着ると死んでしまう呪いのドレスと有名、パリグリーンで染められたドレス
パリグリーンはシェーレグリーンと同時期に登場した緑色の顔料だが
毒が含まれているためどちらも現在では使われていない。
おしろいなんかも鉛が使われたりする時代なので毒が平気で使われているというわけです。
パリ・グリーンとは?
パリグリーンは、シュヴァインフルトグリーンやエメラルドグリーンとも呼ばれ、歴史的に様々な用途に使用されてきた毒性の高い緑色顔料です。
銅(II)アセトアルセナイト化合物(アセト亜ヒ酸第二銅;)で、化学式はCu(C2H3O2)2-3Cu(AsO2)2です。
19世紀から20世紀初頭にかけて、塗料、染料、壁紙などの顔料として一般的に使用されました。
鮮やかな緑色で、特にビクトリア朝時代の壁紙によく使われていました。
しかし、パリスグリーンにはヒ素が含まれており、健康や環境に大きな影響を与えることが判明しました。
長期間の使用や摂取は、ヒ素中毒を引き起こす可能性があり、命にかかわる危険性があります。
カビが生えると毒ガスを出して部屋の住人を病気にしてしまうのが明るみに出て、1850年ぐらいから使用が減ります
その結果、Paris Greenの使用はほとんど中止され、多くの国で禁止されています。
芸術や産業におけるその用途に代わる、より安全な代替品が開発されています。
シェーレグリーンとパリグリーンの違い
シェーレグリーン(Scheele's Green)とパリグリーン(Paris Green)は、両方とも19世紀に使用された有毒な緑色顔料ですが、それぞれ異なる化学物質で構成されています。
シェーレグリーンは、銅(II)ヒドロゲンアセトアルサナイト(copper(II) hydrogen arsenite)という化合物です。
この顔料は、スウェーデンの化学者であるカール・ヴィルヘルム・シェーレによって発見されました。
シェーレグリーンは、鮮やかな緑色を持ち、主に絵画、壁紙、染料などの分野で使用されました。
一方、パリグリーンは、銅(II)酸銅(II)アセトアルサニド(copper(II) acetoarsenite)という化合物です。
パリグリーンも緑色を持ち、主に農業において殺虫剤として使用されました。
果樹園などで害虫駆除に効果がありましたが、健康や環境への悪影響が判明し、使用が制限されました。
両者の違いは、化学的な構成と使用目的にあります。
シェーレグリーンは主に美術や染料で使用され、パリグリーンは主に農業における殺虫剤として使用されました。
ただし、どちらの顔料も有毒であり、長期間の曝露や誤った取り扱いによって健康被害を引き起こす可能性があるため、安全な代替品が開発され、現代では使用が制限されています。
ナポレオンの死因という疑いが?
ナポレオン・ボナパルトの死因は、複数の要素が絡んでいるとされています。
彼は1821年5月5日に亡くなりましたが、その正確な死因はいまだに議論が続いています。
公式な死因としては、胃癌が主な要因であったとされています。ナポレオンは過去に胃の問題を抱えており、また、彼の家族に胃癌の症例もありました。
彼の死の数か月前から健康状態が急速に悪化し、最終的には食事を摂ることができなくなり、衰弱していったとされています。
しかし、一部の歴史家や研究者は、他の要素も彼の死因に関与していた可能性を指摘しています。
例えば、一部の研究者は、ナポレオンが亡くなった島であるサン・ヘレナでの生活条件やストレスが彼の健康状態に悪影響を与えた可能性を示唆しています。
また、一説では、長期間にわたるアルセニック中毒(ヒ素中毒)やメチル水銀中毒が死因に関与した可能性も考えられていますが、これらの説は科学的に確証されたものではありません。
総括すると、ナポレオンの死因は複雑な要素の組み合わせであり、胃癌が主な要因であるとされていますが、他の要素も影響していた可能性があるとされています。
ただし、具体的な死因についての確定的な答えは現在も議論が続いています。
パリグリーンはカビが生えると有毒なガスが発生するそうです。
ナポレオンはパリグリーンが好きだったそうで壁紙に使っていたそうです。
農薬として使われていた
パリグリーンは絵の具以外に農薬としても使われていた。
19世紀から20世紀初頭にかけて、パリ・グリーンは農業において主に殺虫剤として使用されました。
害虫の駆除に効果があり、特にリンゴやぶどうなどの果樹園で使用されることが一般的でした。
ただし、パリ・グリーンは高度に有毒であるため、環境への悪影響や健康への懸念が浮上し、その使用は制限されました。
アルセンを含んでいるため、長期間の曝露や誤った取り扱いによって、健康被害を引き起こす可能性があります。
現代では、より安全な代替品や環境に優しい農薬が開発され、パリ・グリーンの使用は減少しています。
農業においては、より持続可能で低リスクな農薬の使用が推奨されています。
現在は?
現在はこのような有毒物質を含む顔料は使われていません。
現在、壁紙などに使われるパリグリーンに似た緑色の顔料はフタロシアニングリーンなどが使われます。
フタロシアニングリーン(Phthalocyanine Green)は、一連の合成有機顔料のうちの一つで、緑色を持つ顔料です。
この顔料は、フタロシアニン(phthalocyanine)と呼ばれる化学構造を持っており、耐久性が高く、明るく鮮やかな緑色を提供します。
フタロシアニングリーンは、広範な用途で使用されます。絵画、プラスチック、塗料、インク、繊維、化粧品など、さまざまな産業や製品で見られます。
その色持ちの良さと安定性から、特に耐久性が求められる屋外用塗装や自動車塗装において広く使用されています。
フタロシアニングリーンは、環境に対する影響や人体への有害性が比較的低いとされています。
ただし、一般的な注意として、粉末や顔料としての取り扱い時には、粉塵の吸入や皮膚への接触を避ける必要があります。
フタロシアニングリーンは、明るく豊かな緑色を提供するため、さまざまな応用において広く使用される顔料です。
その安定性と持続性から、現代の化学工業や美術において重要な役割を果たしています。
塗装する時は吸い込まないように注意する必要があるけど、使っていて中毒症状が出るという事はない
まとめ
パリグリーンはヒ素が使われているため人体に有害でした。
それを知らずにドレスを作ったり壁紙を作ったりしたからトラブルが起きた
というか農薬を絵の具としても使うというのが現代っ子からすると信じられないですね
ではでは(^ω^)ノシ
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