北海道はなぜ道とつくのか?
ざっくり解説するとこんな感じ
日本の都道府県の中で「道」がつくのは北海道だけです。
これは、北海道の歴史や行政区分の経緯によるものです。
北海道が「道」となった理由
旧国名からの変更
明治時代以前、日本の各地には「国(くに)」がありました。例えば、現在の東京都周辺は「武蔵国」、大阪府周辺は「摂津国」といった具合です。北海道も、かつては「蝦夷地(えぞち)」と呼ばれていました。明治時代の命名
1869年(明治2年)、明治政府が蝦夷地を正式に日本の領土として統治する際、新しい名称が必要になりました。このとき、当時の官僚・松浦武四郎が「北加伊道(ほっかいどう)」という名前を提案し、「北海道」と命名されました。「道」というのは中国の行政区分の一つであり、日本でも古代律令制において「東海道」「山陽道」といった広域区分に使われていたことから採用されたと考えられます。府県とは異なる特別な行政区分
明治時代初期、日本の各地には「府」と「県」が設置されましたが、北海道は開拓が進行中であり、行政の仕組みも異なっていました。そのため「北海道開拓使」という特別な機関が置かれ、後に「北海道庁」となりました。
現在の「都道府県」制度
- 都:東京都(もともとは「東京府」だったが、1943年に「東京都」に)
- 道:北海道(唯一の「道」)
- 府:大阪府、京都府(江戸時代に特別な都市だったため)
- 県:その他のすべての地域(43県)
このように、北海道は地理的・歴史的な理由から特別に「道」という名称が使われています。
道は国よりも広い地域を差す
都道府県じゃなくても道という地名は聞いた事があると思います
東海道や北陸道などは新幹線の名前にもなっているから有名ですね。
実は律令国家〔りつりょうこっか〕における一つの区分が【道】なのです。
古代中国が発祥で日本でも7世紀後半、天武朝〔てんむちょう〕に成立しました。
当時の首都は平城京、奈良県にあり
みやこに近い5つの国、五畿とそれ以外の地域で七道がありました。
五畿の構成
畿内の国名 | 現在の地域 |
---|---|
山城国(やましろのくに) | 京都府南部 |
大和国(やまとのくに) | 奈良県 |
河内国(かわちのくに) | 大阪府東部 |
和泉国(いずみのくに) | 大阪府南西部 |
摂津国(せっつのくに) | 大阪府北部・兵庫県南東部 |
この国を畿内〔きない〕と呼びそれ以外の地域を
七道の構成
道の名称 | 主な国(現代の地域) | 特徴 |
---|---|---|
東海道(とうかいどう) | 伊賀、伊勢、駿河、遠江、三河、相模、上総、下総など(現在の東海地方・関東地方) | 古代から交通の要所。後に東海道五十三次として発展。 |
東山道(とうさんどう) | 近江、美濃、飛騨、信濃、上野、下野など(現在の中部地方・関東地方) | 山岳地帯を貫通し、内陸交通の要所。 |
北陸道(ほくりくどう) | 若狭、越前、加賀、能登、越中、越後、佐渡(現在の北陸地方) | 日本海側の交易ルート。冬は雪が多く、交通が困難。 |
山陰道(さんいんどう) | 丹波、但馬、因幡、伯耆、出雲、石見、隠岐(現在の山陰地方) | 日本海沿岸の地域で、出雲大社がある。 |
山陽道(さんようどう) | 播磨、備前、備中、備後、安芸、周防、長門(現在の瀬戸内海沿岸) | 瀬戸内海沿いの温暖な地域で、海運が発達。 |
南海道(なんかいどう) | 紀伊、淡路、阿波、讃岐、伊予、土佐(現在の和歌山・四国地方) | 四国地方と紀伊半島を含み、海路が重要。 |
西海道(さいかいどう) | 筑前、筑後、肥前、肥後、豊前、豊後、日向、大隅、薩摩(現在の九州地方) | 九州全域を含み、大陸との貿易拠点。 |
このように分けて五畿七道と呼んでいました。
この区分に北海道が含まれたのが明治時代、江戸時代では北海道は蝦夷地と呼ばれていました
つまり、江戸時代まで北海道はほとんど開拓されておらず異民族が住む土地でした。
アイヌ民族などの少数民族と松前藩(北海道松前郡松前町)に日本人が暮らしている程度でした。
明治時代に北海道と命名された事で五畿八道となったわけです。
函館県・札幌県・根室県を設置したものの
1882年に開拓使が廃止され、それに合わせて函館県・札幌県・根室県が設置されたものの
行政が上手くいかず結局、4年で廃止して北海道に戻したそうです
国と省庁が3県とのやり取りをする時に煩雑になってしまったという事ですね
内務省直轄の北海道庁が設置されて統一的な開発されました。
これは第二次世界大戦後まで続きましたが1947年の地方自治法の施行に伴い北海道は一般的な地方自治体となった
まとめ
北海道だけ県ではない理由は明治時代に開拓された土地だったから
開拓中のため県ではなく別の呼び方になった。
五畿七道にちなんで北海道と名付けられたというわけです。
ですから今は五畿八道となっているというわけですね。
ではでは(^ω^)ノシ
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