世の中には本当っぽい嘘というものが結構あったりします。
なぜか分からないけどそういう風に言われている事ってあったりします
そんな都市伝説【目え開けたままくしゃみしたら目玉がとんだ】について解説します
結論から言えば目を開けたままくしゃみをしても目玉が取れたりしないです。
第1章:はじめに
「くしゃみをするときに目を開けていると、目玉が飛び出るよ!」
そんな話、子どもの頃に一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
この言い伝え、インパクトが強いせいか、まるでホラーやギャグのように今でも語り継がれています。でも実際のところ、目を開けたままくしゃみをすると、本当に目玉が飛び出すような危険があるのでしょうか?
結論から言うと、それは 完全なる都市伝説です。
ただし、なぜそんな話が生まれたのか、そして目とくしゃみの間にどんな関係があるのかを探っていくと、そこには意外と面白く、そしてちゃんと「科学的な理由」があるのです。
この記事では、「目を開けたままくしゃみをすると危ない」という噂の真偽を、医学的な視点から検証していきます。また、実際に目に負担がかかるケースや、注意すべきポイントについても紹介します。
都市伝説として笑って終わらせるだけでなく、体の仕組みについてちょっとだけ詳しくなれる、そんな内容をお届けします!
第2章:くしゃみのメカニズム
くしゃみは、私たちが日常的に経験するごくありふれた生理現象です。
けれども、そのメカニズムをしっかりと理解している人は意外と少ないかもしれません。
この章では、くしゃみがどのように起こり、体の中でどんな反応が起きているのかを詳しく見ていきましょう。
くしゃみは“防御反応”
まず、くしゃみとは何かというと――
体に入ろうとする異物(花粉・ホコリ・ウイルスなど)を排除するための反射的な反応です。
くしゃみは、次のようなプロセスで起こります。
- 鼻の粘膜が刺激される(例:花粉、煙、ウイルスなど)
- 刺激が三叉神経(さんさしんけい)を通じて脳に伝わる
- 脳が「異物が来たぞ!」と判断し、くしゃみ反射を起動
- 息を大きく吸い込み、喉を閉じて圧をためる
- 一気に息を吐き出し、異物を吹き飛ばす
この一連の流れは、ほんの数秒、いや0.1秒単位で自動的に行われます。まさに人間の体の防衛本能そのものですね。
くしゃみの空気圧は強烈!
くしゃみの時に出る空気のスピードは、なんと 時速160km以上 にもなることがあります(新幹線並み!)。
また、瞬間的に体内の圧力もグッと上がります。だからこそ「周りにウイルスをまき散らさないように気をつけましょう」と言われるんですね。
この強烈な空気圧が、目や耳、喉などに一時的な負荷を与えることもあります。
でも、それはあくまで一瞬のもので、通常は問題ありません。
くしゃみと全身の連携
実はくしゃみって、「鼻」だけの反応じゃないんです。
次のように、体中のいろんな器官が連携しています。
- 横隔膜:腹圧を高め、強く息を吐く
- 声帯:閉じて圧をため、一気に開く
- 喉・口・鼻:空気の出口をコントロール
- 目:自動的に閉じる(くしゃみ反射の一部)
このように、くしゃみは「呼吸器・神経・筋肉」が一体となって起こす反応であり、非常に精巧な仕組みでできているのです。
第3章:くしゃみと目の関係
「くしゃみをすると、なぜか目を閉じてしまう」
これは誰しもが体験していることではないでしょうか。自然に起きるこの反応、実は深い生理的な理由があるのです。
この章では、「くしゃみの時に目が勝手に閉じる理由」と「目を開けてくしゃみをするとどうなるのか」について、医学的な観点から解説していきます。
なぜくしゃみの時に目が閉じるのか?
くしゃみをするとき、目を閉じるのは無意識の反応=反射行動です。
この反射のことを「くしゃみ反射(sneeze reflex)」と呼びます。
くしゃみ反射の中で起きる主な現象は以下の通り:
- 鼻の粘膜が刺激されると、三叉神経(さんさしんけい)が信号を脳に送る
- 三叉神経は、顔面の感覚全般を司る神経で、目・鼻・口に関連しています
- この信号により、目のまぶたを動かす神経(顔面神経)にも影響が及び、自動的に目を閉じる
つまり、目を閉じるのは身体を異物から守るための無意識的な「安全装置」のようなものです。
目を閉じるのは何のため?
