としては2つあって
- 人間との共通点
- 敏感である事
- 増やしやすい
人間と酷似した特徴
モルモットが動物実験に使われる理由は人間と同じくビタミンCを体の中で生成できない生き物だからです。
ビタミンCを作るL-グロノラクトンオキシダーゼという物質が人間と同じく体内にない
人間と同じ特徴を持っているため創傷治癒、骨リモデリング、コラーゲンの生合成(ビタミンCが関与)などなどの研究に用いられている
耳の構造は人と酷似しており聴覚の研究にも用いられている。
感染症にも罹患しやすく、免疫系も人間と酷似している。
敏感である
呼吸器はアレルゲンに敏感であり、他の哺乳類よりも簡単にアナフィラキシーショックを起こします。
皮膚も敏感で化粧品をつけてアレルギー反応を見る事もできる。
増やしやすい
モルモットの妊娠期間は59 – 72日で一度の出産で2~4頭の子を産みます。
うさぎの妊娠期間は約1ヶ月でモルモットはその2倍ほどかかる
しかし、生後数日で自分で餌を食べて2ヶ月くらいで成体になる。
メスは年に2~3回の出産が可能
マウスやラットよりも体が大きくてうさぎよりも小さいサイズ
飼育しやすいサイズ感である事も特徴
モルモットは家畜だった?
モルモットと人間の関わりは紀元前3000年頃からあり、南米のインディオにより山岳地に生息していた原種を品種改良して
家畜化したのが始まりとされています。
ペルーにはモルモットを使った伝統料理【クイ】があるそうです。
植民地化したヨーロッパ人が持ち帰って16世紀になるとペットとして人気になる
日本に渡来したのが1843年でオランダ人が長崎の出島に持ち込んだ
明治時代になる頃に医学的研究の実験にも使われるようになりました。
まとめ
モルモットが動物実験に使われるのは
- 人間と同じでビタミンCを体内で作れない
- 人間と似ている器官がある
- 増やしやすい
現在のモルモットは人間に家畜化されていて原種とは違うのだと思われます
ビタミンCを体内で作れなくなったのもその辺りが原因かもしれませんね(個人の感想)
ではでは(^ω^)ノシ
参考文献
■Basketter DA,Kimber I.Skin sensitization,false positives and false negatives: experience with guinea pig assays.J Appl Toxicol30:381–386.2010
■Barnes MJ.Function of ascorbic acid in collagen metabolism.Ann NY Acad Sci258:264–277.1975
■Böhmer A.The Preyer reflex—an easy estimate of hearing function in guinea pigs.Acta Otolaryngol106:368–372.1988
■Coates ME.Gnotobiotic animals in research:their uses and limitations.Lab Anim9:275–282.1975
■Lucarini L et al.Poly(ADP-ribose) polymerase inhibition with HYDAMTIQ reduces allergen-induced asthma-like reaction,bronchial hyper-reactivity and airway remodelling.J Cell Mol Med.2014
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