日本映画の中でも、独自の美学と人情を描いてきたジャンル「任侠映画」。
高倉健や鶴田浩二など、昭和のスターを生み出したこのジャンルの“最古の作品”は何なのか?
また、現在視聴可能な最古の任侠映画は何か?今回はその歴史をひもときつつ、古い任侠映画を実際に見る方法までご紹介します。
任侠映画とは?
任侠映画とは、義理と人情に生きる侠客たちの生き様を描いた日本独自のジャンルです。
戦前から戦後にかけて隆盛し、1960年代の「東映任侠路線」で一世を風靡しました。刺青、着流し、一本気な生き様といったイメージは、このジャンルが築き上げたものです。
最古の任侠映画は『任侠物語』(1918年)
映画史上、最も古い任侠映画とされるのは、1918年(大正7年)公開の**『任侠物語』**です。
これは、任侠をテーマにした劇映画としては最古の記録ですが、現在は残念ながらフィルムが現存しておらず、視聴することはできません。
大正時代にはすでに任侠映画はあったのか?
元々、小説とかで任侠ものって人気だったのかもしれませんね
現在視聴可能な最古の任侠映画とは?
フィルムが現存し、実際に視聴可能なものとしては以下の作品が挙げられます:
1. 『忠次旅日記』(1927〜1928年)
- 監督:伊藤大輔
- 主演:大河内傳次郎
- 内容:義賊・国定忠次の生涯を描く、チャンバラ活劇の傑作。
- 特徴:無声映画ながら圧倒的なカメラワークと演出が魅力。
- 視聴方法:国立映画アーカイブなどの特別上映やDVDが存在。
YouTube動画
2. 『血煙高田の馬場』(1928年)
- 監督:伊藤大輔
- 主演:阪東妻三郎
- 内容:敵討ちをテーマにした作品で、侠気と殺陣が見どころ。
- 視聴方法:部分的に現存しており、アーカイブ上映やDVDが出回ることも。
3. 『次郎長三国志 次郎長売出す』(1952年)
- 監督:マキノ雅弘
- 主演:小堀明男(次郎長役)、森繁久彌(森の石松)
- 内容:清水次郎長一家の物語。シリーズ第1作。
- 視聴方法:Amazon Prime Videoなどで配信中。
古い任侠映画を視聴する方法
任侠映画、とくに戦前・戦後の作品は限られた手段でしか視聴できません。以下が主な方法です:
✅ 1. 動画配信サービス
- Amazon Prime Video:『次郎長三国志』『日本侠客伝』など一部作品を配信。
- U-NEXT / Hulu / Netflix:定期的に東映の任侠シリーズが配信される。
- YouTube:公式チャンネルが一部の古典映画を無料配信していることも。
✅ 2. DVD・Blu-ray
- 「東映クラシックス」シリーズなどから、任侠映画のDVD化が進んでいます。
- 映画専門店やネット通販(Amazon、駿河屋など)で購入可能。
✅ 3. 映画アーカイブ・図書館
- 国立映画アーカイブ(東京)では、戦前の無声映画やレア作品の上映会が不定期に開催されます。
- 一部大学図書館や映像センターでも貸出・視聴可能。
まとめ
種別 | 映画タイトル | 年代 | 視聴可否 |
---|---|---|---|
最古の任侠映画 | 『任侠物語』 | 1918年 | ×(フィルム現存せず) |
視聴可能な最古級 | 『忠次旅日記』 | 1927年 | △(アーカイブ上映) |
現代で視聴しやすい古典 | 『次郎長三国志』 | 1952年 | 〇(配信・DVDあり) |
任侠映画の原点をたどることは、日本映画の文化的背景を知るうえで非常に意義があります。今なお色あせない侠客たちの姿を、ぜひ映像で体感してみてください。
ではでは(^ω^)ノシ
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