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歴史の雑学

スクワットの起源は?誰が考えた?歴史とバーベルスクワットの誕生

スクワットは、筋トレの代表的な種目です。

自宅でもできるため、運動習慣がある人なら一度はやったことがあるのではないでしょうか。

 

 

では、このスクワットは誰が考えたのでしょうか。

実は、スクワットを一人の人物が発明したという明確な起源はありません。

しゃがんだり立ち上がったりする動作は、人間の生活の中に古くから存在していました。

 

 

一方、現在のような筋力トレーニングとしてのスクワットは、19世紀末から20世紀初頭の欧米の身体文化の中で、少しずつ形が整っていきました。

この記事では、スクワットがどのように現在の形になったのか、その歴史を紹介します。

 

 

スクワットの起源は「しゃがむ動作」

スクワットの基本動作は、腰を落としてしゃがみ、そこから立ち上がることです。

この動作そのものに、特定の発明者はいません。

 

 

人間は昔から、地面にある物を拾ったり、低い場所で作業したり、休んだりするときにしゃがんできました。

そのため、

「スクワットは○○という人物が発明した」

と一人に決めることはできません。

 

 

ここで重要なのは、日常生活の「しゃがむ動作」と、筋力トレーニングとしての「スクワット」を分けて考えることです。

現在のバーベルスクワットにつながる歴史は、もっと後の時代にあります。

 

 

古代にも筋力トレーニングはあった

古代から、重い物を持ったり担いだりする身体鍛錬は行われていました。

笹川スポーツ財団の資料では、紀元前約2500年のエジプトで筋力を高めるトレーニングが行われていた記録が紹介されています。

また、古代ギリシャでは、重い石を持ち上げたり投げたりして力を競う活動が行われていました。

 

 

有名なのが、古代ギリシャのレスリング選手ミロの逸話です。

ミロは子牛を担ぎ、成長していくにつれて重くなる牛を毎日運んだと伝えられています。

こうした話は、古代から「重い物を持つ・担ぐ」という身体鍛錬が行われていたことを示しています。

 

 

ただし、これをそのまま現代のスクワットと呼ぶことはできません。

古代の身体鍛錬は、スクワットの直接的な起源というより、後世の筋力トレーニングにつながる前史として考えるのが適切です。

 

 

19世紀末から「deep knee bend」が登場


現在のスクワットに近い運動が体系化されていくのは、19世紀末から20世紀初頭です。

当時の身体文化やボディビル、体操などでは、膝を深く曲げてしゃがむ運動が行われていました。

 

 

その代表的な呼び方が、

deep knee bend

です。

 

 

現在のスクワットと完全に同じものではありません。

当時は、現在のようなスクワットラックも普及していませんでした。

 

 

そのため、バーベルを背中に担いで大きな重量を扱うことは簡単ではありませんでした。

1915年のMilo Bar-Bell Companyの教本には、deep knee bendの方法が紹介されています。

 

 

そこでは、踵を浮かせ、深くしゃがんで繰り返す形式が説明されています。

現在のスクワットとはフォームがかなり違っていたことが分かります。

 

 

Alan CalvertとMilo Bar-Bell Company

この時代に重要な人物の一人が、Alan Calvertです。

Calvertは1902年にMilo Bar-Bell Companyを設立しました。

 

 

同社はバーベルなどの器具だけでなく、運動方法を紹介する教本も扱っていました。

そのため、CalvertやMilo Bar-Bell Companyは、スクワットを「発明した人物」というより、

近代的な筋力トレーニングを器具や教本を通じて広めた存在

と考える方が適切です。

 

 

このような身体文化の発展によって、しゃがむ動作が単なる日常動作ではなく、身体を鍛えるための運動として広がっていきました。

 

 

George Hackenschmidtと「hack squat」

スクワットの歴史を語るうえで、もう一人重要なのがGeorge Hackenschmidtです。

エストニア生まれのHackenschmidtは、20世紀初頭に活躍したレスラーで、身体文化の指導者としても知られていました。

 

 

彼の名前が現在も残っているのが、

hack squat

です。

 

名前は似ていますが、現在一般的に行われているバックスクワットと同じ運動ではありません。

Hackenschmidtが行ったスクワット系の運動は、当時の身体文化の中で下半身を鍛える方法として注目されました。

 

 

つまりHackenschmidtは、現代のスクワットを一人で発明した人物というより、20世紀初頭の筋力文化の中でスクワット系運動を広めた重要人物と考えることができます。

 

 

Henry “Milo” Steinbornがバーベルスクワットに大きな影響

現代のバーベルスクワットの歴史で特に重要なのが、Henry “Milo” Steinbornです。

Steinbornは第一次世界大戦後にアメリカで活動したドイツ出身のストロングマンです。

 

 

当時は、現在のようなスクワットラックが一般的ではありませんでした。

そのため、重いバーベルを肩に担ぐだけでも大きな問題でした。

 

 

Steinbornは、バーベルを片側から立てて、その下に身体を潜り込ませるようにして肩に担ぐ方法を使いました。

 

 

現在では、この方法は

Steinborn squat

として知られています。

 

 

