「マヨネーズ」という名前に、どんな意味があるのか考えたことはありますか。
実は、マヨネーズの語源は今もはっきりと確定しているわけではありません。
それでも、現在もっとも有力とされているのが、スペイン・メノルカ島にある港町「マオン(Mahón)」に由来するという説です。
「マヨネーズはフランス生まれ」と思われがちですが、そのルーツをたどるとスペインの港町へ行き着くかもしれない――そんな意外な歴史があります。
マヨネーズの語源は「マオン」が由来という説が有力
現在、もっとも広く知られているのが「マオン説」です。
18世紀半ば、スペイン・メノルカ島の港町マオンで、フランスのリシュリュー公爵が卵黄とオリーブオイルを使ったソースを口にしたと伝えられています。
その味を気に入った公爵がフランスへ持ち帰り、「マオンのソース」を意味する「Mahonnaise(マオンネーズ)」と呼ばれるようになったことが、「Mayonnaise(マヨネーズ)」へ変化したという考え方です。
この説は食品メーカーや歴史資料などでも広く紹介されており、現在では語源として最も有力と考えられています。
ただし、当時の記録が十分に残っているわけではなく、「これが唯一の正解」と断定できるものではありません。
実は語源は一つではない?複数の説が存在する
「マオン説」が有力とはいえ、語源にはいくつかの説があります。
例えば、フランス南西部の都市バイヨンヌに由来する「バイヨン説」や、古フランス語で「卵黄」を意味する「moyeu(モワイユ)」から派生したという説があります。
また、フランス語で「混ぜる」を意味する「manier(マニエ)」が語源ではないかという説も知られています。
こうした説が生まれた背景には、マヨネーズがヨーロッパ各地へ広まりながら発展していった歴史があります。
そのため、「マヨネーズの語源はこれ」と断定するよりも、「マオン説が最も支持されているが、諸説ある」と理解するのが現在の一般的な見方です。
マオンソースは現在のマヨネーズとは少し違う
「マオンのソース」と聞くと、現在のマヨネーズとまったく同じものを想像するかもしれません。
しかし、実際には少し違います。
伝統的なマオンソースは、卵黄・オリーブオイル・塩・ニンニク・レモン果汁を混ぜて作られます。
現在の一般的なマヨネーズのように酢を使わないため、酸味は控えめです。
その代わり、オリーブオイルの香りとニンニクの風味が際立ち、素材の味を引き立てるやさしい味わいが特徴とされています。
つまり、マオンソースは現在のマヨネーズそのものではなく、そのルーツになったと考えられるソースなのです。
この違いは意外と知られておらず、「マオンソース=マヨネーズ」と誤解されることも少なくありません。
港町マオンでは今も伝統の味が受け継がれている
マヨネーズのルーツとされるマオンでは、現在も家庭で伝統的なマオンソースが作られています。
専用の鉢で材料を少しずつ混ぜ合わせる昔ながらの作り方が受け継がれ、地元では魚料理や肉料理など幅広い料理に使われています。
また、2025年にはキユーピーがマヨネーズ発売100周年を記念し、この伝統的なソースをイメージした「マオンソース」を発売しました。
誕生から約270年が経った今でも、その原点に注目が集まっていることからも、マオンのソースが世界の食文化に与えた影響の大きさがうかがえます。
「マヨネーズ=フランス生まれ」とは言い切れない理由
マヨネーズはフランス料理に欠かせない調味料として世界中に広まりました。
そのため、「フランス生まれ」と紹介されることも少なくありません。
しかし、語源やルーツをたどると、スペイン・メノルカ島の港町マオンとの深い関わりが見えてきます。
現在の歴史研究では、「マオン説」が最有力とされながらも、決定的な証拠は見つかっておらず、複数の説が並立しています。
一つの答えに決めつけるのではなく、歴史の中でさまざまな文化や言葉が交わりながら現在の「マヨネーズ」という名前になったと考えると、その奥深さがより感じられるのではないでしょうか。
スーパーで何気なく手に取るマヨネーズも、その名前の由来を知ると、いつもの食卓が少し違って見えてくるかもしれません。
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