道具の雑学

【起源をひもとく】アロハシャツはどうやって生まれたのか — 多文化が織りなすハワイの服

アロハシャツってただの派手シャツじゃない

夏になると必ず見るアロハシャツ。

 

 

観光客のお土産、リゾートの定番、あるいは「ちょっとダサ可愛い」ファッションアイテム――

そうしたイメージは強いけれど、アロハシャツ自体は「一つの伝統から生まれた服」ではありません

 

 

ハワイに渡った移民たちの文化、労働着としての実用性、観光産業の需要が重なって成立した、いわば「混成文化の産物」です。


アロハシャツの起源は日本移民の着物リメイク

ハワイに移住した日本人移民が、着物を「パラカ」と呼ばれるヨーロッパの船員が着ていたシャツの形に仕立て直したことが始まりです。

1930年代に、日系人や中国系の仕立て屋がさらにアロハシャツを盛んに製造し、1935年に初めて「アロハシャツ」という名称の広告が出ました。 

  • 和服(浴衣)生地の再利用
    日本から移住した人々が持ち込んだ着物や浴衣。古くなった布を捨てずに再利用して、子ども服や簡易なシャツに仕立て直した記録が残っています。柄や色遣いに和風モチーフが見られるのはこのためです。
  • パラカ(Palaka)/作業着の流れ
    プランテーション(農園)で働くための実用的なシャツ、いわゆるパラカは、もともとヨーロッパ系の船員や作業着の影響を受けたチェック柄の木綿シャツ。一見地味だけど、開襟でゆったりした形はハワイの気候に合いました。これがアロハの形の原型になったという説があります。
  • 呉服屋・仕立屋の“商品化”
    ホノルルの呉服屋や洋品店が、和服布や当時の素材を使って開襟シャツを仕立てて販売し、1930年代には「Aloha Shirt」という名称で広告に登場します。こうして「土着の実用品」から「売れる商品」へと変化しました。

 

日本の移民が浴衣や着物をリメイクしてシャツに仕立て直したのが起源の一つと言えます。

このデザインに目をつけた洋品店がアロハシャツを作り始めたというわけです。

日本人の完全オリジナルというよりは日本の着物リメイクでシャツを作ったという感じですね

 


代表的な人物・ブランド(押さえておきたい名前)

  • Musashiya(ムサシヤ商店):和服布で仕立てた開襟シャツを販売し、「Aloha Shirts」の語が使われた最古級の広告例があるとされる店舗。
  • Ellery Chun(エラリー・チャン):ホノルルでシャツの商業化を推し進めた人物。アロハシャツを商標登録したという記録も伝わります。
  • Kahala(カハラ)ほか早期メーカー:1930〜40年代から生産を行い、戦後の普及期に重要な役割を果たしたブランドも存在します。

(上の名称は出典資料で繰り返し挙げられる代表例で、学術的に「唯一の創始者」と確定するものではありません)

 

 


年表で見る「アロハ化」の流れ(簡潔)

  • 19世紀末〜20世紀初頭:日本などからの移民が増加。着物や浴衣がハワイへ持ち込まれる。
  • 初期(〜1920s):パラカなどの作業着が普及。和服布の再利用が進む。
  • 1930年代:呉服屋・仕立屋が和服地を使った開襟シャツを商品化。新聞広告に「Aloha Shirt」の文言が登場。
  • 1940s〜戦後:素材(レーヨン等)の多様化と観光客の増加により、デザイン・流通が拡大。
  • 1950s以降:アメリカ本土や世界へ広がり、ハワイの象徴的なファッションとして定着。

 

 


なぜ「複数起源」が自然な結論なのか — 3つの理由

  1. 移民社会の混交:日本・中国・フィリピン・欧米系など、多様な背景を持つ人々が同じ社会で衣服文化を持ち寄った。
  2. 実用性の要求:暑い気候、労働着としての耐久性と動きやすさが先にあり、見た目は後から派手になっていった。
  3. 観光という外的要因:観光客や戦後の市場需要が「派手で南国らしい」デザインを促した。つまり、需要がデザインを育てた面が強い。

 

 

 

デザインの変遷:和柄 → トロピカルプリントへ

初期は和柄(桜、竹、幾何学模様など)をそのまま使った例が多く見られますが、徐々にハイビスカス、パームツリー、海の風景など「ハワイ的モチーフ」が主流になります。

素材面でも、着物の生地(綿・絹)からプリントしやすいレーヨンへ移行したことが大量生産と多様な色柄を可能にしました。

 

最初は日本的な和柄を使っていたけど自分たちで生地を作るようになったから南国の柄になったというわけ

という事は古いアロハシャツは桜の花とかの和柄

 

 


ちょっとした豆知識

  • 「アロハ」は挨拶・愛情・平和の意味を持つ言葉で、シャツに名付けられたことで単なる服以上の文化的意味合いが付与されました。
  • 初期のアロハは観光客向けのお土産としても重宝され、駐留兵や旅行者が本土に持ち帰ったことで認知が広がったというエピソードが多く残っています。

「アロハ(Aloha)」は何語?

ハワイ語(ʻŌlelo Hawaiʻi)です。

ハワイ語の “Aloha” には、実はたくさんの意味が込められています。

Aloha の主な意味

  • こんにちは(Hello)

  • さようなら(Goodbye)

  • 愛 / 愛情(Love)

  • 思いやり(Compassion)

  • 親切心(Kindness)

英語圏でも普通に「Aローハ!」と挨拶しますが、
元はハワイ先住民の言語から来ています。

 

 

まとめ — アロハシャツは“物語る服”

アロハシャツは「誰がいつ発明した」という単純な発明物ではなく、人の移動、気候、産業、観光、素材技術が重なって生まれた服です。

だからこそ一枚のシャツから、ハワイの社会史や移民の暮らし、観光の変化まで読み取れる。

ファッションとして楽しむと同時に、その背景にある人々の物語にも思いをはせてみてください。

 

ではでは(^ω^)ノシ

この記事もおすすめ

tシャツが汗臭いどうすればいいの?重曹を使えば良いって本当?他の方法は?

 

驚きの収納力!米軍式Tシャツのたたみ方で衣替えをスッキリ解決

 

Yシャツの袖まくりガイド — 作業時もおしゃれも両立

 

 

 

管理人の著書

ブログ検索

-道具の雑学
-