映画『羊たちの沈黙』(The Silence of the Lambs)は、1991年に公開されたアメリカのサイコスリラー映画で、トマス・ハリスの小説を原作としています。
映画は、FBI訓練生のクラリス・スターリングが、収監されている天才的な殺人鬼ハンニバル・レクター博士の協力を得ながら、連続殺人鬼「バッファロー・ビル」を追うというストーリーです。
この映画に登場する ハンニバル・レクター博士 や バッファロー・ビル は、複数の実在の犯罪者をモデルにして創作されたキャラクターです。
本記事では、それぞれのキャラクターのモデルとなった実在の殺人鬼たちについて詳しく紹介します。
ハンニバル・レクター博士のモデル
ハンニバル・レクター博士のモデルについては、2013年に著者トマス・ハリス自身が明かした内容によると、
アルフレド・バリ・トレビーニョ(Dr. Alfredo Ballí Treviño) というメキシコ人医師が最も重要なインスピレーションとなったことが判明しました。
1. アルフレド・バリ・トレビーニョ(Alfredo Ballí Treviño)
職業: 外科医
犯罪: 1959年に友人を殺害し、遺体を外科医の技術を使って解体
収監: 20年間服役後、仮釈放され、医師として社会復帰
影響を与えた点:
レクター博士と同様に 洗練された知性と紳士的な態度 を持っていた。
収監中も医師として囚人を診察し、刑務所内では 「ドクター」と呼ばれ尊敬されていた。
人を見透かすような冷静な態度 が特徴的で、トマス・ハリスは彼との面会で強いインスピレーションを受けた。
2. その他のモデル
実在の殺人鬼 | レクター博士への影響 |
---|---|
アルバート・フィッシュ | 人肉嗜食(カニバリズム)の要素 |
テッド・バンディ | 魅力的で知的なカリスマ性 |
エド・ゲイン | 遺体の加工、異常な嗜好 |
ハンニバル・レクター博士は、これらの殺人鬼の要素を組み合わせて創られたキャラクターであり、知性と猟奇性を併せ持つ映画史上最も印象的な悪役の一人となりました。
バッファロー・ビルのモデル
映画に登場する バッファロー・ビル(ジェーム・ガンブ) も、複数の実在の殺人鬼を組み合わせて作られたキャラクターです。
1. エド・ゲイン(Ed Gein)
影響: 人の皮を剥ぎ、衣服を作ろうとする異常性
1950年代にウィスコンシン州で活動し、墓荒らしや猟奇的な遺体加工 を行った。
被害者の皮を剥ぎ 女性の服を作ろうとした。
バッファロー・ビルが劇中で 女性の皮でドレスを作ろうとする シーンは、エド・ゲインの異常行動が元になっている。
2. テッド・バンディ(Ted Bundy)
影響: 女性を誘拐する手口とカリスマ性
1970年代に 30人以上の女性を殺害 した実在の連続殺人鬼。
腕を骨折したフリをして女性に助けを求める ことで誘拐していた。
バッファロー・ビルが 女性に荷物を運ぶのを手伝わせる 方法で被害者を誘拐するシーンは、テッド・バンディの手口そのもの。
3. ゲイリー・ハイドニック(Gary Heidnik)
影響: 女性を地下に監禁する手口
1980年代にペンシルベニア州で 女性を地下室に監禁し、拷問 した。
バッファロー・ビルが 女性を穴に閉じ込め、拷問する シーンは、ハイドニックの実際の手口と酷似。
4. エドモンド・ケンパー(Edmund Kemper)
影響: 母親との関係、女性への憎悪
1970年代にカリフォルニア州で 10人以上を殺害。
母親との関係が異常で、母への憎悪が殺人衝動に結びついていた。
バッファロー・ビルも アイデンティティと母親との関係に苦しむ描写がある。
バッファロー・ビルのモデルとなった殺人鬼まとめ
実在の殺人鬼 | バッファロー・ビルへの影響 |
エド・ゲイン | 人の皮を剥ぎ、衣服を作ろうとする異常性 |
テッド・バンディ | 女性を誘拐する手口(負傷を装い助けを求める) |
ゲイリー・ハイドニック | 女性を地下に監禁し、拷問する |
エドモンド・ケンパー | 母親との関係、女性に対する異常な憎悪 |
まとめ
『羊たちの沈黙』に登場するハンニバル・レクター博士とバッファロー・ビルは、複数の実在の殺人鬼の特徴を組み合わせて作られたキャラクターです。
レクター博士 は アルフレド・バリ・トレビーニョ を主要モデルとし、知性・品格・異常性 を持つキャラクターとして描かれました。
バッファロー・ビル は エド・ゲイン、テッド・バンディ、ゲイリー・ハイドニックなどの殺人鬼の要素 を取り入れ、異常な行動と恐怖を生み出しました。
これらのモデルとなった殺人鬼たちの影響により、『羊たちの沈黙』は リアルで恐ろしいサイコスリラー映画 となり、今もなお名作として語り継がれています。
ではでは(^ω^)ノシ
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