目を閉じる主な理由は2つ考えられています:
- 目を異物から守るため
くしゃみによって飛び出す空気が、涙や鼻水、異物を巻き込んで目に入る可能性があるため、自然に目を閉じて防御します。 - 圧力の影響を和らげるため
くしゃみの際には、瞬間的に顔面や頭部の圧力が上がるため、それを分散・吸収する目的もあるとされています。
意識的に目を開けてくしゃみしたらどうなる?
ここが本題ですね。
もし「目を開けたままくしゃみしたら目玉が飛び出る」としたら、それはとんでもなく危険なことです。
でも安心してください――
医学的には、目玉が飛び出ることは絶対にありません。
なぜなら:
- 眼球は6本の外眼筋と呼ばれる筋肉でしっかり支えられており、
- 視神経とも強固につながっていて、
- 結合組織(眼窩脂肪など)がクッションの役割を果たしています。
一瞬のくしゃみ程度で、この構造が崩れることはないのです。
ただし、無理に目を見開いて、強くくしゃみを我慢したりした場合は、目や血管に一時的な負担がかかることがあります。たとえば:
- 目の血管が切れて白目が赤くなる(結膜下出血)
- 眼圧の一時的な上昇(特に緑内障の人は注意)
なので、「無理に目を開ける必要はないし、自然に任せるのが一番安全」です。
第4章:目玉が飛び出すことはありえるのか?
「目を開けたままくしゃみをすると、目玉が飛び出す」
――この噂、なんともインパクトが強いですよね。でもここまで読んでいただいた方なら、もうおわかりだと思います。
医学的に見て、くしゃみで目玉が飛び出すことは、まずあり得ません。
では、なぜこのような話が広まったのでしょうか?
この章では、目が飛び出る仕組みの現実と、実際に起こりうる事例について詳しく解説します。
目はそんなに簡単に“飛び出す”ものではない
まず、眼球(目玉)は以下のような複数の構造によって、非常にしっかりと支えられています。
- 外眼筋(がいがんきん):6本の筋肉が目の動きをコントロールしつつ、眼球を支えている
- 視神経(ししんけい):眼球の奥と脳を結ぶ太い神経。これも目をしっかりと固定している
- 眼窩脂肪(がんかしぼう):目の奥を埋めるクッション材のような役割をする脂肪組織
- 眼窩(がんか):頭蓋骨の一部で、目がはまっている「骨のくぼみ」。眼球はここに収まっている
このように、目は筋肉・神経・骨などにがっちり固定されており、ちょっとやそっとの圧力で飛び出すような構造ではありません。
では、なぜ「飛び出す」という話があるのか?
このような都市伝説が生まれた背景には、以下のような要因が考えられます。
① 映画や漫画の影響
誇張された演出(くしゃみとともに目玉が飛び出るなど)が、インパクトとして記憶に残り、都市伝説のように語られるようになった。
② 実際に「眼球が突出する」ことはある
一部の稀なケースでは、目が飛び出したように見えることはあります。たとえば:
- バセドウ病:甲状腺の病気で、眼球が前に押し出される(眼球突出)
- 外傷:事故や打撲により、眼窩が骨折し眼球が突出するケース
- 圧力による一時的な眼球の変化:ごくまれに、極度のくしゃみや咳、息こらえによって、目が「飛び出すように見える」変化が起こることも
ただし、こうした現象は特殊な条件や持病、事故などが関係している場合に限られます。
健康な人がくしゃみをして目玉が物理的に飛び出す、ということはありません。
医学的にも「安心してくしゃん!」でOK
いりなか眼科クリニックなどの眼科医によると、くしゃみによって眼球が飛び出るという心配は不要とのこと。
目を開けたままくしゃみをしても、視神経や外眼筋が正常であれば、まず問題になることはありません。
ただし、緑内障や網膜に問題がある人、手術直後の人などは慎重に。
一時的に眼圧が上がるため、強いくしゃみが頻発するようであれば、眼科に相談するのがベストです。
第5章:都市伝説としての面白さと注意点
「くしゃみで目玉が飛び出す」――
このフレーズは、一見するとホラー。でもどこかユーモラスで、子ども同士の会話や昔話のネタとして使われることも多いですよね。
この章では、こうした身体にまつわる都市伝説の面白さと、それに隠れた注意点について掘り下げていきます。
都市伝説のルーツ:なぜそんな話が生まれるのか?
