私たちの身の回りには、さまざまな「光るもの」があります。でも、なぜ光るのか、そのメカニズムは種類によって異なります。
今回は、発光・蛍光・蓄光・冷光・吸光の違いをわかりやすく解説していきます!
1️⃣ 発光とは?(Luminescence)
発光とは、物質がエネルギーを受け取って光を放つ現象のことです。
熱を伴うものもあれば、ほとんど熱を出さないものもあります。
発光の種類
熱蛍光(Thermoluminescence):加熱によって光る(例:温めた鉱物)
電気発光(Electroluminescence):電圧をかけると光る(例:LED)
化学発光(Chemiluminescence):化学反応で光る(例:ルミノール反応)
生物発光(Bioluminescence):生物が化学反応で光る(例:ホタル)
ポイント:光の放出がエネルギー供給中または供給後も続くことがある。
2️⃣ 蛍光とは?(Fluorescence)
蛍光は、光(紫外線など)を吸収し、すぐに別の波長の光を放出する現象です。
どうして光の波長が変わるの?
紫外線などの光を吸収 → 電子が励起状態に!
すぐに基底状態に戻るとき、一部のエネルギーが熱として失われる
残ったエネルギーが光として放出(元の光より長い波長)
例:
ブラックライトで光る蛍光塗料
蛍光ペン
蛍光灯
ポイント:光を当てている間だけ光る。エネルギー供給が止まると即座に消える。
用語解説
基底状態→原子や分子のエネルギーが低い状態で安定した状態
励起状態→基底状態よりもエネルギーが高くて不安定な状態
3️⃣ 蓄光とは?(Phosphorescence)
蓄光は、光をため込んで、ゆっくり時間をかけて光を放つ現象です。
仕組み
光を吸収し、電子が励起状態になる
電子がすぐに戻らず、準安定状態にとどまる
ゆっくりエネルギーを解放しながら光る
例:
暗闇で光るシール
夜光時計
非常口の標識
ポイント:光を蓄えて、暗くなっても光が続く。
4️⃣ 冷光とは?(Chemiluminescence / Bioluminescence)
冷光は、熱をほとんど出さずに化学反応で光を発する現象です。
❄️ どうして「冷たい」の?
通常、発光には熱を伴うことが多いですが、冷光は化学エネルギーを直接光に変換するため、熱がほとんど発生しません。
例:
サイリウム(ケミカルライト)
ルミノール反応(血痕検出)
ホタルの光
ポイント:熱を出さずに光るのが特徴。
5️⃣ 吸光とは?(Absorption)
吸光は、物質が光エネルギーを吸収し、そのエネルギーを熱や電子の励起に変換する現象です。
色が見える仕組み
物質が特定の波長の光を吸収し、それ以外の光を反射または透過するため、私たちの目に色として見えます。
例:
黒い服が日光を吸収して熱くなる
葉っぱが光合成のために赤と青の光を吸収し、緑の光を反射する
ポイント:光をため込むわけではなく、吸収した光のエネルギーは熱などに変換される。
まとめ!
項目 | エネルギー源 | 光の持続性 | 例 |
---|---|---|---|
発光 | 熱・電気・化学反応 | 供給中または供給後も光る | ホタル、LED |
蛍光 | 紫外線などの光 | 光が当たっている間だけ | 蛍光ペン、ブラックライト |
蓄光 | 光 | 暗くなっても光る | 夜光時計、蓄光シール |
冷光 | 化学反応 | 反応が続く限り光る | サイリウム、ホタル |
吸光 | 光 | 光らず熱になる | 黒い服、葉っぱ |
身の回りの「光るもの」は、それぞれ異なる仕組みで光っています!
「なぜ光るの?」と考えると、理科や科学がもっと面白くなりますね
他にも「こんな光るものの仕組みが知りたい!」というリクエストがあれば、ぜひコメントで教えてください
ではでは(^ω^)ノシ
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