ぬか漬けと言えば和食で一般的な漬物ですがいつから食べられているのか?
どうやって広まったか?などなどそういう歴史は知らないと思います。
ぬか漬けの歴史や作り方などなど雑学を紹介します。
ぬか漬けとは?
米糠(こめぬか)と塩と水で乳酸発酵させたぬか床に野菜を漬け込んで作る漬物。
塩漬けや酢漬けに並ぶ、お漬物。
きゅうりやナスのぬか漬けは定番。
たくあんもぬか漬けで作ります。
ぬか漬けの発祥とは?
ぬか漬けの原型は平城京跡から発掘された木簡(紙の代わり、短冊上になって木の板)に記された須須保利(すずほり)という漬物。
須須保利は臼(うす)で挽いた穀物や大豆を塩と混ぜて床にしたものと書かれている。
奈良時代では、醍醐天皇の延喜5年に編集が始まり、25年目の延長8年(930年)に進献された『延喜式』には、塩漬、醤漬、かす漬、楡木(ニラギ)、須々保利、搗(ツキ)、荏裹(エツヅミ)の7種類が記載されています
米糠の一番古い記述は、734年(天平6年)の正倉院文書の尾張国正税帳に記されていますが、延喜式には漬け床にはまだ米糠は使われていないようです。
今のぬか漬けになったのが江戸時代初期で北九州が発祥だと言われています。
広まったきっかけは北九州小倉城藩主である「細川忠興」がそれを食べ、美味かったから城下の庶民にも広まっていった。
ぬか漬けは糠に含まれるビタミンB1が江戸時代、白米ばっかり食べるようになってビタミンB1が不足して江戸患い(脚気)になる人が多かったのですが
そんな不足した栄養を補う意味でもぬか漬けは広まったのではないだろうか?
ぬか床の作り方
動画を参考にして紹介します。
容器の選び方
容器には
- かめ
- ほうろう
- タッパー
などがあります。
常温で補完するなら【かめ】が適しています。
冷蔵庫で保管できるのが【ほうろう】と【タッパー】になります。
タッパーは軽くて入手しやすいので初心者でもおすすめ。
タッパー自体は100均で売ってるからそれを使えばいい。
サイズの目安は深さが12〜13cmあるもので長さはきゅうり1本分くらい。
生ぬかについて
生ぬかは鮮度が命です。
3〜4日しかもたない、夏になると2日くらいしかもたない。
それくらいの時間で酸化してしまうからです。
生ぬかはお米屋さんでパック詰めを買いましょう。
【ぬか】は味見をする事ができる、
甘くて香ばしいきなこ味=良いぬか
新鮮で美味しいぬかを使ってぬか床を作る!
ぬか床作り
材料は
- 生ぬか 1kg
- 塩 100g
- 水 1リットル弱
- 山椒の実 大さじ1〜2
- 捨て野菜 適量
- 昆布 適量
- 唐辛子 適量
- 新鮮な生ぬか1kgに対して塩100gを入れます。
- サッと湯がいた山椒の実を大さじ1〜2入れる(無くてもよい)
- 手で良く混ぜます。
- まんべんなく混ざったら水を入れます。
- 水は1リットル弱くらいを入れます。様子を見ながら調整してください。
- お水は軟水のミネラルウォーターを使うと美味しく作れます。
- ぬか床が耳たぶくらいの固さになるまで混ぜる。粉っぽさが無くなるまで良く混ぜます。
- タッパー(容器)にぬかを移していきます。
- ぬかを底にしく、そうしたら捨て野菜を埋めていきます。
- 野菜を入れたらその上にぬかをしく
- ミルフィーユ状にぬかと捨て野菜を重ねる。
- 唐辛子、昆布も一緒に埋める
- 捨て野菜は定期的に交換します。ゴロゴロした野菜は3〜4日で交換。薄っぺらい野菜は2日で交換しましょう。
- 捨て野菜を味見して美味しかったらぬか床の完成。(熟成期間は夏7~10日 冬 3週間~1ヶ月)
生ぬかは1kgが最低量だと思ってください。
少ない量のぬかでぬか漬けを漬けるのはトラブルの元。
外気の影響を受けると乳酸菌が死んでしまうので少量でやらない。
保管温度を一定に保つ事がぬか床にとって大切。
山椒の実と唐辛子は入れっぱなしにしていい食材。
その他の食材は取り出して食べる。
昆布とかも食材として食べれます。
空気を抜くように【ギュ】っと入れる。
捨て野菜の量は少なくても大丈夫。
100gから300gが目安。
ブロッコリーの皮や芯、ニンジンのヘタなども良い
水分がたくさん出る物じゃ無くて少し固めな野菜が良い
この時のぬかが一番、固い状態。