こういった話が世の中に広まる理由は、いくつか考えられます。
① 子どもへの注意喚起から発生
例えば、「口笛吹いたら蛇が来る」「夜に爪を切ると親の死に目に会えない」など、
昔からの言い伝えには、**子どもに危険を避けさせるための“教育的な嘘”**が多く含まれています。
「くしゃみで目玉が飛ぶ」も、
「無理にくしゃみを我慢したり、変な顔してやると危ないよ」
というメッセージの変形だった可能性があります。
② ビジュアルのインパクトが強い
想像してみてください。
くしゃみと同時に「目玉がポーン!」なんて想像をしたら、インパクトが強すぎて忘れられませんよね(笑)
記憶に残りやすく、話として面白いから、笑い話として語り継がれてしまったのでしょう。
面白さはOK。でも「体に関する迷信」には注意も必要
都市伝説や迷信は文化としての魅力もありますが、時には不安を煽ったり、誤った行動につながるリスクもあります。
例えばこんな危険なケース:
- 迷信を信じて、くしゃみを無理に抑える人がいる
→ 実はこれは逆に危険で、内耳や気道に圧がかかりすぎて損傷を起こすことも。 - 変な姿勢でくしゃみを我慢する → 腰や首を痛めるリスクも
だからこそ、正しい知識とセットで楽しむことが大切です。
迷信はあくまで「昔の人の知恵やユーモア」であり、今の時代では医学や科学の視点と照らし合わせて「笑って学ぶ」くらいがちょうどいいのかもしれませんね。
面白さと知識のバランスを
私たちが身体について語るとき、全部をガチガチの医学で固めてしまうと、正直ちょっと堅苦しい。でも、都市伝説だけを信じてしまうのも危険。
だからこそ、「くしゃみで目玉が飛ぶ」なんて話を聞いたら――
まずは「それ、本当かな?」と立ち止まってみるクセをつけること。
そのうえで、楽しみながら知識をアップデートすることが、現代人の知的エンタメなのかもしれません。
第6章:まとめ
「目を開けてくしゃみをすると目玉が飛び出す」という言い伝え。
そのインパクトから、今も語り継がれているこの都市伝説――
医学的な結論を言えば、その心配はまったく不要です。
目は筋肉・神経・骨などでしっかりと守られており、たとえ時速160kmのくしゃみをしても、目玉が飛び出すような構造にはなっていません。
くしゃみの時に目が閉じるのは、自然な反射行動。
それは目を守るための本能的な動きであり、「わざわざ目を開ける必要はないし、閉じてしまってもまったく問題ない」――むしろその方が安全、というわけです。
✅ 今回のポイントをおさらい
- くしゃみは異物を体外に排出する防御反応で、強い空気圧を伴う
- くしゃみのときに目が閉じるのは反射であり、神経の働きによるもの
- 眼球は筋肉や神経、骨でしっかり守られていて、飛び出すことはない
- 実際に目が突出するのは、ごく稀な疾患や外傷によるもの
- 都市伝説は面白いけれど、誤った行動に繋がらないよう注意が必要
最後にひとこと
都市伝説には、昔の人の知恵や「ちょっと怖くて面白い話」がたくさん詰まっています。
でも、体や健康に関する話は、「なんとなく」で判断せずに、ちょっとだけ調べてみることが大切です。
これからもし誰かが「くしゃみで目玉飛ぶよ!」なんて言ってきたら――
笑ってこう返してあげましょう。
「それ、都市伝説だよ。でも、よくできてるよね!」
科学の目を持ちながら、昔話のユーモアも楽しめる、そんな大人でありたいものですね。
ではでは(^ω^)ノシ
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