プロテウスというのは合金でその構造が革新的だと話題になっています。
切れない、切断できない合金と話題ですがこの合金がダイヤモンドみたいに硬いというわけではありません
ギリシャ神話に登場するプロテウスと同じ名前を持つ合金です。
ダイヤモンドの硬さとはベクトルが違う
単純なモース硬度はダイヤモンドの方が硬い
しかし、ダイヤモンドは劈開性という性質があり
壊れない物質ではない
靭性が低い物質というわけです。
プロテウスは靭性が高い合金というわけです。
プロテウスという金属の特徴
プロテウス金属(Proteus metal)は、切断耐性を持つ革新的な材料です。
アルミニウムやセラミック球の複合構造からできており、グラインダーやドリルなどの工具による攻撃に耐える能力があります。
具体的に言うと
- アルミニウム
- セラミック
- チタン合金
- 鉄
この金属の特徴は、セラミック球が衝撃を受けると内部で振動を起こし、工具の切断力を吸収してしまう点です。
結果として、通常の工具では切断が非常に困難で、防護材やセキュリティ分野での応用が期待されています。
興味深いのは、プロテウス金属は非常に軽量でありながら高い耐久性を持っていることです。
発泡アルミニウムにセラミック球を混ぜる事で脅威の抵抗力を身に着けたというわけです。
セラミック球が振動し共鳴を起こす、その共鳴が工具にも起こる
アルミニウムの粉が工具を削るという現象が起きます。
工具が発生させたエネルギーを跳ね返してしまうというわけです。
工具をセラミック球が削り取ってしまうから切断する事ができない
プロテウスの作り方概要
プロテウスは特殊な技術を使わずに作る事ができます
まず、アルミニウムと水酸化チタンを混ぜて加熱します
そうすると金属の内部で水素が発生、ポコポコと泡が発生して小さなポケットが無数にできる
出来上がった物をセラミックの球体を敷き詰めた物と互い違いに重ねていく
チェック柄のように重ねていくイメージです
重ねたらまた加熱していく
アルミニウムは溶けて、水酸化チタンから水素が発生しその気泡によってアルミニウムがセラミック球体を覆っていくことでプロテウスは完成します。
更に強くなった?
プロテウスにニクロム線を短く切って入れる事により
アルミニウム自体が伸びたり縮んだりする力に対しての抵抗力を持つようになった
その結果、ウォータジェットやパワードリルなどいかなる工具を使って数ミリ以上、傷つける事が不可能な合金になった
プロテウスを発明した人
プロテウスを発明した人物は生物の構造からこの仕組みの着想を得たと語っている
着想の基になった生物は2種、グレープフルーツとピラルクという魚
グレープフルーツは10mの高さから落ちても果肉に傷がつかない
高さ10mといえばだいたい3階建ての建物くらいですね
なぜ、グレープフルーツは傷がつかないのか、それはグレープフルーツの皮には無数の小さな穴が空いており
その空洞がある事で衝撃を吸収しているというわけです。
ピラルクはアマゾンに生息する魚で天敵はピラニアです。
ピラニアから身を守るためにピラルクの鱗には無数の突起がついている
この突起はピラニアが噛みつくと噛む力に応じてピラニアの歯を削ってしまう
ピラルクの鱗にはカルシウムやフッ素が含まれている
ギリシャ神話の神プロテウスとは
プロテウスはギリシャ神話に登場する海の神で、特に「変幻自在の神」として知られています。
彼は予言能力を持っており、未来を知りたい者に答えることができましたが、そのためにはまず彼を捕まえ、変身する姿から逃さないようにしなければなりません。
彼は様々な形に変化し、これを避けようとします。
プロテウスはポセイドンに仕える存在としても描かれており、海の潮の流れや変化を象徴しています。
ざっくり紹介するとこんな神です。
まとめ
プロテウスはギリシャ神話の神々、その名前がつけられた合金
アルミニウム、チタン、セラミックなど手に入りやすい素材を合金にする事で切断できない金属を作り出している
プロテウスはグラインダーなどで削るとセラミック球が振動し共鳴が起きる
削られたアルミニウムの粉がヤスリのようになってグラインダーの刃を逆に削ってしまうため
切断できないというわけです。
ここからは個人の妄想なので聞き流してほしいのだが
日本刀でもしかしたら古刀も同じような理屈というかグレープフルーツの皮みたいに細かな空洞があったり
セラミックが含まれている可能性ってありそうですよね
というかプロテウス合金の仕組み自体、他の組み合わせでも実現できそう
ではでは(^ω^)ノシ
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