ここから本漬けすると野菜から出る水分でどんどん柔らかくなる。
昆布も捨て野菜と一緒に埋める。
唐辛子も入れましょう。
昆布は旨味のために入れています。
捨て漬けが終わる頃に取り出して食べてください。
その後は必要に応じて入れてください。
捨て野菜はなくても発酵するけど、捨て野菜を入れる事で発酵が促される。
野菜から出る旨味や甘味がプラスされます。
捨て漬け期間中は常温で保管してください。
真夏の場合は心配なので保冷バックなどに入れます。
基本は常温保管で1日1回天地返しをします。
上から抑えて空気を抜くように整えます。
ぬか床の完成。
捨て漬け、熟成期間は
- 夏 7〜10日
- 冬 3週間〜1ヶ月
真夏は心配なので保冷バックに入れましょう。
ぬか床をかき混ぜている時に野菜がシナっとしてきたら取り替える時期です。
目安はゴロッとした野菜で3〜4日
薄っぺらい野菜で1〜2日
捨て野菜を味見してみてください。
最初は塩辛いと思いますが発酵が進むと味がマイルドになります。
美味しくなっていたら本漬けに入っていい合図です。
捨て野菜は刻んでチャーハンに混ぜて食べると美味しい。
本漬けのやり方
ぬか漬けの基本
- ぬか床から出したてが一番、美味しい
- ぬか床の塩分濃度を一定に保つ
- 天地返し(上と下をひっくり返すように混ぜる)
ぬか床から出して3日後とかだと味が落ちてしまう。
塩分濃度を一定に保つために定期的に味見をしましょう
毎日、かき混ぜるとよく言われますがグチャグチャかき混ぜるというよりも
上と下をひっくり返すように混ぜる
天地返しのやり方
ぬか床の表面には目には見えないけど、産膜酵母が溜まっています。
産膜酵母を手繰り寄せる、手前に集める感じです。
中に野菜が入っている場合、例えば柔らかいかぼちゃとか高野豆腐なんかが入っている場合は
表面のぬかを手繰り寄せた後に抜いておきましょう。
硬いものはそのままで大丈夫です。
表面の産膜酵母を底の方に押し込む。
底から出てきたぬかを上にもっていく
上にもってきたぬかを上から抑える。
空気を抜くように抑えるのがコツ
水っぽくても味がよければ大丈夫です。
周りについているぬかを指で落としてあげれば完了。
足しぬかについて
1年未満の新床ですと1ヶ月に1回のペースでぬかを新たに足していく必要があります。
適量のぬかを足していく事を足しぬかと言います。
ぬか床がゆるくなったら足しぬかをすると言いますがそれは違くて
ぬか床の栄養補給のために足す
ぬか床がゆるくても味がよければ足しぬかをする必要はありません。
本漬けのやり方は
いろいろな野菜を漬けていきます。
きゅうり
洗った後に塩を手にとってまぶす、まぶしたらそのままぬか床へ漬ける。
ナス
ナスは縦半分に切れ込みを入れておき、塩を多めにとってこすりつけるようにまぶしていく
まぶしたらぬか床へ入れる。
この時にナスの近くに鉄釘や鉄材、銅材を入れると色がよく出る。
茹でてから漬ける野菜
ごぼうやかぼちゃなどは一回茹でてからぬか床へ
かぼちゃなどの柔らかい野菜は医療用のガーゼに包んでからぬか床へ漬けます。
葉物野菜
小松菜などの葉物野菜はビニール袋に塩適量と一緒に入れて重石を乗せてアクと水分が抜けてしんなりしてから
水分とアクを絞ってガーゼに包んでぬか床へ漬けます。
長く続けるコツ
- ぬか床の味見をする
- 意味が分からないものは入れない
- 料理のバリエーションを増やす
味見を定期的にして塩分や苦味は香りや見た目では分かりません。
なので味見をして確かめる。
ぬか漬けが美味しいと感じた時のぬか床を味見してその味を覚えておくと良い。
意味が分からないものは入れない
例えばヨーグルトとか辛子の粉とか卵の殻とかですね。
意味が分かっていて入れるのはOKですが意味も分からずに入れてしまうのはNG
ぬか漬けの味を保とうとしていろいろ入れると全く違う漬け物になってしまうので要注意。
ぬか漬けを始めると習慣になるだけど、料理のレパートリーが少ないとマンネリ、飽きてしまうので料理のレパートリーを増やしていく事も大事
ぬか漬けの洋風アレンジや中華風アレンジなどもできるのでいろいろ試してみると面白いかもしれません。
煮物に入れてみたりなどバリエーションを増やしていくと飽きずに楽しめます。
何故、ぬか床を毎日かき混ぜるのか?
