「ファンタジーの種族」と聞くと、エルフやドワーフを思い浮かべる人は多いはずです。
ところが、あの有名な種族たちは最初から“ゲーム用キャラ”として生まれたわけではありません。
実は多くのファンタジー種族には、北欧神話やギリシャ神話、さらには日本の妖怪伝承まで関係しています。
しかも日本と海外では、同じ種族でもイメージがかなり違うのです。
例えば、日本では「エルフ=美形で優雅」という印象が強いですが、海外ではもっと不気味で危険な存在として語られることもあります。
ファンタジー種族は単なるキャラクター設定ではなく、その国の文化や価値観が反映された存在ともいえるのかもしれません。
ファンタジー種族とは何なのか
ファンタジー種族とは、人間とは異なる特徴や文化を持つ架空の民族・生物のことです。
長寿で魔法に優れるエルフ。
鍛冶技術に長けたドワーフ。
戦闘民族として描かれるオーク。
こうした種族はRPGやアニメで当たり前のように登場しますが、もともとは神話や民間伝承の中で語られてきた存在でした。
特に現代ファンタジーへ大きな影響を与えたのが、The Lord of the Ringsです。
現在よく見る「エルフ=美形」「ドワーフ=鍛冶屋」というイメージは、この作品の影響が非常に大きいとされています。
つまり、今のファンタジー種族は「古代神話」と「近代ファンタジー」が混ざって作られた文化なのです。
定番ファンタジー種族一覧
まずは、特に知名度の高い定番種族を見ていきます。
| 種族 | 特徴 | 元ネタ |
|---|---|---|
| エルフ | 長寿・魔法・森 | 北欧神話 |
| ドワーフ | 鍛冶・地下都市 | 北欧神話 |
| オーク | 戦闘民族 | 近代ファンタジー |
| ゴブリン | 小型の魔物 | 欧州伝承 |
| 獣人 | 動物と人間の混血 | 世界各地の神話 |
| ドラゴン | 巨大な竜 | 世界共通の神話 |
| ヴァンパイア | 吸血鬼 | 東欧伝承 |
| ケンタウロス | 半人半馬 | ギリシャ神話 |
| ハーピー | 鳥人 | ギリシャ神話 |
| フェアリー | 妖精 | ケルト神話 |
こうして見ると、ヨーロッパ神話由来の種族が非常に多いことが分かります。
特に海外TRPG文化では、これらの種族に「寿命」「宗教」「国家」「価値観」まで細かく設定されることがあります。
一方、日本作品では「見た目」や「属性」が重視されやすい傾向があります。
ちなみに魔族は古代インドが発祥、神や人間の敵対種族として登場した。
実は日本と海外でかなり違う種族イメージ
同じ種族でも、日本と海外では印象が大きく異なります。
分かりやすいのがオークです。
日本では「筋肉質のモンスター」程度の扱いが多いですが、英語圏では「人種表現に似ているのではないか」という議論が起きることがあります。
これは海外ファンタジー文化が長く「民族」「文明」「侵略」などをテーマに扱ってきた背景があるためです。
逆に、日本で人気の高い「獣人」は、海外ではそこまで主流ではありません。
元々、妖怪で猫娘とか天狗とか鬼とか動物の特徴を持った奴らがいた
日本ではアニメ文化の影響もあり、
- 猫耳
- 狼人
- 狐娘
のような“かわいさ”を重視したデザインが人気です。
しかし海外では、獣人はもっと野性的で恐ろしい存在として描かれることも少なくありません。
つまり、ファンタジー種族は「世界共通」ではなく、国ごとの価値観がかなり反映されているのです。
中国・韓国ファンタジーはなぜ独特なのか
最近は中国や韓国のWeb小説から影響を受けたファンタジーも増えています。
特に中国作品では、「修仙(しゅうせん)」と呼ばれる文化が有名です。
これは簡単に言えば、「修行して仙人になる」という世界観です。
そのため中国ファンタジーでは、
- 仙族
- 妖族
- 龍人
など、“強さの階級”を持つ種族がよく登場します。
一方、韓国ファンタジーでは「ゲームシステム化された世界」が人気です。
ステータス画面が表示されたり、ランク制度が存在したりする作品が非常に多く見られます。
「回帰者」「覚醒者」という言葉が多いのも韓国系作品の特徴です。
実は日本で流行した異世界転生にも、こうした海外Web小説文化の影響が少しずつ入り始めています。
エルフは本当に“美しい種族”だったのか
ファンタジーで最も有名な種族のひとつがエルフです。
ですが、神話時代のエルフは現在のイメージとかなり違っていました。
