木材には「白太(しらた)」と「赤太(あかた)」という部分があり、それぞれ性質や用途が異なります。
特に赤太は高級木材として評価が高く、耐久性や美観に優れているため、さまざまな用途に活用されています。
本記事では、白太と赤太の違い、赤太を取り出す伝統的な方法、経年変化について詳しく解説します!
1. 赤太(あかた)と白太(しらた)の違い
木は成長すると、中心部分(心材)と外側(辺材)に分かれます。
赤太(心材)とは?
- 木の中心部分(年輪の内側)
- 赤みを帯びた褐色~暗褐色をしている
- 硬くて耐久性が高い(腐朽や害虫に強い)
- 水に強く、長期使用に向いている
- 高級木材として扱われる
例:
- ケヤキ、ウォールナット、マホガニー → 高級家具や建築材に使用
- ヒノキ、スギ → 寺社建築や伝統的な住宅の柱
白太(辺材)とは?
- 木の外側部分(樹皮に近い)
- 白っぽい~淡黄色で、明るい色合い
- 柔らかく加工しやすいが、腐朽しやすい
- シロアリや虫に食われやすい
例:
- ヒノキやスギの白太 → 内装材や造作材(壁や天井)
- ツゲやカエデの白太 → 将棋駒や木工細工
白太は柔らかく加工しやすいため、細工物や一部の家具に使われますが、耐久性を求める用途では赤太が好まれます。
2. 伝統的な赤太の取り出し方
古くから、赤太だけを取り出すために白太を腐らせる方法が用いられてきました。
これは、耐久性の低い白太を除去し、長持ちする赤太を活用するためです。
① 自然腐朽法(埋もれ木・神代木)
- 木を地中や水中に長期間埋めることで、白太を腐らせる方法
- 長いものでは数百年以上埋まっていたものもある
- 例:神代ケヤキ、神代杉、神代タモ(独特の黒褐色に変化)
数百年から千年以上、土の中にあったため化石のように変化しており
とても味わい深い色や模様をしている
② 水中乾燥法(川流し・湖沈め)
- 木を川や湖に沈めて長期間放置し、白太を腐らせる
- 取り出した後、乾燥させることで耐久性の高い赤太のみを残す
- 例:屋久杉や青森ヒバの古材
③ 伐採後の放置乾燥(天然乾燥)
- 伐採した木を屋外に長期間放置し、白太を自然に朽ちさせる
- 特にケヤキやクリなどの赤太はこの方法で加工されることが多い
このような手法を用いることで、耐久性に優れた赤太のみを取り出し、建築材や工芸品として活用していました。
一般的には放置乾燥させたものを使います。
3. 赤太の用途と活用例
① 建築・構造材
- 神社仏閣の柱や梁(ヒノキ、ケヤキ)
- 住宅の柱や床材(ナラ、ウォールナット、チーク)
- 屋外建築(デッキ、ウッドフェンス|イペ、ウリン)
② 高級家具
- 一枚板テーブル(ケヤキ、ウォールナット、マホガニー)
- 和箪笥やキャビネット(クリ、ケヤキ)
③ 伝統工芸・彫刻
- 仏像・神輿・木彫り工芸(クスノキ、ヒノキ)
- 将棋駒や漆器の木地(ツゲ、ホオノキ)
④ 楽器
- 和太鼓の胴(ケヤキ、クリ)
- ギター・バイオリンのボディ(ローズウッド、マホガニー)
4. 赤太の経年変化
赤太は時間が経つほど美しくなるのも魅力の一つです。
① 色の変化
室内使用 → 赤みが増し、深みのある色へ(例:ケヤキの飴色化)
⚪ 屋外使用 → 風雨や紫外線でシルバーグレー化(例:チークの銀灰色)
② ツヤの変化
- 磨くほどに光沢が増し、高級感がアップ
- 手で触れる部分はツルツルになり、味わいが出る
③ 硬さ・質感の変化
- 乾燥とともに木目が際立ち、立体感が増す
④ 香りの変化
- ヒノキやクスノキは時間とともに香りが落ち着くが、削ると再び香る
赤太は「使い込むほどに美しさと価値が増す」木材です。
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まとめ
赤太は、強度・耐久性・美観を兼ね備えた高級木材であり、建築・家具・工芸品・楽器など幅広い用途に使われます。
特に、白太を意図的に腐らせることで赤太のみを取り出す伝統技法が存在し、これは古くから耐久性を向上させるために行われてきました。
また、経年変化によって色やツヤが増し、価値が高まるのも赤太の大きな魅力です。
長く愛用できる素材として、ぜひ赤太を活用してみてください!
ではでは(^ω^)ノシ
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