ぬか床の中にたくさんの微生物がいます。
その中でも重要なのは乳酸菌と酵母菌と酪酸菌ですね
ぬか床を毎日、混ぜなきゃいけないと言われますがあれは科学的な根拠に基づいて事です。
ぬか床を毎日、かき混ぜるのは
- 空気
- 気温
この2つを調整して微生物が住みやすい環境を作る事にあります。
乳酸菌と酵母菌と酪酸菌はぬか床の中で共生していてお互いにとって都合の良い環境にする事が美味しいぬか漬けを作る鍵になる。
乳酸菌だけが増えてしまったり、酵母菌が極端に少なくなったり酪酸菌が増えすぎてしまったりするのは良くない
バランス良く配合されている状態が望ましい
微生物は嫌気性菌と好気性菌があり
簡単に言えば空気を好む菌と空気を好まない菌
ぬか床の中では嫌気性菌と好気性菌が共存しておりかき混ぜる事で空気を入れて上げたり
逆に空気を遮断したりする。
かき混ぜないと空気が好きな菌は減るし空気が嫌いな菌も減ってしまう。
ぬか床をかき混ぜる事で空気はもちろん、気温の調整にもなる。
気温によって活発になる菌は違うからかき混ぜる事で温度を変える。
ぬか床の理想的な温度は20℃前後だと言われています。
ぬか床の勢力図を一定に保つ事が大事になる
例えば酵母菌が増えすぎるとアルコール発酵が起きてぬか床がアルコール臭くなってしまう。
まとめるとぬか床をかき混ぜる事で微生物にとって都合の良い環境を作ってやる事ができます。
ぬか床は無印良品で買える。
ぬか床を作るのは非常に手間がかかり面倒くさいと思う人も多いが
無印良品ではぬか床を購入する事ができる。
ぬか床を買ってぬか漬けを買い味が悪くなったら捨ててしまう事もできるため
ズボラな人がいつでも一定の味が楽しめるのは嬉しい。
発酵済みで毎日、かき混ぜる必要はないと書いてあります。
これはある程度、味が変わったら新しいのを購入してもらうのが目的だろうな。
値段も890円くらいで1000円以下と安い。
ぬか漬けの栄養素
ぬか漬けはビタミン群が豊富
- ビタミンA
- ビタミンB1
- ビタミンB2
- ビタミンE
- γ-オリザノール、イノシトール
- 乳酸菌
- フェルラ酸
- フィチン酸
ビタミンAは免疫力を維持するのに役立ちます。乾燥肌、似肌にも効果が期待できます。
タミンAを撮り過ぎてしまうと頭痛、吐き気など身体に負担がかかりますので注意してください。逆にビタミンAが不足すると夜盲症や角膜軟化症の恐れがあります。
ビタミンB1は粘膜や皮膚の健康維持や糖質からエネルギー生産を助けるはたらきが期待されます。
ビタミンB2にも皮膚や粘膜の健康を保つ働きがあり、糖質や脂質、タンパク質を体内でエネルギーに変える代謝を支えたりする働きがあります。
ビタミンEは強い抗酸化作用があって、活性酸素から身を守る働きが期待されます。
乳酸菌
糖から乳酸を作る菌の事で腸内で悪玉菌の繁殖を抑え、腸内環境を整えるはたらきをしています。
善玉菌と呼ばれ、ヨーグルトなどの発酵食品に多く含まれます。
γ-オリザノール、イノシトール
高い抗酸化作用があるとされ、ポリフェノールの一種、
血行を良くしたり悪玉コレステロールを減らし善玉コレステロールを増やす作用がある
自律神経のはたらきを助ける作用により、脳の機能の改善に役立つ効果が期待できる。
筋肉や神経細胞に多くイノシトールは含まれる。
髪の健康を保ったり肝臓に脂肪がつかないようにするなどの働きも期待できます。
フェルラ酸
ポリフェノールの一種で、抗酸化作用をもつ成分です。また、シミやくすみの原因となるメラニンの生成を抑えるはたらきが期待されています。
フィチン酸
強い抗酸化作用をもつ成分です。動物実験により、血中の偏ったミネラルバランスを整え、血液の不調を抑える作用が確認されました。
食べ過ぎは体に悪いからNG?
当たり前というか漬け物全般に言える事ですが
塩分がたくさん使われるため食べ過ぎると塩分を摂りすぎてしまうので止めましょう。
ぬか漬けの大根3切れで塩分が0.9gくらいだと言われています。
塩分のとりすぎは高血圧の原因などにもつながる。
とは言え、漬け物ってそんなたくさん食べるようなものでもない。
定食屋で昼ごはんを頼んだ時にぬか漬けは1~2きれあるというのが普通。
家で食べる時だって大量に食べたりするようなもんじゃない。
ぬか漬けにすると意外と美味しいもの
- 日野菜
- スイカの皮
- 瓜
- 人参
- ゴーヤ
- 大根
- カブ
- 白菜
- きゅうり
- トマト
- ミョウガ
- オクラ
- ラディッシュ
- メロンのおろ抜き(間引きした小さなもの)
- 青魚
- セロリ(他の野菜と分ける)
- ゆで卵
- チーズ
- ズッキーニ
まとめ
ぬか漬けの原型は平城京があった奈良時代には穀物や大豆を臼で挽いたものと塩で漬ける漬け物があった。
米ぬかを使うぬか漬けが広まったのは江戸時代初期、北九州が発祥の地と言われています。
ぬか床を作るのは難しくはないけど毎日、かき混ぜるのは結構、大変。
乳酸菌とか酵母菌、酪酸菌のバランスを保つためには毎日のお手入れは必須。
面倒くさい人は自分でぬか床を育てるんじゃなくて無印良品のぬか床を買う方が気楽かも
いろいろな漬け物が作れるからぜひ、お試しあれ
ではでは(^ω^)ノシ
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