運動会や遠足の前夜、軒先にぶら下がる白い人形――てるてる坊主。
単なる子どもの手作りアイテムだと思っていませんか?実は由来には複数の説があり、中国の紙人形伝承や日本古来の祈雨・祓の儀礼、江戸時代の庶民文化などが複雑に絡み合っています。
この記事では「どの説が根拠があるのか」を意識しつつ、代表的な説を整理して紹介します。
1)代表的な由来説をざっくり3つに分ける
結論を先に言うと、有力な説明は次の3つが複合して現在の形になった可能性が高いです。
- 中国由来説(掃晴娘):雲を掃う女の子の切り絵/人形を吊るして晴れを祈る風習があるという話。
- 日本内部昇華説(祈雨・ヒトガタ):日本に古くからあった祈雨儀礼や穢れを払うヒトガタ(人形)文化の流れ。
- 江戸期の庶民化モデル:江戸時代に「照る照る法師/坊主」として庶民の間で広がり、童謡などで現在のイメージが定着。
どれか一つだけで説明するのは難しく、複数の要素が結びついている——というのが今の学術的な印象です。
どれもありそうで困る、元々日本では人形を使う風習があるし人形供養なんて風習もある。
こういう複数の説が出る時ってだいたいが同時発生しているというか順番がよく分からない事が多いですよね
2)中国の「掃晴娘(そうせいじょう)」説
中国の伝承に「雲を掃う少女(紙人形)」という話があり、長雨のときに紙製の人形を用いて晴天を願う風習があったとされます。
形や意味合いが似ているため、こうした風習が日本に伝わりローカライズされたのではないか、というのがこの説の骨子です。
ポイント:
- 「最初は女の子の人形だった」という説明が散見される。
- 直接的な文献での因果関係が決定的に示されているわけではなく、伝承・比較文化レベルの説である点に注意。
3)日本内部の祈雨・ヒトガタ説(民俗学的見地)
民俗学では、てるてる坊主は「ヒトガタ(人形)を用いた祓(はらえ)や晴天祈願の一断片」と見ることができます。
たとえば民俗学者の研究では、天候をめぐる祈祷や穢れを移す儀礼が古くから存在し、てるてる坊主はその“簡易版”として市井(しせい)に残った可能性が論じられています。
ポイント:
- 学術研究は「子どもの遊び」と片付けず、宗教的・儀礼的な背景を重視する。
- この観点だと「中国からの単純な伝来」だけでは説明しきれない地域差や機能の変化を説明しやすい。
日本の文化にマッチしているというか普通にありそうな話ですね。
4)江戸時代の庶民化モデル ― 名前と形の変遷
江戸時代には「照る照る法師」「てりてり坊主」「日和坊主」といった呼び名が記録され、庶民の間で既に広く行われていた痕跡が見られます。
大正期に童謡「てるてる坊主」が広まったことで、現代のイメージ(丸い頭に白い布で吊るす形)がより一般化しました。
ポイント:
- 浮世絵や江戸期の文献に名称の変化の痕跡がある。
- 文化的な普及・定着は江戸以降、と考えると辻褄が合う。
名前が統一されていないのが少しリアルに感じさせてくれますね
5)“ちょっと怖い”由来――僧侶の首の話と童謡の歌詞
ネットやローカルな語りではよく、「雨を止めようとした僧侶が処罰され、その首を吊るしたら晴れた」という物騒な伝承が取り上げられます。
童謡の歌詞(3番)にある「それでも曇って泣いたなら そなたの首をチョンと切るぞ〜」という一節と結びつけて解釈されることが多いです。
注意点:
- 面白い話ではあるが、学術的裏付けは薄く、民間伝承レベル。童謡の歌詞自体も後世に加えられた部分があるなど、歌と伝承の結びつきをそのまま歴史的事実と見るのは危険です。
6)現代のてるてる坊主 ― 子どもの遊びから地域行事へ
今日では運動会・遠足・受験などの「晴れてほしいイベント」の前に子どもが作るおまじないとして定着しています。
地域によっては作り方や吊るし方に言い伝えが残っていることもあり、伝承がローカルに残っている良い例です。
作り方のポイント(軽く):
- 白い紙や布で頭を作り、紐で吊るす。顔を描く場合は目鼻だけのシンプルなものが一般的。
- 地域によっては供養・処分の仕方(感謝して燃やす・神社に納める等)を大事にするところもあります。
7)まとめ:結局、どれが“正しい”?
短く言えば「一本化できない」のが現状です。
- 中国の影響(掃晴娘)は可能性として有力だが直接的証拠は限定的。
- 日本内部の祈雨・ヒトガタ文化は民俗学的に十分な説明力があり、これが大きな部分を占めるという見方が強い。
- 江戸時代以降の普及で現在の形・名前が定着した――この“合体モデル”が最も説得力があります。
似たようなものが統合されて今のてるてる坊主になったというのが正解な気がします。
新たな文献があれば良いのですか、例えば宮中行事の祭具が元ネタみたいな証拠が出ない限りは複数の説が影響しあったというのが正しい
8)おまけ:短いコラム — 作り方と処分のマナー
作り方:白いハンカチかティッシュで頭を包み、紐で結ぶ。顔はペンでシンプルに。
吊るし方:軒先にぶら下げるのが普通(風で飛ばないよう注意)。
処分:感謝して焼く、あるいは土に埋めるなど「供養」を意識する地域も。乱暴に捨てるのは避けた方が無難です。
とは言えそんな風に処分した事がないので普通にゴミ箱で大丈夫だと思います。
ではでは(^ω^)ノシ
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