Steinbornの重要性は、単に大きな重量を扱ったことだけではありません。

ラックがない時代に、重いバーベルをスクワットに使う方法を実践したことが、バーベルスクワットの発展につながりました。

ただし、Steinbornを「スクワットの発明者」とするのは適切ではありません。

 

 

より正確には、

近代的なバーベルスクワットの発展と普及に大きく貢献した人物

と考えるのがよいでしょう。

 

 

スクワットラックが歴史を変えた

スクワットの発展には、人物だけでなく器具の進化も大きく関係しています。

スクワットラックが普及すると、バーベルを床から持ち上げて肩に担ぐ必要がなくなりました。

 

 

最初から適切な高さに置かれたバーベルを担げるため、より大きな重量を扱いやすくなります。

これによってスクワットは、

  • 筋力を鍛える
  • 筋肉を大きくする
  • 競技能力を高める
  • 重量を競う

といった目的で利用されるようになりました。

 

 

つまり、現代のバックスクワットは、単純に「誰かがフォームを発明した」というより、

身体文化・バーベル・スクワットラック・競技スポーツなどが組み合わさって発展した種目

と考えることができます。

 

 

 

日本ではプロレスを通じてスクワットが有名に

日本でスクワットが広く知られるようになった背景には、プロレス文化もあります。

1963年にデビューした山本小鉄は、後に新日本プロレスのコーチとなり、「スクワット1000回」を口にしていたことで知られています。

 

 

また、1968年にはカール・ゴッチが日本プロレスのコーチとなりました。

その後、新日本プロレスや全日本プロレスなどでも、スクワットは新人レスラーの基礎トレーニングとして行われました。

 

 

そのため日本では、

「スクワット=基礎体力を鍛えるトレーニング」

というイメージが強く定着していきました。

 

 

これはスクワットそのものの起源とは別の話ですが、日本におけるスクワット文化を考えるうえでは興味深い歴史です。

スクワットの歴史を年代順に見ると

スクワットの歴史を簡単に整理すると、次のようになります。

 

 

時代出来事
古代以前〜古代しゃがむ・立ち上がる動作や身体鍛錬が行われる
19世紀末欧米の身体文化の中で膝曲げ運動が発展
1902年Alan CalvertがMilo Bar-Bell Companyを設立
1915年Milo Bar-Bell Companyの教本にdeep knee bendが紹介される
1919年ドイツで重量を使ったスクワットの初期事例が記録される
1920年代Steinbornらによってバーベルスクワットが発展
20世紀中盤以降スクワットラックなどの器具が普及
1960年代以降日本のプロレスで高回数スクワットが定着
現代筋力・筋肥大・競技など幅広い目的で利用される

スクワットを発明したのは誰?

ここまでの歴史を見ると、スクワットを発明した人物を一人に決めるのは難しいことが分かります。

生活動作としてのしゃがむ動作には、そもそも発明者がいません。

 

 

また、筋力トレーニングとしてのスクワットも、一人の人物が突然完成させたわけではありません。

19世紀末から20世紀初頭にかけてdeep knee bendなどの運動が広まり、HackenschmidtやCalvertらが身体文化や器具を通じて普及に関わりました。

 

 

さらにSteinbornのような人物が、バーベルを使ったスクワットの発展に貢献しました。

そしてスクワットラックなどの器具が普及することで、現在のバックスクワットに近づいていきます。

 

 

まとめ

スクワットには、「この人が発明した」という一人の発明者はいません。

しゃがむ動作そのものは、人間の生活の中に古くから存在していました。

一方、現在のような筋力トレーニングとしてのスクワットは、19世紀末から20世紀初頭の欧米の身体文化の中で発展しました。

 

 

その歴史には、

  • deep knee bend
  • George Hackenschmidt
  • Alan Calvert
  • Milo Bar-Bell Company
  • Henry “Milo” Steinborn
  • スクワットラック

などが関係しています。

 

 

特に重要なのは、現代のスクワットは一人の発明ではなく、運動方法・器具・競技文化が組み合わさって発展した種目だということです。

普段何気なく行っているスクワットにも、100年以上にわたる筋力トレーニングの歴史があると考えると、少し違って見えてくるかもしれません。

 

ではでは(^ω^)ノシ

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よくある質問

スクワットを発明したのは誰ですか?

特定の一人を発明者とすることはできません。

現代の筋力トレーニングとしてのスクワットは、19世紀末から20世紀初頭にかけて徐々に発展しました。

 

 

スクワットはいつからありますか?

しゃがむ動作自体は古くからあります。

ただし、現在のような筋力トレーニングとしてのスクワットの直接的な歴史は、19世紀末〜20世紀初頭に位置づけられます。

 

 

Steinbornはスクワットの発明者ですか?

発明者と断定することはできません。

Steinbornは、ラックが普及していなかった時代にバーベルを肩へ担ぐ方法を実践し、近代的なバーベルスクワットの発展に大きく貢献した人物です。

 

 

hack squatとバックスクワットは同じですか?

同じではありません。Hackenschmidtの名前が付いたhack squatは、現在一般的なバーベル・バックスクワットとは異なるスクワット系の運動です。

 

 

 

 

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