お正月の夜にゴーンとどこからともなく聞こえる鐘の音
その歴史と「108回」に込められた意味をわかりやすく解説
大晦日の夜、静かな空気の中に響くお寺の鐘の音。
日本ではこの年越しの風景を「除夜の鐘(じょやのかね)」と呼び、古くから親しまれてきました。
しかし、
- 除夜の鐘はいつから始まったのか
- なぜ大晦日に鐘を鳴らすのか
- なぜ回数は108回なのか
といった点を、きちんと説明できる人は意外と多くありません。
この記事では、除夜の鐘の起源・歴史・意味・現代での在り方までを、まとめてわかりやすく解説します。
除夜の鐘とは何か?
除夜の鐘とは、大晦日(12月31日)の夜から元旦にかけて、寺院で鐘を撞く仏教行事です。
「除夜」とは「旧年を除く夜」という意味で、1年の最後の夜を指します。
多くの寺では、108回鐘を撞き、その音によって
一年の煩悩を払い、清らかな心で新年を迎える
という意味が込められています。
起源は中国の禅宗にある
除夜の鐘のルーツは、日本ではなく中国にあります。
中国の禅宗寺院では、宋の時代(10〜13世紀頃)から、
- 鐘の音で邪気を払う
- 心を落ち着かせ、修行の区切りをつける
といった目的で、夜に鐘を撞く習慣がありました。
この禅宗文化が、鎌倉時代に日本へ伝わったと考えられています。
日本での広がり|鎌倉〜江戸時代
鎌倉時代:禅寺の儀式として
日本に伝来した当初、鐘を撞く習慣は禅宗寺院の内部行事でした。
修行の節目や、時刻を知らせるための鐘が中心で、庶民の年越し行事ではありません。
室町〜江戸時代:年末行事へ
室町時代になると、年の終わりに鐘を撞く行為が年越しの区切りとして意識され始めます。
江戸時代には、寺院が地域社会と密接に関わるようになり、
- 大晦日に鐘が鳴る
- それを聞いて新年を迎える
という風景が、各地で見られるようになりました。
ただし、この時点でも全国共通の行事ではなく、地域差が大きかったとされています。
全国に定着したのは「昭和のメディア」
除夜の鐘が「日本中どこでも大晦日に鳴るもの」になった最大の要因は、昭和時代のラジオ・テレビ放送です。
1920〜30年代、NHKラジオが年越し番組の中で除夜の鐘を放送。
その後、テレビ番組『ゆく年くる年』として定番化し、
大晦日=除夜の鐘
というイメージが全国に広まりました。
つまり、
伝統は古いが、全国的な共通行事として定着したのは比較的新しい
というのが、除夜の鐘の実態です。
なぜ「108回」なのか?
除夜の鐘の最大の疑問が、なぜ108回なのかという点です。
これにはいくつかの説があります。
最も有名な「煩悩説」
仏教では、人間には108の煩悩があると考えられています。
鐘を1回撞くごとに1つの煩悩を払い、すべて撞き終えることで心が清らかになる、という考え方です。
数の算出例(代表的な考え方)
- 六根(目・耳・鼻・舌・身・意)=6
- それぞれに「好き・嫌い・どちらでもない」=3
- 清/不清の2面性
- 過去・現在・未来の3時制
6 × 3 × 2 × 3 = 108
暦に由来する説
- 12か月
- 24節気
- 72候
合計して108になる、という暦的な解釈もあります。
これらはどれも象徴的な説明であり、厳密な「正解」があるわけではありません。
重要なのは、「一年の迷いや執着を手放す」という意味合いです。
鐘はいつ鳴る? 実際の時間帯
一般的な除夜の鐘の時間帯は以下の通りです。
- 23時頃〜翌1時頃
- 旧年中に107回
- 元旦0時を過ぎて最後の1回(108回目)
という形式を取る寺が多く見られます。
最近では、
- 騒音対策
- 高齢者や家族連れへの配慮
から、夕方に「除夕の鐘」として行う寺も増えています。
現代における除夜の鐘の意味
現代では、除夜の鐘は宗教行事であると同時に、
- 一年を振り返る時間
- 気持ちを切り替える区切り
- 年越しを実感する文化的イベント
として受け取られています。
鐘の音を聞きながら、
「今年はこうだったな」「来年はこうしたいな」
と静かに考える時間こそが、除夜の鐘の本質なのかもしれません。
子どもにもわかる!除夜の鐘ってなに?
除夜の鐘(じょやのかね)は、1年のおわりにお寺で鳴らす大きな鐘のことです。
この鐘は、「また来年もがんばろうね」という心のそうじのような役目があります。
どうして鐘を鳴らすの?
人は1年のあいだに、
- イライラしたり
- わがままになったり
- 失敗してくよくよしたり
いろいろな気持ちをためこんでしまいます。
それをまとめて鐘の音でリセットしよう、というのが除夜の鐘です。
なんで108回も鳴らすの?
むかしの人は、人の心には108こ悪い気持ち(煩悩)があると考えました。
たとえば、
- うらやましい
- ほしくてたまらない
- おこりっぽい
こうした気持ちを、鐘を1回鳴らすごとに1つずつ消していく、というイメージです。
いつ鳴るの?
だいたい夜11時ごろから、あけましておめでとうの少しあとまで鳴ります。
「去年の気持ちを終わらせて、新しい年をはじめる音」だと思って聞いてみてください。
除夜の鐘Q&A|よくある疑問に答えます
Q1:除夜の鐘は必ず108回じゃないといけないの?
A:いいえ。108回は伝統的な目安で、寺によって回数が違うこともあります。
大切なのは回数よりも「気持ちを切り替えること」です。
Q2:どうして108回目を0時すぎに鳴らすの?
A:新しい年になってから最後の1回を鳴らすことで、
「すべての煩悩を払い終えた状態で新年を迎える」意味を持たせているからです。
Q3:除夜の鐘は仏教じゃない人でも聞いていいの?
A:もちろん大丈夫です。
除夜の鐘は信仰を強制する行事ではなく、日本の文化行事として開かれています。
Q4:自分で鐘をついてもいいの?
A:多くの寺では、一般の人も順番につくことができます。
ただし、
- 寺のルールを守る
- 静かに行動する
- 撞く回数は1人1回
などのマナーは大切です。
Q5:うるさいって言われることはないの?
A:あります。
そのため最近は、
- 夕方に鳴らす
- 回数を減らす
- 事前に地域へ説明する
といった工夫をしている寺も増えています。
Q6:除夜の鐘を聞かないと縁起が悪い?
A:そんなことはありません。
聞けなくても、1年を振り返って気持ちを切り替えられればOKです。
まとめ|除夜の鐘が今も鳴り続ける理由
- 起源は中国・禅宗の鐘の習慣
- 日本では鎌倉〜江戸時代に徐々に広がった
- 全国的に定着したのは昭和のラジオ・テレビ放送
- 108回には煩悩を払うという象徴的な意味がある
- 現代では心のリセット装置として受け入れられている
毎年当たり前のように聞いている除夜の鐘も、その背景を知ると、
少し違った響きに聞こえてくるはずです。
ではでは(^ω^)ノシ
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