スペイン・バルセロナの象徴として知られるサグラダ・ファミリア。
その中央の塔は、完成すると高さ172.5mになるとされています。
世界的な大聖堂なのだから、もっと高くしてもよさそうなものです。
それでも、この高さに設定されたのには理由があると考えられています。
実はサグラダ・ファミリアの高さには、宗教的な象徴と建築家アントニ・ガウディの思想が深く関係しています。
人間の建築は「自然」を超えてはいけない
サグラダ・ファミリアを設計した建築家
アントニ・ガウディは、自然を非常に重視した人物として知られています。
ガウディは、建築の理想は自然の中にあると考えていました。
そのため、建物を設計するときも植物や岩の構造を研究していたとされています。
サグラダ・ファミリアの高さを決めるときにも、この思想が影響しました。
バルセロナにはモンジュイックの丘と呼ばれる小高い丘があります。
この丘の標高はおよそ177mほどです。
ガウディは、人間が作る建物が神の創造物である自然を超えてはいけないと考えました。
そこで、教会の塔は丘より少し低い高さに設計されたといわれています。
つまり172.5mという数字は、単なる設計上の偶然ではなく、
「自然への敬意」を表した高さと見ることができます。
中央の塔はキリストを象徴している
サグラダ・ファミリアは、ただの巨大な教会ではありません。
建物全体がキリスト教の象徴として設計されています。
実はこの教会には、完成時に18本の塔が立つ予定です。
それぞれに意味が割り当てられています。
12本はキリストの使徒、4本は福音書を書いた人物、
さらに1本が聖母マリアを表す塔です。
そして最も高い中央の塔が、
イエス・キリストを象徴する塔とされています。
高さの違いは、宗教的な序列を表しているとも解釈されています。
そのため中央の塔だけが、特別に高く設計されているのです。
意外と知られていない「数字の設計ルール」
サグラダ・ファミリアには、建築寸法にも一定の規則があるといわれています。
その基準の一つが、7.5mという単位です。
ガウディは建物の各部分を、この寸法を基準に設計したと考えられています。
中央塔の高さ172.5mも、
実はこの単位の倍数になっています。
こうした設計は、宗教建築でよく見られる象徴的な数の配置とも関係している可能性があります。
単なる巨大建築ではなく、数字にも意味が込められているわけです。
サグラダ・ファミリアは「意味の集合体」とも言われる
サグラダ・ファミリアをよく観察すると、
高さ以外にも象徴的な仕掛けが数多く見つかります。
たとえば受難のファサードには、
どの方向に足しても同じ数字になる魔方陣が彫られています。
その合計は33です。
これはキリストが亡くなったとされる年齢を表していると考えられています。
さらに内部の柱は、木が枝分かれするような形になっています。
これは森の中にいるような空間を作るためのデザインだといわれています。
ガウディは自然を「神の最高の設計」と考えていたため、
教会の内部にも自然の構造を取り入れたのです。
自然への敬意、宗教的象徴、そして数学的な設計。
サグラダ・ファミリアの高さ172.5mには、こうした複数の意味が重なっていると考えられています。
何気なく見上げる塔の高さにも、実は深い思想が隠されているのです。
こういうのを知ると観光がもっと楽しくなりますね
ではでは(^ω^)ノシ
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