みなさんのまわりにも「佐藤さん」ってきっと何人かいますよね。
実は、日本でいちばん多い苗字が「佐藤」なんです。
今回は「どうしてそんなに佐藤さんが多いのか？」を歴史をたどりながらわかりやすくまとめてみました！
日本に多い苗字ランキングを見ると
東日本
１位：鈴木さん
２位：佐藤さん
３位：高橋さん
４位：渡辺さん
５位：伊藤さん
西日本
１位：田中さん
２位：山本さん
３位：中村さん
４位：井上さん
５位：松本さん
となるそうです。
佐藤という苗字は由緒正しい藤がついているのにめちゃくちゃ多い
全国に
佐藤さん 約200万人
鈴木さん 約180万人
高橋さん 約150万人
これは少し疑問がありますよね
そもそも昔の庶民には苗字がなかった？
まず知っておきたいのが、江戸時代まで庶民は苗字を持っていなかったということ。
苗字を名乗れるのは武士や公家など、特別な立場の人たちだけでした。
農民や町人は、ふだんの生活では名前（例：「喜兵衛」みたいな）だけで十分だったんですね。
近年の研究だと苗字は持っていたけど公称、つまり公文書とかには書けないけど苗字があった人はいた
一部の人ですが、だから無かったと言い切れない感じ
だけど、大部分の庶民は苗字がなかった。
明治時代にみんな苗字を持たされる！
時代は明治へ。
新しい国づくりのために、政府は「国民みんなに戸籍を作らせよう！」と考えました。
でも名前だけじゃ管理しにくい。
そこで、**明治3年（1870年）に「平民苗字許可令」**というおふれが出されて、
「庶民も苗字を名乗っていいよ！」と自由に許可されました。
ところが──
ふだん苗字を使ったことがない人たちは、
「え？ どんな苗字にすればいいの？？」と大混乱。
だから、ほとんど普及しなかったんです。
仕方なく、明治8年（1875年）には「平民苗字必称義務令」が出され、
今度は「絶対に苗字を持て！」と義務化されました。
苗字の例として「佐藤」や「鈴木」が挙げられた説
苗字を強制されたものの、
「どうしても思いつかない」という人たちのために、
役所では「こんな苗字があるよ」と例を示しました。
そのときに挙げられたとされるのが、
佐藤、鈴木、高橋、田中、渡辺など、
今でも超メジャーな名字たち。
つまり、
「例に出されたから、じゃあこれにしよう」と選ぶ人が大量発生！
これが、「佐藤さんが多い理由」のひとつとされています。
（この話は公式文書に残ってはいないですが、伝聞として広く知られています。）
テンプレート通りに書いてしまうのは割とあるある行動なので理解できますね
「佐藤」という名前のルーツもカッコいい！
さらに、「佐藤」という苗字そのものにも由緒があります。
「藤」は、平安時代に超絶権力をふるった藤原氏から。
「佐」は「助ける」という意味があり、官職や地名（例：佐渡国）にも使われていた字。
つまり、藤原氏の末裔っぽくてカッコいい＆ありがたい響きを持っているため、
自ら進んで「佐藤」を名乗った人も多かったと考えられます。
また、東北地方には奥州藤原氏の影響もあり、
東北～北関東では特に「佐藤さん」が多い地域になっています。
「佐藤」という苗字のルーツをもっと深掘り！
「佐藤」という苗字は、ただ役所の例として出されただけではありません。
実は、日本の歴史の中でもトップクラスに由緒正しい名前なんです！
ポイントはこの2つ。
1. 「藤」は藤原氏を意味する
まず注目したいのが「藤」という字。
これは、平安時代に超巨大勢力だった「藤原氏」に由来しています。
藤原氏は、政治の実権をほぼ独占し、天皇の外戚（親戚）として日本を裏から支配していたスーパー一族。
日本史の教科書にも必ず出てきますよね。
この藤原氏の末裔（または藤原氏に仕えた家来たち）が、全国各地に広がる中で
「藤」の字を使った苗字をたくさん作りました。
たとえば──
斎藤（斎部氏＋藤原氏）
加藤（加賀＋藤）
伊藤（伊勢＋藤）
武藤（武蔵＋藤）
などなど。
「○藤」スタイルの苗字は、全部「藤原氏とのつながりアピール」だったんですね。
「藤」の字を使うことで、「自分は由緒ある家系だよ！」と示していたわけです。
つまり、「佐藤」も藤原一族の系譜に連なる、歴史ある苗字なんです！
「佐藤」と名字を初めて名乗ったのは藤原一族の藤原公清（ふじわらのきみきよ）
平安時代後期から鎌倉時代前期を生きた人物、当時は藤原を名乗る人が多くて別の苗字を名乗る事にしたのが始まりとか
2. 「佐」の意味と由来
次に「佐」ですが、これは単なる地名や音合わせではありません。
「佐」には
「助ける」「補佐する」という意味
古代の官職名や地名（例：佐渡国）にも使われた字
などの重要な役割がありました。
古代日本では、地方の役人に「佐」を冠した官職名が与えられることもありました。
つまり、支える者・サポートする者という尊いイメージがこもっていたんです。
特に有名なのが佐渡国（さどのくに）。
佐藤姓の一部は、この「佐渡国」出身をルーツに持つとも言われています。
3. 具体的な起源人物もいる
さらに、伝説レベルの話ですが、
藤原秀郷（ふじわらのひでさと）という平安時代の武将（有名な俵藤太＝たわらのとうた）をルーツとする佐藤氏族もいます。
藤原秀郷の子孫が、
「佐野」という地名（今の栃木県佐野市あたり）にちなんで「佐藤」を名乗った、
という系譜伝承もあります。
つまり、
藤原氏の血筋
佐野や佐渡など地名由来
官職のイメージ（支える者）
これらが重なってできたのが「佐藤」なのです。
カンタンに作られた名字じゃなくて、
貴族的で、地に足ついた、そして誇り高い名前だったんですね。
こういう経緯があって佐藤は生まれました
明治時代に苗字を作らないといけなくなったとき、
そんな歴史的バックボーンを持つ「佐藤」という名前は、
「これならカッコいいし間違いない！」と多くの人に選ばれたのも納得です。
現代でも、佐藤さんを見かけたら、
「あなたの苗字、めっちゃ由緒あるんですよ」と、ぜひ伝えてあげてくださいね！
まとめ
日本に佐藤さんが多い理由は、
明治時代に苗字が義務化された
苗字の例として「佐藤」が紹介された
ルーツがカッコよくて人気だった
という歴史の積み重ねによるものだったんですね！
次に「佐藤さん」に出会ったら、
「実はあなたの苗字、めちゃくちゃ由緒正しいんですよ！」
なんて話してみると、ちょっと盛り上がるかもしれません
ではでは（＾ω＾）ノシ
