ノーベル賞と言えばアルフレッド・ノーベル氏が遺産で創設したものです。
ダイナマイトで巨万の富を得たノーベル氏ですが、大量破壊兵器を生み出してしまった
最期に科学の発展を願いノーベル賞を作ったのは面白い
遺産が枯渇する事はないの?
ノーベルは遺言で
「私のすべての換金可能な財は、次の方法で処理されなくてはならない。私の遺言執行者が安全な有価証券に投資し継続される基金を設立し、その毎年の利子について、前年に人類のために最大たる貢献をした人々に分配されるものとする」
ノーベル賞は毎年10月に発表され12月10日に授賞式が行われます。
物理学、化学、生理学・医学、文学、平和および経済学の「5分野+1分野」で人類に対して大きな貢献をした人物に送られる賞です。
その賞金はだいたい一人当たり約1億円、ノーベル財団がノーベルの遺産を資産運用して出た運用益から支払われています。
つまり、ノーベルの遺産を使って資産運用をして出た利益から賞金を捻出しているというわけです。
アルフレッド・ノーベル氏の遺産は約3,100万スウェーデンクローナで、現在の価値は約17億スウェーデンクローナ(約233億円)に相当します。
これだけのお金で資産運用をすれば割と賞金くらいは捻出できるというわけです。
資産運用の利益があまり出ていないと賞金の金額も減ってしまう事があります。
遺産を食いつぶす事がないように資産運用で運用しながらノーベル賞の賞金を運用しているから長い年月、続けられるというわけです。
ノーベル財団の財源
具体的な資産の内訳を調べてみました。
2018年の資産状況です。
2018年末の財産状況
-
総資産:
43億3,800万スウェーデンクローナ(約470億円)。 -
投資の内訳:
- 株式投資: 資産の40%強。
株式市場の成長を活用して資産の増加を図る戦略。 - 債券投資: 資産の15%程度。
安全性を確保しつつ、安定した収益を得るための手段。 - オルタナティブ投資: その他の資産に分散。
ヘッジファンド、不動産、プライベートエクイティなど、多様な投資先に資金を振り分けてリスクを分散し、高いリターンを狙う。
- 株式投資: 資産の40%強。
財団の投資方針
-
分散投資:
財団はリスクを低減しながら、収益性を確保するために複数の資産クラスに分散投資を行っています。 -
長期的視野:
株式市場の短期的な変動リスクを許容しつつ、長期的なリターンを重視。 -
持続可能性:
資産の運用による収益を賞金の財源に充てるだけでなく、次世代のために資本を維持・拡大させる必要があるため、慎重な管理が求められています。
ノーベル財団のようなやり方でお金を捻出するのは割と普通
ノーベル財団のように、元本を維持しつつ投資収益を活動資金に充てる仕組みを採用している組織や仕組みは世界中に多数存在します。
このような方法は主に財団、基金、大学、宗教組織などで使われています
1. 一般的な財団や基金
例: ロックフェラー財団、ビル&メリンダ・ゲイツ財団
これらの財団もノーベル財団と同様に、多額の寄付や遺産を元本として資産運用を行い、その運用益で社会貢献活動を行っています。
- 運営方法:
- 投資ポートフォリオを組み、株式、債券、不動産、オルタナティブ投資などに資金を分散。
- 毎年収益の一部を活動資金(研究助成、社会事業)に使用し、元本を維持または拡大。
- 目的: 教育、貧困削減、公衆衛生など。
2. エンダウメント(大学基金)
例: ハーバード大学、スタンフォード大学の基金
大学が持つ莫大な資産(寄付金など)を運用して運営費をまかなう仕組みです。
- 特徴:
- 世界の主要大学は、寄付金をエンダウメント基金として運用し、奨学金、研究助成、施設の維持費に充てています。
- ハーバード大学の基金規模は4,000億円を超える。
- 運用方法:
- 株式、不動産、プライベートエクイティ、ヘッジファンドに分散投資。
- 年間の収益の一部を取り崩し、残りを再投資。
3. 宗教団体や非営利団体
例: ヴァチカン市国、宗教基金
宗教団体も寄付金や財産を投資運用し、その収益を活動資金に充てています。
- 例: ヴァチカン市国
- 巨額の寄付や資産(美術品、不動産)を元に投資を行い、教会運営や慈善活動を支えています。
4. 公的年金基金
例: 日本のGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)
- 仕組み:
公的年金基金は、年金支払いに充てるお金を増やすために投資運用を行っています。- 株式、債券、インフラ投資に分散。
- 日本のGPIFは世界最大規模で、運用資産は約200兆円。
- 目的: 年金財源を長期的に安定させる。
5. ソブリン・ウェルス・ファンド(SWF)
例: ノルウェー政府年金基金(オイルファンド)
国家が天然資源収益などを投資して増やし、将来世代のための基金を築く仕組みです。
- 特徴:
- ノルウェー政府のオイルファンドは、北海油田収益を活用した資産運用を行い、世界最大のファンドの一つ。
- 運用資産は約1,200兆円。
- 目的: 経済の安定、将来の財政負担軽減。
6. 信託基金(トラスト)
例: マッカーサー財団、カーネギー財団
- 仕組み:
- 個人や家族、企業が資産を信託基金として設立し、その収益を特定の目的(教育、科学研究、文化振興など)に使用。
- 運用に成功すれば、長期間にわたり活動を持続可能にする。
ノーベル財団的な仕組みのポイント
-
元本を守りながら収益を生む:
投資ポートフォリオの多様化によって、資産の安全性と収益性を両立。 -
運用益の活用:
運用収益を活動資金とし、元本を次世代に残す。 -
寄付や遺産の活用:
財団の多くは寄付金を元に成立しており、それを持続可能な形で管理する。
まとめ
ノーベル賞の賞金が無くならないのはノーベルの遺産をノーベル財団が運用して元本を守りながら
その運用益で賞金を捻出しているから
このようにお金を資産運用してお金を捻出する方法はいろいろなところで行われています
財団や基金など、日本の年金もそのように運用されているみたいですね
ではでは(^ω^)ノシ
この記事もおすすめ
宝くじとギャンブルには違いはない?!みんなが勘違いしているだけ!!