新品のタイヤをよく見ると、表面から細長いゴムが何本も飛び出していることがある。
まるでヒゲのようなその突起、気になって触ったことがある人も多いはずだ。
タイヤの溝と同じように、走行性能に関わる大事なパーツだと思っていないだろうか。
実はこのヒゲ、性能にはまったく関係のない、ただの製造工程の副産物にすぎない。
つまり結論から言うと、切っても切らなくても、タイヤの性能は一切変わらない。
むしろ「なぜこんなものが生えているのか」という仕組みのほうが、知ってみると案外おもしろい。
正体は「スピュー」という、名前のある突起だった
あの通称「ヒゲ」には、実はきちんとした正式名称がある。「スピュー」というのがそれだ。
スピューは新品タイヤのトレッド面(地面と接する部分)やサイドウォール(側面)から生えていることが多く、タイヤメーカーによって長さや本数にばらつきがある。
夏用タイヤよりも、細かい溝(サイプ)が多いスタッドレスタイヤのほうが本数が増えやすいとされている。
ただの飾りのようにも見えるが、名前があるということは、それだけタイヤ業界では当たり前に語られてきた現象だということでもある。
なぜ生えるのか。答えは「空気抜き穴」にあった
タイヤは、ゴムを金型に押し込み、熱と圧力をかけて成形して作られる。
このとき、ゴムと金型のあいだに空気が残ってしまうと、密着不良や仕上がりのムラの原因になる。
そこで金型には、内部の空気を逃がすための小さな穴がいくつも開けられている。
この穴に、空気と一緒にゴムが流れ込み、固まったものがスピューだ。
つまりヒゲは、意図してつけられたパーツではなく、空気を抜くという工程の副作用として生まれる。
生産過程で必要になるがヒゲになるのはたまたま
例えるなら鋳物の湯口みたいなもので性能に影響がないからそのまま残っている。
タイヤの溝とは違って全く性能に関係しない。
溝は排水性やグリップ力を左右する、設計者が意図して刻む機能パーツである。
一方のヒゲは、誰にも狙われていない、たまたまの産物にすぎない。
似た見た目をしていても、両者の役割はまったくの正反対と言っていい。
出荷前には機械や検品作業である程度カットされるが、
トレッドパターンによっては切りすぎるとタイヤ表面を傷つける恐れがあるため、
あえて短く残されたまま出荷されることもあるという。
切っても、切らなくても性能は変わらない
ここまでの仕組みを知ると、気になるのは「切ってしまっていいのか」という点だろう。
答えはシンプルで、切っても残しても走行性能や安全性への影響はないとされている。
トレッド面のヒゲは、走行するうちに自然に摩耗して消えていく。放置していても、特に困ることはない。
ただし、自分でカットする場合には一つだけ注意点がある。
無理に手で引っ張って抜こうとすると、根元のゴムごと持っていかれ、タイヤ本体を傷つけてしまう可能性がある。
処理するなら、ニッパーで根元を少し残しながら優しく切るのが安全とされている。
特にサイドウォールのヒゲは、ハサミやカッターで削りすぎると側面を傷つけるリスクがあるため、慎重に扱いたい。
それでも切りたくなるのは、性能の話ではない
ここまで見てきたように、ヒゲには機能的な意味は一切ない。
だとすれば、わざわざニッパーで一本ずつ処理する行為は、合理性で言えば時間の無駄とも言える。
想像してみてほしい、どうせ走っていれば摩耗して消えてしまう上、走行には全く関係がないが切るとしたら
一本、一本を丁寧に切る必要がある
見栄えを気にするなら4輪全てに同じ作業をする事になる。
考えただけでも徒労感がひどい
それでも切りたくなる人がいるのは、性能の話ではなく気分の問題だからだろう。
新品特有の「量産品らしさ」が気になる人にとっては、単純に見た目をすっきりさせたいという美観の問題であり、
納車前に手間をかけて整える工場や販売店もあるのはそのためだ。
かつて、あるレーシングドライバーが「走行中にどうしてもヒゲが気になる」と、メカニックに一本ずつニッパーで切らせたという逸話も伝えられている。
性能に影響しないと分かっていても、気になってしまう人には気になる。ある意味、正直な自己満足のための作業なのだ。
タイヤの溝のように「削れたら危険」という緊張感のある話ではなく、知ってしまえば「別にどちらでもいい」という気の抜けた結末が待っている。
次に新品タイヤを見かけたときは、そのヒゲが単なる空気抜きの跡だと、ふと思い出してみてほしい。
でも小さい頃からタイヤのヒゲは新品の証だからテンションが上がっていたのはここだけの話
あなたはタイヤのヒゲに関してどういう思い出がありますか?
ぜひコメントで教えてくださいね
ではでは(^ω^)ノシ
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