「ピラミッドが一番多い国は?」と聞かれると、多くの人が「エジプト」と答えるのではないでしょうか。
学校の教科書やテレビで紹介されるのは、ギザの三大ピラミッドがほとんどです。
そのため、「ピラミッド=エジプト」というイメージが世界中に広まりました。
ところが、現在確認されているピラミッドの数で見ると、世界で最も多い国はエジプトではなくスーダンだとされています。
スーダンには約200~255基以上、エジプトには約120~138基のピラミッドが確認されており、その差は決して小さくありません。
ただし、発掘調査の進展や「どこまでをピラミッドとして数えるか」という定義の違いによって、数字は今後変わる可能性があります。
では、なぜエジプトではなくスーダンにこれほど多くのピラミッドが残されているのでしょうか。その背景には、古代に栄えたもう一つの王国の存在がありました。
ピラミッドが一番多い国はスーダンとされている
ピラミッドが最も多い国は、現在の研究ではスーダンと考えられています。
意外に感じるかもしれませんが、これは近年の考古学調査によって広く知られるようになった事実です。
スーダン北部には古代クシュ王国が築いたピラミッド群が数多く残されており、その総数はエジプトを上回るとされています。
一般的に確認されている数を比べると、次のようになります。
| 国 | 確認されている主な数 |
|---|---|
| スーダン | 約200~255基以上 |
| エジプト | 約120~138基 |
この数字だけを見ると、スーダンが世界一であることが分かります。
ただし、これらは「現時点で確認されている数」です。
新たな発掘や研究によって数字が変わる可能性があるため、「約」「少なくとも」といった表現が使われることも少なくありません。
また、国や研究機関によってカウント方法が異なる場合もあり、基礎だけが残る遺構を含めるかどうかで数が変わることがあります。
それでも、現在の考古学では「ピラミッドが最も多い国はスーダン」という見方が一般的です。
なぜスーダンにこれほど多くのピラミッドがあるのか
「エジプトより多い」と聞くと、不思議に思う人も多いでしょう。
その理由は、スーダン北部で栄えたクシュ王国にあります。
クシュ王国は古代エジプトの南に位置し、エジプト文化の影響を受けながら独自の文明を築いた国家でした。
一時期にはエジプトを支配したこともあり、高い文化や建築技術を持っていたことで知られています。
この王国では、王や王妃だけでなく、多くの王族や有力者の墓としてピラミッドが建設されました。
そのため、短い期間でも数多くのピラミッドが造られ、結果としてエジプトを上回る数が残ることになったと考えられています。
興味深いのは、スーダンのピラミッドはエジプトのものとは見た目が大きく異なることです。
エジプトのピラミッドは巨大でゆるやかな傾斜を持つものが多い一方、スーダンのピラミッドは高さ約30メートル前後と比較的小さく、急な角度で細長く伸びる特徴があります。
つまり、「数の多さ」と「大きさ」はまったく別の話なのです。
「ピラミッド=エジプト」というイメージが定着した理由
ここで一つ疑問が浮かびます。
これほど多くのピラミッドがスーダンにあるにもかかわらず、なぜ多くの人はエジプトを思い浮かべるのでしょうか。
最大の理由は、ギザの三大ピラミッドの圧倒的な知名度です。
世界史の教科書やテレビ番組、映画、旅行ガイドなどで紹介されるのは、ほとんどがエジプトのピラミッドです。
高さ約146メートルで建設されたクフ王の大ピラミッドは、古代世界の七不思議にも数えられ、人類史を代表する建造物として知られています。
一方、スーダンのピラミッド群は長年にわたって観光地としての知名度が高くなく、政治情勢などの影響もあり、海外旅行先として紹介される機会は多くありませんでした。
つまり、「最も有名な国」と「最も多い国」は一致していないのです。
これは、多くの人が思い込みやすいポイントでもあります。
単純にエジプトの方が大きいピラミッドが多いというのも要因の一つ
あくまでもエジプトがピラミッドの起源である事も要因かと思われる
メロエ遺跡が「ピラミッドの国・スーダン」を象徴している
スーダンのピラミッドを語るうえで欠かせないのが、北東部にあるメロエ遺跡です。
ここは古代クシュ王国の都が置かれた場所であり、王や王妃、王族たちが眠る数多くのピラミッドが今も残されています。
砂漠の中に小型のピラミッドが整然と並ぶ景色は、エジプトとはまた違った美しさがあります。
その歴史的価値が認められ、メロエ島の考古遺跡群は世界遺産にも登録されました。
メロエだけでも数多くのピラミッドが集中しており、「世界で最もピラミッドが多い国」と呼ばれる理由を実感できる場所といえるでしょう。
また、クシュ王国にはメロエだけでなく、ナパタ周辺にも王墓群が残されています。
こうした複数の遺跡があることで、スーダン全体のピラミッド数はさらに増えています。
近年は発掘調査や保存活動も進み、これまで埋もれていた遺構が確認されるケースもあります。
そのため、将来的には確認される数がさらに増える可能性もあると考えられています。
エジプトとスーダンのピラミッドは何が違う?
