教会のステンドグラスを見ると、「綺麗だから飾っているんだろう」と思ってしまいます。
ですが実際には、あの色付きの窓にはもっと重要な役割がありました。
中世の教会にとってステンドグラスは、単なる装飾ではなく、“神の存在を感じさせるための装置”だったと考えられています。
しかも当時の人々にとっては、今の映画館やプロジェクションマッピングに近いほど強烈な体験だったようです。
教会のステンドグラスは「聖書」を伝えるために作られた
現在では、教会のステンドグラスは芸術作品として見られることが多くなっています。
しかし中世ヨーロッパでは、もっと実用的な意味がありました。
当時は文字を読めない人が非常に多く、聖書の内容を文章で理解できない人も珍しくなかったのです。
そこで使われたのが、絵としてのステンドグラスでした。
窓には、
- キリストの誕生
- 天使
- 聖人
- 十字架
- 天国や地獄
などが描かれ、人々は光に照らされた絵を見ることで宗教の教えを学んでいたとされています。
つまりステンドグラスは、「読むためのもの」ではなく「見る聖書」だったわけです。
文字が読めない人に聖書の内容を伝えるために窓ガラスに色をつけて絵を描き理解しやすくしたものというわけですね
昔のヨーロッパは我々が思っている以上に字が読めない人が多かった
調べた範囲だと15世紀で識字率が約3割だったというからステンドグラスとか宗教画が流行るのも頷ける。
なぜ普通の窓ではなく、わざわざ色付きガラスなのか
ここが面白い部分です。
単に絵を見せるだけなら、壁画でもよかったはずです。
それでも教会がステンドグラスにこだわった理由は、“光”にありました。
中世ヨーロッパでは、光は神聖なものと考えられていました。
特に教会へ差し込む光は、「神が降りてくる象徴」として扱われていたようです。
そこに赤や青の色が加わることで、教会内部は現実とは違う空間に変わります。
薄暗い建物の中で、色付きの光だけが静かに広がる。
今なら演出だと分かりますが、当時の人々にとっては本当に“神秘的な体験”だったのでしょう。
青色のステンドグラスが多いのはなぜ?
教会のステンドグラスを見ると、青色が目立つことがあります。
これにも理由があります。
キリスト教では青が、
- 天国
- 神聖
- 純潔
- 聖母マリア
を象徴する色だったからです。
特に聖母マリアは青い衣で描かれることが多く、青は神に近い色として扱われていました。
さらに昔の青いガラスは非常に高価でした。
特殊な材料を使わなければ美しい青は出せなかったため、青色を大量に使える教会は、それだけ豊かで力を持っていたとも考えられています。
つまり青いステンドグラスには、「信仰」と「権威」の両方が込められていたわけです。
ちなみに赤色は中世ヨーロッパにおいて権力、富、高貴さを象徴する支配階級の色として扱われていたりします。
教会の中が暗いのも、実は計算だった
教会の内部は、少し薄暗い印象があります。
これは昔の照明事情だけが理由ではありません。
暗い空間にすることで、ステンドグラスから差し込む光を際立たせていたのです。
たとえば昼間でも、映画館の中が暗いとスクリーンが強く見えます。
それと同じように、教会も「光を見せるための空間」として設計されていました。
特にゴシック建築の大聖堂では、高い天井と巨大な窓を組み合わせることで、まるで天から光が降りてくるような演出が行われていました。
現代人から見ると宗教建築ですが、当時としては最先端の“空間演出技術”だったのかもしれません。
丸い「バラ窓」にも意味がある
教会で見かける大きな丸いステンドグラスは、「バラ窓」と呼ばれています。
あの丸い形には、
- 永遠
- 完全
- 神の世界
といった意味が込められているとされています。
また、中心から光が広がるデザインは、「神の光が世界へ届く様子」を表現しているとも考えられています。
ただ綺麗な模様に見える窓にも、実は宗教的な意味が隠されていたわけです。
しかも当時の人々は、今よりずっと暗い生活をしていました。
だからこそ、色付きの光が差し込む教会は、現代人が想像する以上に幻想的な場所だったのでしょう。
教会のステンドグラスは、単なる装飾ではありません。
そこには、「人に神を感じさせたい」という中世の人々の工夫と願いが詰まっていたのです。
ではでは(^ω^)ノシ
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