乗り物の雑学

タクシーの自動ドアはいつから? — 起源・普及の流れと「誰が最初か」の事情

日本のタクシーといえば、後部ドアが自動で開閉する風景を思い浮かべる人が多いはずです。

しかし「いつ頃から自動ドアが当たり前になったのか」「どの会社が最初に導入したのか」は、はっきりとした一本の答えが残っていません。

この記事では、調べて分かったことを整理し、「確かなこと」と「伝承・説」それぞれを分けて解説します。

 


要点(結論を先に)

  • 自動ドアの開発自体は1950年代後半〜1960年代初頭ごろに始まったと考えられる。
  • そして 1964年の東京オリンピックを契機に普及が加速した、というのが複数の解説で示される一般的な流れです。

問題なのはどのタクシー会社が最初に導入したのかが分かっていない事です。

 


年代順の流れ(概観)

 

  1. 1950年代後半〜1960年代初頭
    自動ドア関連の試作やタクシー向けドア開閉装置の開発が始まる。企業の沿革記録や解説でこの時期の研究・試作の記述が見られます。
  2. 1964年 東京オリンピック前後
    海外からの訪日客を迎える「おもてなし」や、需要増に伴う効率化、安全性の観点から、大手を含むタクシー業界で自動ドア採用が増えた。ここが普及のターニングポイントとされています。
  3. オリンピック以降(1970年代〜)
    自動ドアは次第に標準装備に近い形で広がり、自動ドア装置を専門に扱うメーカーが製品化・販売網を拡大していきます。

 


「最初に導入したタクシー会社」は本当に特定できるか?

結論から言うと、学術的・一次資料レベルで“これが最初”と断定できる決定的な記録は見つかりません。ただし、いくつかの有力な「説・伝承」は存在します。

  • 大阪・枚方のトンボ(トンボ交通)説
    地元情報や当該会社の回顧(ブログ等)では、1950〜60年代にトンボ系のタクシー会社が自社で考案・装着したのが起源だとする主張があります。テレビ番組で紹介されたこともあり、地域の“発祥説”として広まっています。とはいえ、新聞一次記事や業界誌の原本で確証が取れたわけではありません。
  • メーカー側の沿革に基づく説(中原特殊精機など)
    自動ドア装置を手がけたメーカーの沿革記録にも「昭和30年代に手動式ドア装置の開発・製造を始めた」といった記述があり、これが普及の背景を裏付けます。メーカー史は有力な手がかりですが、個別タクシー会社の“最初の導入”を確定する一次証拠にはなりにくい面もあります。
  • トーシンテックなどのメーカー説
    タクシー用自動ドアを専門に扱った企業(トーシンテック等)が1959年ごろ創業し、東京オリンピックの頃に商用展開を行った、という説明も見られます。これにより全国的普及が進んだ、という見方です。

 

 

「なぜ」1964年がターニングポイントだったのか

  • 来日する外国人への対応・都市景観としての意識向上(=“おもてなし”の演出)。
  • タクシー需要の拡大に伴う「効率化」や「安全性」への要求(運転手が毎回降りてドアを開け閉めする手間や、乗客が不用意に車道側でドアを開けて事故になる危険の解消)。
  • ドア装置を製品化・販売する企業側の供給体制が整ってきたこと。

外国人と接する機会のない運転手が無用なトラブルを避けるためとお客が増えた事による効率化の結果、生まれた技術というわけですね。

 

 

注意点(情報の信頼性について)

上で挙げた「トンボ説」のような話は、会社の回想や地域伝承、特集記事ベースの情報が多く、当時の新聞記事や業界公式誌(一次資料)での裏取りができていない場面が少なくありません。

したがって「最初に導入した会社」を学術的に断定するには、さらに一次資料(古い新聞・業界誌・営業許可関連の公文書等)を当たる必要があります。

 

 

 

もし深掘りしたければ(次の調査候補)

「完全に確定させたい」と思う場合は、以下を当たるのが有効です:

  • 国立国会図書館デジタルコレクション(戦後〜1960年代の新聞・業界誌バックナンバー)で「自動ドア」「トンボタクシー」「ドア開閉装置」等を年代絞りで検索。
  • 地方公文書館(大阪府・枚方市など)でトンボ交通・地域企業史・市史の確認。
  • 全国ハイヤー・タクシー連合会や都道府県タクシー協会の周年誌・会報を照会。
  • 当時の自動車整備・改造に関する公的届出書類(残っている場合)。

 

今回はそこまで調べる事が出来ませんでした。

 


まとめ

タクシーの自動ドアは「誰か一社の一瞬のアイデアで全国に広がった」のではなく、複数の発明・試作・メーカーの製品化・社会的事情(1964年の五輪など)が重なって普及していった。

というのが現時点で最も妥当な整理です。

もし「最初の一歩」を特定する確かな一次資料が見つかったら、この記事はまた更新したいと思います。

 

意外と最近の話(歴史的な意味で)でも情報がなくなってしまう事があるんですね

当時の関係者も相当なお年だろうからインタビューも難しそうだしな~

でもこういう技術の歴史を調べるのは楽しいですね

 

ではでは(^ω^)ノシ

 

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管理人の著書

参考にした主な情報源(概要)

  • 日経スタイル(タクシー自動ドアの普及と五輪との関係を解説)。(style.nikkei.com)
  • 中原特殊精機 会社沿革(自動ドア製品の沿革)。(nakahara-sew.co.jp)
  • NTTカード「タクシーのおもてなし」特集(トンボ説、メーカー創業年等の解説)。(bizportal.ntt-card.com)
  • タクシー解説サイト p-chan(普及理由の解説)。(ピーチャン)
  • 地元・トンボ交通に関する紹介・社内回想(トンボ系の“発祥説”)。(枚方つーしん)

(※上の出典は「説」の裏付け・手がかりとして有用でしたが、「誰が最初に導入したか」を決定づける一次証拠が見つかったわけではない、という点を繰り返しお伝えします。)

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