富士山を見ていて、不思議に思ったことはないでしょうか。
日本一高い山なのに、周囲に“大きな川”がほとんど見当たりません。
山といえば、雪解け水が流れ込み、長い川になるもの。ところが富士山では、その当たり前があまり当てはまらないのです。
実は富士山に降った雨や雪の多くは、地表を流れず、そのまま地下へ消えていきます。
「富士山には川がない」と言われる理由は、山の内部に“巨大なスポンジ”のような構造があるからだと考えられています。
富士山の地面は“水を飲み込む山”だった
普通の山では、雨が降ると水が地表を流れ、やがて川になります。
しかし富士山では、その水がほとんど地面に吸い込まれてしまいます。
理由は、富士山が火山だからです。
富士山の山体は、溶岩や火山灰、スコリアと呼ばれる火山石でできています。スコリアとは、穴がたくさん空いた軽石のような石です。
この地層は非常にすき間が多く、水を通しやすい特徴があります。
多孔質な石→表面や内部に目に見えないほどの微細な穴(気孔)が無数に開いている石の総称
この小さな穴が水を飲み込んでしまいスポンジのようなっている。
だからドンドン水が地下へ流れていき、ろ過されて美味しい湧き水になって周辺から流れている。
つまり富士山は、表面を水が流れる山というより、“内部に水をため込む山”なのです。
実際、降った雨や雪解け水は地面へしみ込み、地下深くへ流れていくとされています。
山なのに川が少ないのは、水が存在しないからではなく、水が「見えない場所」を流れているからなのです。
富士山の周りには山中湖、河口湖、西湖、精進湖、本栖湖とあり山の麓に湖や川があるという感じです。
きれいな円すい形が、逆に川を作りにくい
富士山は「美しい山」の象徴として知られています。
あの左右対称に近い円すい形は、世界的にも珍しいほど整っています。
ただ、この形こそが、川を作りにくい理由のひとつでもあります。
一般的な山には、谷やくぼ地があります。そこへ雨水が集まり、やがて一本の川になります。
ところが富士山は斜面が均一で、水が特定の場所に集まりにくい構造です。
つまり、
「水がしみ込みやすい」
そして
「水が集まりにくい」
この二つが重なることで、地表に大きな川ができにくくなっているわけです。
富士山に“川がない”という現象は、火山と地形の特徴が偶然重なって生まれたものとも言えそうです。
実は富士山の水は“地下の川”になっている
では、地面に消えた大量の水は、どこへ行くのでしょうか。
答えは、地下です。
富士山にしみ込んだ水は、長い年月をかけて地下を移動し、山のふもとで湧き水として現れます。
その代表例が、白糸の滝や忍野八海です。
特に忍野八海の水は、富士山に降った雨や雪が、何十年も地下を通った末に湧き出たものだとされています。
つまり富士山では、
「地表の川」ではなく、
「地下の川」が発達している
と考えると分かりやすいかもしれません。
ここが、他の山との大きな違いです。
しかも地下を通る間に自然にろ過されるため、富士山周辺には名水スポットが数多く存在します。
“川がない山”なのに、“水の名所”が多いのは、少し不思議な話です。
「富士山には川がない」は半分本当で半分違う
ただし、「富士山にまったく川がない」というわけではありません。
実際には、沢や小さな水路は数多く存在します。
しかし、その多くは普段水が流れていない「水無川」です。
大雨や雪解けの時だけ、一時的に川のようになる場所もあります。
中には「幻の川」と呼ばれるものもあり、天候によって突然現れることもあるそうです。
つまり富士山は、
- 常に水が流れる川が少ない
- 代わりに地下水が非常に豊富
という、かなり特殊な山なのです。
私たちは普段、「川がある=水が豊富」と考えがちです。
しかし富士山は、その常識が当てはまらない珍しい存在なのかもしれません。
富士山は“見えない水”の山だった
富士山に大きな川が少ないのは、水が不足しているからではありません。
火山特有の地面が水を吸い込み、その水が地下をゆっくり流れているためです。
だからこそ富士山の周辺では、美しい湧き水や滝が数多く生まれました。
山を流れる川は見えなくても、富士山の内部では、今も静かに大量の水が動き続けているのかもしれません。
富士山って思った以上に特殊な山なんですね
ではでは(^ω^)ノシ
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