夏の終わりに響く、あの「ツクツクボーシ!」という鳴き声。実はこのツクツクボウシ、セミの中でも珍しく、まるで一曲の歌のように構成された鳴き方をするってご存じでしたか?
今回は、ツクツクボウシの“歌声”に隠された驚きの構造と、その理由について探ってみましょう。
まるで楽曲!ツクツクボウシの鳴き声は4部構成
ツクツクボウシの鳴き方は、音楽の構造に例えると「イントロ → メイン → サビ → アウトロ」といった明確な構成があると言われています。
中でも「ツクツクボーシ!」と繰り返すフレーズは、まさにクライマックス。音楽でいう“サビ”にあたる部分です。
あるジャズミュージシャンが解析したところ、この鳴き声には「6拍子+7拍子=13拍子」という変則的なリズム構造があるとも指摘されており、そのメロディアスで技巧的な鳴き方が、専門家からも注目されています。
ここまで複雑に音調を変えるセミはツクツクホーシだけなんですね
聞けば聞くほど複雑だと感じますね
筆者はひぐらしの鳴き声も好きですがツクツクボウシも結構、好きですね
他のセミとの違いは?
他のセミたちの鳴き声は、比較的単調な繰り返しが多いのが特徴です。
アブラゼミは「ジジジジ…」、ミンミンゼミは「ミーンミンミン…」と、シンプルで分かりやすいパターン。
一方、ツクツクボウシは、鳴き始めから終わりまで、リズムや音の高低がダイナミックに変化していくため、まるで“セミ界のシンガーソングライター”のような存在です。
セミの種類 | 鳴き声の特徴 | 構成・サビ感 |
---|---|---|
アブラゼミ | ジジジジジジジジ…… | 単調で連続的、構成感は少ない |
ミンミンゼミ | ミーンミンミンミン…… | 一定のパターンの繰り返し、メロディ的 |
ヒグラシ | カナカナカナ…… | 美しく哀愁あるが、パターンは一定 |
クマゼミ | シャーシャーシャー…… | パワフルな単調音、変化は少ない |
ニイニイゼミ | チー……チチチチ…… | 微細な音の繰り返し、構成感なし |
意外と聞き分けられない鳴き声だけにツクツクボウシはわかりやすいですね
鳴き声のパート分け、その理由は?
近年、九州大学などの研究で、ツクツクボウシの鳴き声には主に2つのパートがあることが確認されました。
- 前半:「オーシンツクツク」など、他のオスからの“合いの手”が入りやすい
- 後半:「ツクリヨーシ」など、あまり合いの手が入らない
このように、鳴き声に段階があることが分かっていますが、なぜそうなっているのかは、今のところハッキリしていません。ただし、有力な仮説としては次のようなものがあります:
- 集団合唱戦略:前半で他のオスを呼び、目立つ合唱状態をつくることでメスにアピール
- 情報分化戦略:パートごとに違うメッセージ(存在アピール、本気度など)を発している可能性
- 自己調整:鳴き声の変化で筋肉の疲労を分散している可能性
どれも仮説の段階ですが、ツクツクボウシの鳴き声がただの「うるさい音」ではなく、緻密にデザインされた“ラブソング”である可能性が見えてきています。
まとめ:ツクツクボウシはセミ界のアーティスト!?
他のセミと比べて、鳴き声に起承転結があり、印象的な「サビ」まであるツクツクボウシ。
そのメロディは、毎年夏の終わりを告げる情緒的なサウンドとして、私たちの記憶に残ります。
まだまだ謎の多いツクツクボウシの“歌”。その意味や進化の背景が明らかになる日が来るのを、楽しみに待ちたいですね。
次にツクツクボウシの声が聞こえたら、ただの蝉時雨としてではなく、1曲のライブとして耳を傾けてみてはいかがでしょうか?
ではでは(^ω^)ノシ
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