シャトルの筒に書かれた「2」「3」「4」という数字。これを「速さ」だと思っている人は、意外と多いのではないでしょうか。
実はこの数字、速度ではなく「飛距離」を表す目安です。しかも数字が大きいほど、実は「よく飛ぶ」シャトルになります。
夏は数字が小さく、冬は数字が大きい。この時点で「あれ、逆じゃないの?」と感じた人もいるかもしれません。
結論から言うと、この番号を間違えても危険なことは何もありません。
ただし、狙った場所にシャトルが届かなくなり、練習や試合の精度が目に見えて落ちてしまいます。
「今日はなぜかシャトルが伸びない」「逆にアウトばかり出る」という違和感の正体は、実はこの番号のズレにあることが多いのです。
なぜ気温でシャトルの飛び方が変わるのか
シャトルの重さは、わずか5g前後。コピー用紙1枚とほぼ同じ重さしかありません。
これほど軽い物体は、空気の影響を人一倍受けやすいという性質を持っています。
気温が上がると、空気は膨張して薄くなります。
すると空気抵抗が減るため、シャトルはよく飛ぶようになります。
逆に気温が下がると空気は収縮して密度が濃くなり、抵抗が増えてシャトルは失速しやすくなります。
この「季節によるブレ」をあらかじめ吸収するために、メーカーは飛びやすさを段階的に変えたシャトルを製造し、番号を振っているとされています。
つまり番号とは、気温という自然条件に対する「事前の補正値」というわけです。
文字通り羽のように軽いから温度変化をもろに受けてしまうんですね。
番号は1〜7番まであるのに、なぜ2〜5番しか売っていないのか
ヨネックスの基準では、1番(33℃以上)から7番(7℃以下)まで、7段階の分類が存在するとされています。
ところが実際に店頭やネットで見かけるのは、ほとんどが2番(夏用)から5番(冬用)まで。
1番・6番・7番はカタログには載っていても、実質的にはほとんど流通していないと言われています。
理由はシンプルで、5番でもプレーが厳しいほどの寒さの中で、そもそもバドミントンをする機会自体が少ないからです。
1番に至っては、標高の高い山間部など特殊な環境向けの別注品として扱われることが多いとされています。
「7段階もあるなら細かく揃えなきゃ」と思っていた人には、少し拍子抜けする事実かもしれません。
1番や7番みたいな環境になるなら試合会場で空調入れるからありえないというわけです。
屋外で行うスポーツじゃないからそんな限界環境ではプレイしない。
観客も疲れるというか病気になりそうだし。
番号を1つ間違えると、実際どれくらいズレるのか
数字にすると、番号が1つ変わるだけで飛距離は約30cm変わるとされています。
適正温度から10度ズレた番号を使った場合も、同程度の誤差が出るという情報もあります。
数値の出し方に多少の違いはあるものの、どちらも「無視できない差」という点では一致しています。
このズレが、実際のプレーにどう響くのか。感覚で言うと、こんな形で表れます。
- クリアーを打っても想定より伸びてアウトになる、あるいは逆に失速して相手に踏み込まれる
- スマッシュの力加減がズレて、ネットにかけたり大きく浮いたりする
- ドロップやヘアピンのような繊細なタッチ系のショットほど、ミスに直結しやすい
普段から同じ番号のシャトルで練習していると、体はその「球足」を無意識に記憶しています。
だからこそ番号が変わった瞬間、最初の数球で「思ったところに行かない」という違和感が強く出るのです。
ベテラン選手ほど数球で調整してしまいますが、その微調整ができないと、コントロールが最後まで狂ったままになってしまいます。
部活動では本当に季節でシャトルを買い替えているのか
強豪校や部費に余裕のある部活では、夏用と冬用で番号を分けて用意しているところもあります。
特に対外試合が多いチームは、公式戦の感覚に慣れておく目的で調整することがあるようです。
ただ実態としては、こちらの方が少数派です。
シャトルは決して安くない消耗品なので、多くの部活は予算の都合上、年間を通して同じ番号を使い続けているケースが目立ちます。
その代わりに、体育館の暖房を入れる、試合前にシャトルを軽く温める、あるいは「今日は飛ばないから、いつもより振り抜こう」と選手側の感覚で補うといった、
いわば人力での調整で乗り切っている現場が多いとされています。
ちなみに「冬用の番号はシャトルが壊れやすい」という声もよく耳にしますが、これは番号そのものの問題ではなく、
冬の乾燥や低温という季節要因によるものだとされています。
番号自体は、あくまで飛び方の「サイズ表示」のようなもので、耐久性とは直接関係がありません。
大多数の部活動でシャトルの番号を合わせて練習する事は珍しいのではなかろうか?
消耗品だから部費が少ない学校は考えながらシャトルを使ってそう。
シャトルの違いは番号だけじゃない
ここまで番号の話を中心に見てきましたが、シャトルの違いは温度分類だけではありません。
素材で見ると、水鳥の羽根を使った「フェザーシャトル」と、プラスチック製の「ナイロンシャトル」に大きく分かれます。
フェザーシャトルは飛行が安定していて公式戦向き、ナイロンシャトルは耐久性が高く安価なため、練習用として広く使われています。
面白いのは、ナイロンシャトルにも温度による適正分類が存在する点です。
ただし水鳥シャトルのような数字表記ではなく、「SLOW」「MIDDLE」「FAST」といった英語表記や、キャップの色で見分けるのが一般的だとされています。
番号だけを覚えていると見落としがちな違いなので、練習球を選ぶときには意識しておきたいポイントです。
また、気温だけでなく標高や湿度もシャトルの飛び方に影響するとされています。
標高が高い土地は気圧が低いため、冬でも夏用の低い番号を使って調整することがあり、
逆に北海道のように暖房設備が整った地域では、冬でも4番シャトルを使い続けるケースが多いとも言われています。
地域や環境によって「正解の番号」が変わってくるのも、この道具の奥深いところです。
たった一桁の数字の違いが、コート上での30cmという無視できない誤差を生む。
普段何気なく手にしているシャトルの筒に、こんな細かい計算が詰め込まれていると知ると、次に打つ一球の見え方が少し変わってくるかもしれません。
この話、どう思いましたか?よかったらコメント欄で教えてくださいね
ではでは(^ω^)ノシ
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