歴史の雑学

関西で「右に立つ」理由まとめ — エスカレーター立ち位置の謎を解く

エスカレーターで立つ位置が、東京と大阪で逆になる──そんな話、聞いたことありますか?観光で関西に来たときに「あれ?」となる人も多いはず。

この記事では、これまでの調査・をもとに、関西で右側に並ぶ習慣の背景と有力な説、最近の流れまでをわかりやすく整理します。


1. まず事実確認:関東と関西で逆になるのは本当?

はい、本当です。東京などの関東圏では「左に立ち、右を通す」のが一般的。

一方、関西(特に大阪)では「右に立ち、左を通す」習慣が広く見られます。駅での目撃談やアンケートでもこの地域差ははっきりしています。

 

梅田駅のエスカレーター

 

横浜駅のエスカレーター

 

見ての通り関西の梅田駅では右側に人が並び関東の横浜駅では左側に人が並んでいます

 

 


2. どうして右側になったの? 有力な説を整理

「なぜ?」に対しては確定的な起源はなく、複数の要因が重なって今の慣習になったと考えるのが自然です。

代表的な説を簡潔に紹介します。

 

 

① 駅の案内・放送から定着した説(実務的説)

阪急梅田駅などで「立つ側/通る側」を案内するアナウンスが行われ、それが定着したという記録・説があります。

混雑する駅で歩く人をスムーズにさばくための実務的対応が、そのまま地域のマナーになった可能性が高いです。

 

 

② 1970年・大阪万博の影響説

1960〜70年代、特に1970年の大阪万博の際に外国人来訪が増え、欧米の「右立ち/左通行」スタイルを取り入れたことが背景にあるという説。

万博をきっかけに自治体や駅で案内が統一的に行われた可能性があります。

 

 

③ 右利き・手すりを使う動作の説

右利きが多いため、右手で手すりを持ちやすい側に立つ=右に立つ、という単純な身体的理由も指摘されています。実用ベースの説明として納得感があります。

 

 

④ 文化史的説(武士/商人由来)

「武士が刀を左に差していた→左側通行が定着」「大阪は商人の町で右側の振る舞いが多かった」など、江戸時代からの文化習慣が影響したという説もあります。

ただしこれは伝承的で、直接の証拠は乏しいです。

 

 


3. どの説が一番有力?

単独の決定打はないものの、最も現実的で説得力があるのは 「駅などでの案内(通行の効率化)→地域慣習として定着」 という流れです。

万博や右利きなどの要因がその普及を後押ししたと考えるのが合理的でしょう。

 


4. 駅や地域による例外もある

関西でも路線や駅、時間帯によって左右の慣習が違うことがあります。

京都や一部の私鉄では周囲の流れに合わせる暗黙ルールが残っていたり、逆に「どっちも立つ(歩かない)」という安全重視の案内が出ていたりします。

つまり「関西=絶対右」というわけではありません。

 

 


5. 最近のトレンド:安全面から“両側に立つ”へ

最近は安全や転倒防止の観点から、エスカレーターで歩かない(通行しない)こと、つまり「両側に立つ」スタイルを推奨する動きが出ています。

エスカレーターの設計上は歩行を前提にしていない場合が多く、混雑状況や高齢化を考えると今後マナーの変化が進む可能性があります。

 

 

 


6. 旅行者・訪問者向け:どうすれば良い?

  • 最初は周りに合わせるのが無難。 駅の流れに合わせれば間違いありません。
  • 急いでいるなら、通路側から声をかける(「すいません、通ります」など)。 日本ではやんわり声かけが一般的です。
  • 安全第一。 混雑している場合は無理に歩かず、降りて階段を使うのも一つの選択です。

7. おわりに(まとめ)

関西で右側に立つ習慣は、明確な単一の起源があるわけではなく、駅での案内(効率化)を中心に、万博や右利き・文化的要因が重なって定着したと考えるのが自然です。

近年は安全面から「両側に立つ」方針が広がりつつあり、マナーも変化の途中にあります。旅行者はまずは「周りに合わせる」ことを覚えておけばOK。

 

人の流れに合わせていればエレベーターの乗り方でトラブルになる事はないと思います。

 

ではでは(^ω^)ノシ

 

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