童子切安綱の逸話って気になりますね
刀剣乱舞やFGOなどのソシャゲでも目にする有名な刀です。
天下五剣と言われるだけの逸話があるのでしょうか?
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■ 概要
- 種別:太刀(たち)
- 長さ:約80 cm(刃長)
- 反り:腰反り、反りの高さは2.7cm
- 作者:伯耆(ほうき)安綱(平安時代中期の刀工)
- 時代:平安時代(10世紀末~11世紀初頭)
- 現存状況:国宝。東京国立博物館所蔵。
■ 名の由来:酒呑童子(しゅてんどうじ)伝説
この刀が「童子切」と呼ばれる理由は、有名な源頼光(みなもとのよりみつ)による鬼退治伝説にあります。
◎ 伝説の内容(超要約):
- 平安時代、京都の大江山に棲む鬼「酒呑童子」が都の娘たちをさらっていた。
- 源頼光とその家臣(四天王)は、天皇の命を受けて鬼退治に出発。
- 山伏に変装して山中へ入り、鬼に酒を飲ませて酔わせる。
- 鬼が寝た隙に、頼光がこの太刀で首を一刀両断。
- このとき使われたとされる刀が「童子切安綱」だと伝えられている。
※ この伝説は後世に脚色された説話ですが、刀の名声を高めた大きな要因です。
慶應義塾大学図書館所蔵の『しゆてんとうし』に収録されている『太平記』は、童子切安綱に関する逸話が記されている原典の一つと考えられます。
『太平記』は南北朝時代の軍記物語で、室町時代に成立したとされています。
この作品には、源頼光が大江山の酒呑童子を討伐する際に用いた刀として、童子切安綱が登場します。
この逸話は、童子切安綱の名刀としての評価や伝説の源流となっており、後世の刀剣書や文学作品にも影響を与えています。
慶應義塾大学図書館が所蔵する『しゆてんとうし』は、江戸時代に刊行された往来物の一種で、教育や教訓を目的とした読み物です。
この中に収録されている『太平記』の一部には、童子切安綱に関する逸話が含まれています。
しかし、この逸話は室町時代に創作されたもので実際に鬼を斬ったのかは不明です。
■ 刀工「安綱」について
- 伯耆国(現在の鳥取県)を代表する刀工で、平安時代の古刀の名匠。
- 現存する安綱の刀は非常に少なく、童子切はその中でも最高傑作とされる。
■ 刀としての特徴
- 反りが浅く、幅が広い典型的な平安時代の大太刀。
- 古刀ながら保存状態が良く、力強さと気品を兼ね備えた姿。
- 刃文(はもん)は直刃(すぐは)を基調にした落ち着いた仕上がりで、荘厳な雰囲気を醸し出している。
■ 所有の歴史
- 伝説上は源頼光が所持。
- 実際の記録上は、室町幕府~戦国大名~徳川家と権力者の手に渡る。
- 江戸時代には徳川将軍家の重宝とされ、のちに越前松平家(福井藩)に伝来。
- 明治時代に皇室に献上され、現在は東京国立博物館で所蔵・展示。
室町幕府が所有していたが後に豊臣秀吉の手にわたり
江戸時代では徳川将軍家の所有になった。
徳川秀忠の娘である勝姫が輿入れの際に与えられ松平家に伝わりました。
明治時代に天皇家へ献上され現在は東京国立博物館に所蔵されているというわけです。
■ 現在の評価
- 「天下五剣」の筆頭格。
- 日本刀の芸術性・歴史性・伝説性をすべて備えており、「日本刀の王」とも言われる。
- 多くの刀剣ファンにとって、まさに「神格化された名刀」。
■ 関連展示・文化
- 定期的に東京国立博物館で展示されることがある(※展示期間は要確認)。
- 刀剣乱舞などのメディアにも登場しており、現代の刀剣ファンにも親しまれている。
まとめ
特徴 | 内容 |
---|---|
作刀者 | 伯耆安綱(古刀の名工) |
名の由来 | 酒呑童子退治の伝説 |
歴史的価値 | 皇室御物を経て国宝に指定 |
芸術的価値 | 平安時代の大太刀の最高峰 |
現在の所蔵場所 | 東京国立博物館 |
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