同じピラミッドでも、エジプトとスーダンでは目的やデザインに違いがあります。
比較すると、その特徴がよく分かります。
| 比較項目 | スーダン | エジプト |
|---|---|---|
| 主な建造者 | クシュ王国 | 古代エジプト王朝 |
| 高さ | 約30メートル前後 | 最大約146メートル |
| 形状 | 急傾斜で細長い | 底辺が広く巨大 |
| 主な用途 | 王や王族の墓 | 王の墓 |
| 特徴 | 数が非常に多い | 一つひとつが巨大 |
エジプトのピラミッドは、国家の力を示す巨大建築として造られました。
一方、スーダンでは比較的小規模なピラミッドが数多く築かれたため、「巨大さ」ではなく「数」で世界一になったのです。
つまり、「どちらが優れているか」という話ではなく、それぞれ異なる歴史や文化が反映された結果だといえるでしょう。
「世界一多い」と「世界最大」はまったく別の話
ピラミッドに関する話題では、「世界一」という言葉がよく使われます。
しかし、「世界一多い」「世界最大」「世界一高い」は、それぞれ意味が異なります。
例えば、現在確認されている数が最も多い国はスーダンです。
一方で、世界的に最も有名なギザの大ピラミッドはエジプトにあり、古代最大級の石造建築として知られています。
さらに、「世界最大のピラミッド」はエジプトではなく、メキシコにあるチョルーラの大ピラミッドを指すことがあります。
これは底辺の広さや体積で比較した場合の話であり、高さとは別の基準です。
このように、「世界一」という言葉だけを見ると誤解しやすいため、「何が世界一なのか」を確認することが大切です。
よくある質問
ピラミッドが一番多い国はどこですか?
現在確認されている数では、スーダンが世界で最も多い国とされています。
エジプトより本当に多いのでしょうか?
はい。確認されているピラミッドの数では、スーダンは約200~255基以上、エジプトは約120~138基とされており、スーダンの方が多いと考えられています。
なぜ数字が資料によって違うのですか?
発掘調査が進んでいることに加え、「どこまでをピラミッドとして数えるか」という定義が研究機関によって異なるためです。
スーダンのピラミッドは世界遺産ですか?
メロエ島の考古遺跡群は世界遺産に登録されています。現在も保存や研究が進められている貴重な文化遺産です。
今後、ピラミッドの数は変わる可能性がありますか?
あります。新たな発掘や調査技術の進歩によって未確認だった遺構が見つかれば、確認数が増える可能性があります。
まとめ
「ピラミッドが一番多い国」と聞くと、エジプトを思い浮かべる人は少なくありません。
しかし、現在の研究では、最も多くのピラミッドが確認されている国はスーダンとされています。
その背景には、古代クシュ王国が王や王族の墓として数多くのピラミッドを築いた歴史がありました。
エジプトのピラミッドは壮大な規模で世界中の人々を魅了しています。
一方、スーダンのピラミッドは数の多さや独自の建築様式という、また違った魅力を持っています。
「ピラミッドといえばエジプト」という常識は間違いではありませんが、
「最も多い国はスーダン」という事実を知ると、古代文明の奥深さがより身近に感じられるのではないでしょうか。
ではでは(^ω^)ノシ
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