昭和の漫画やアニメを見ていると、たまに登場する「こめかみに白い四角いものを貼ったおばあさん」。見たことありませんか?
子どもの頃は「アレってなんなの?シール?湿布?」と疑問に思った人も多いはず。
今回は、その“こめかみの白いやつ”の正体と歴史について、ちょっと掘り下げてみました。
1. 正体は「乙女桜」という頭痛用の貼り薬
あのこめかみに貼ってる四角い白いものの正体は、**「乙女桜(おとめざくら)」**という名前の貼り薬(膏薬)です。
これは、頭痛や神経痛を和らげるための外用薬で、こめかみや肩などに直接貼って使うものでした。
湿布というよりも「膏薬(こうやく)」と呼ばれるタイプの薬で、当時はメントールやカンフルなどの成分が使われ、痛みや疲れを和らげるとされていました。
漫画やアニメでは、おばあさんキャラがこめかみにこれを貼っている描写がよく登場しますが、これは高齢者の習慣を記号的に表現したものだったんですね。
2. 「乙女桜」はいつからあったの?
この「乙女桜」は、明治時代に登場した貼り薬で、製造・販売していたのは現在の「トクホン株式会社」(旧・鈴木日本堂)です。
明治期、日本で初めての頭痛用膏薬として登場し、家庭薬として一躍有名に。
「おばあちゃんの常備薬」として多くの家庭に普及しました。
ちなみに「トクホン」ブランドは、その後「トクホンチール」「トクホンエース」などの湿布薬でも知られるようになります。
3. 現在も販売されているの?
残念ながら、「乙女桜」という商品は現在は販売されていません。
ですが、その文化的な影響は今も残っています。
現在ではトクホンという商品名で販売されています。
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昭和・平成初期の漫画に出てくるおばあさんのキャラクターに登場したことで、「おばあさん=こめかみに白い四角」というイメージが定着しました。
現代でも、頭痛や肩こりに冷感シートや湿布を使ってこめかみに貼る人もいますが、それは「乙女桜」とは別物です。
ただし、おばあさんキャラの“記号”としての貼り薬は、今も懐かしのアイコンとして使われ続けています。
まとめ
項目 | 内容 |
---|---|
正体 | 頭痛用の貼り薬「乙女桜」 |
販売時期 | 明治時代から(鈴木日本堂が製造) |
目的 | 頭痛・神経痛の緩和、こめかみに貼る使用法 |
現在 | 販売終了、漫画などで記号的に残っている |
昔の文化や習慣が漫画やアニメに影響を与え、それが今も記号的に使われているって、面白いですよね。
「おばあちゃん=こめかみに白いやつ」の謎、これでスッキリした方も多いのでは?
他の「漫画あるあるアイテム」のルーツも掘ってみようと思います
ではでは(^ω^)ノシ
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