北欧神話に登場するエルフは、人間に災いを与える危険な存在として描かれることもあります。
つまり、
- 美形
- 優雅
- 平和主義
という現在のイメージは、近代ファンタジーで再構築されたものなのです。
これはファンタジー全体にも言える特徴です。
実際、多くの種族は「神話そのまま」ではなく、現代向けにアレンジされています。
だからこそ、作品ごとにエルフ像が違うわけです。
ファンタジー種族一覧(定番〜海外特有まで)
人型・亜人系
| 種族 | 特徴 | 起源・元ネタ | よく登場する作品 |
|---|---|---|---|
| エルフ | 長寿・魔法・森 | 北欧神話 | The Lord of the Rings、D&D |
| ダークエルフ | 地下世界・黒魔法 | 北欧神話+現代創作 | D&D、TES |
| ハイエルフ | 高貴・高度文明 | トールキン系派生 | ファンタジーRPG全般 |
| ドワーフ | 鍛冶・鉱山・酒 | 北欧神話 | The Hobbit |
| ノーム | 小柄・発明好き | ヨーロッパ民間伝承 | D&D |
| ハーフリング | 小柄・平和主義 | ホビット由来 | 指輪物語 |
| オーク | 戦闘民族 | トールキン創作影響大 | Warcraft |
| ゴブリン | 小鬼・集団行動 | 欧州妖精伝承 | RPG全般 |
| ホブゴブリン | 軍隊型ゴブリン | D&D系派生 | TRPG系 |
| コボルト | 小型竜人・罠作り | ドイツ民話 | D&D |
| リザードマン | 爬虫類人 | 古代爬虫類信仰 | RPG全般 |
| 獣人 | 動物と人間の混血 | 各国神話 | 日本作品に多い |
| 狼人間 | 満月で変身 | 欧州伝承 | ホラー・ダークファンタジー |
| ヴァンパイア | 吸血・不死 | 東欧伝承 | Dracula |
| サキュバス | 魅了・夢魔 | 中世悪魔学 | ダークファンタジー |
| インキュバス | 男性型夢魔 | 中世宗教 | 西洋ホラー |
| 天使 | 神の使者 | キリスト教 | 宗教・神話系 |
| 堕天使 | 反逆した天使 | 聖書外典 | ダーク系作品 |
| 悪魔 | 契約・誘惑 | キリスト教悪魔学 | RPG・ホラー |
| 巨人 | 巨大な人型 | 北欧神話 | 神話系作品 |
| タイタン | 神級巨人 | ギリシャ神話 | 西洋神話系 |
| フェアリー | 妖精 | ケルト神話 | 欧州作品 |
| ピクシー | 小型妖精 | 英国伝承 | MMO系 |
| スライム人間 | 液状生命 | 日本RPG文化 | Dragon Quest |
魔物・モンスター系
| 種族 | 特徴 | 起源 |
|---|---|---|
| ドラゴン | 飛行・ブレス | 世界各地の神話 |
| ワイバーン | 二足飛竜 | 欧州紋章文化 |
| ヒュドラ | 多頭蛇 | ギリシャ神話 |
| ケルベロス | 三頭犬 | ギリシャ神話 |
| グリフォン | 鷲+獅子 | 中東〜欧州 |
| キメラ | 合成獣 | ギリシャ神話 |
| マンティコア | 人面獅子 | ペルシャ由来 |
| ミノタウロス | 牛頭人間 | ギリシャ神話 |
| メデューサ | 石化能力 | ギリシャ神話 |
| ハーピー | 鳥人 | ギリシャ神話 |
| クラーケン | 海の怪物 | 北欧伝承 |
| セイレーン | 歌で誘惑 | ギリシャ神話 |
| ユニコーン | 一角獣 | 中世伝承 |
| ペガサス | 翼馬 | ギリシャ神話 |
| フェニックス | 不死鳥 | エジプト・ギリシャ |
| バジリスク | 石化蛇 | 中世欧州 |
| ケンタウロス | 半人半馬 | ギリシャ神話 |
| トロール | 巨大怪物 | 北欧伝承 |
| オーガ | 鬼型怪物 | 欧州+日本混合化 |
| ゾンビ | 不死の死体 | ブードゥー文化 |
| スケルトン | 骸骨兵士 | 中世死生観 |
| ゴーレム | 土人形 | ユダヤ伝承 |
| ミミック | 擬態宝箱 | TRPG文化 |
| ビホルダー | 多眼怪物 | D&D独自 |
| マインドフレイヤー | 精神支配 | D&D独自 |
| シャドウ | 影生命体 | 世界共通概念 |
日本・東アジア系ファンタジー種族
| 種族 | 特徴 | 起源 |
|---|---|---|
| 鬼 | 怪力・角 | 日本 folklore |
| 天狗 | 山岳妖怪 | 修験道 |
| 河童 | 水妖怪 | 日本民話 |
| 九尾狐 | 妖狐 | 中国→日本 |
| 麒麟 | 聖獣 | 中国神話 |
| 龍 | 神聖存在 | 中国文化 |
| 夜叉 | 戦闘鬼神 | 仏教 |
| 羅刹 | 人食い鬼 | インド仏教 |
| 仙人 | 不老不死 | 道教 |
| 妖怪 | 超自然存在全般 | 日本文化 |
| 式神 | 召喚霊 | 陰陽道 |
| 雪女 | 氷の妖怪 | 日本怪談 |
| 化け狸 | 変身能力 | 日本民話 |
中国語圏で人気の種族
中国語圏では「修仙(仙人化)」文化が非常に強いです。
| 種族 | 特徴 |
|---|---|
| 仙族 | 修行で神仙化 |
| 魔族 | 魔道修行 |
| 妖族 | 動物霊進化 |
| 龍人 | 龍血を持つ |
| 剣仙 | 剣術仙人 |
| 僵尸(キョンシー) | 中国ゾンビ |
中国では「強さのインフレ」「修行階級」が重視されやすい傾向があります。
韓国系ファンタジーで多い種族
韓国Web小説では「ゲーム化世界」が多いです。
| 種族 | 特徴 |
|---|---|
| 覚醒者 | 超能力に目覚めた人類 |
| 魔族 | ダンジョン敵勢力 |
| 古代種 | 神話級存在 |
| プレイヤー | システム選ばれし者 |
| 回帰者 | 時間逆行者 |
| 星座 | 神格存在 |
特に「ステータス表示」「ランク制度」が強い特徴です。
海外TRPG・ゲーム特有の種族
| 種族 | 特徴 | 主な文化 |
|---|---|---|
| ティーフリング | 悪魔の血族 | D&D |
| アアシマール | 天使の血族 | D&D |
| タバクシー | 猫人 | D&D |
| ドラゴンボーン | 竜人 | D&D |
| ケンク | カラス人 | D&D |
| アルゴニアン | トカゲ人 | TES |
| カジート | 猫人 | TES |
| クォリアン | 仮面種族 | SF系 |
| トゥイレック | 頭部触手種族 | Star Wars |
SF寄りファンタジー種族
| 種族 | 特徴 |
|---|---|
| エイリアン | 宇宙生命体 |
| サイボーグ | 機械化人類 |
| AI生命体 | 人工知能 |
| アンドロイド | 人型ロボ |
| ナノ生命体 | 微小機械群 |
| 精神生命体 | 肉体不要 |
海外で議論されやすいテーマ
| テーマ | 内容 |
|---|---|
| オーク差別問題 | 「人種表現に似ている」と議論 |
| ダークエルフ問題 | 肌色と悪役化の問題 |
| モンスターの知性 | 「倒してよい存在か?」 |
| AI生成ファンタジー | 世界観量産問題 |
| 種族固定観念 | 「エルフ=善」などの古典化 |
英語圏では特に「人種比喩」として分析されることがあります。
日本と海外の違い
| 日本 | 海外 |
|---|---|
| 萌え・キャラ重視 | 神話・文化背景重視 |
| 獣人人気が高い | TRPG文化が強い |
| 転生系が多い | 世界構築重視 |
| スライム人気 | ドラゴン人気 |
| 「種族=属性」 | 「種族=文化」 |
これからのファンタジー種族はどう変わるのか
最近は「テンプレ化しすぎた」という声も増えています。
かつては新鮮だった、
- エルフ
- ドワーフ
- オーク
といった種族設定も、今では定番化しました。
その影響で近年は、
- AI生命体
- 機械種族
- 精神生命体
- 多文化混合種族
など、新しい方向性も増えています。
また海外では、「種族=生まれつき悪」という設定への見直しも進んでいます。
昔のファンタジーでは「オークは悪」が当たり前でした。
しかし現在は、「文化や立場の違いとして描くべき」という考え方も強くなっています。
ファンタジー種族は、単なる空想ではありません。
時代ごとの価値観や文化が反映され続けている存在なのです。
エルフやドラゴンを見たとき、その背景にある神話や国ごとの違いを知ると、ファンタジー作品の見え方はかなり変わってくるかもしれません。
ではでは(^ω^)ノシ
この記事もおすすめ
【元ネタは?】アダマンタイトとオリハルコン・ミスリル・ヒヒイロカネなどファンタジー金属を調べてみた。
ポーションって意味が2つある? ビジネス用語なのか薬のなのか?

