道具の雑学

なぜ消しゴムは「紙のスリーブ」に入っているのか — 理由と実践まとめ

メーカー(トンボ鉛筆など)の説明、「消しゴムが紙のケース(スリーブ)に入っている理由」をわかりやすく書きます。

実体験や注意点、自由研究ネタまで盛り込みました。夏休みのネタにも使えますよ。

 


まず結論:主な理由はこの3つ

  1. 「くっつき・溶け」を防ぐため(可塑剤=軟化剤の移行対策)
    多くのプラスチック系消しゴムは可塑剤(軟化剤)を含みます。この成分は他のプラスチック製品に移動(移行)して、べたつきや溶け・変形を引き起こすことがあります。紙は石油由来のプラスチックと違ってその影響を受けにくいため、スリーブで「絶縁」する役目を果たします。猪口さんも三角定規にくっついて台無しにした実体験を紹介していましたね。
  2. 消しゴム本体の物理的保護
    カバンの中で角が欠ける、端が削れる、汚れる──そうしたダメージを紙スリーブがある程度防ぎます。最近は「スリーブの形状」を工夫して、消している最中に割れにくい設計にした製品も出ています(例:アーチ形状スリーブなど)。
  3. 情報表示・デザイン/使いやすさ
    スリーブにはブランド名や用途(鉛筆用・色鉛筆用など)、材質表示が印刷でき、見た目も整います。スリーブがあることで持ちやすくなるタイプもあります。

 

消しゴムはプラスチックにくっつけておくとベタベタしたり変形してしまう。

定規にくっついたりペン立てが溶けてしまったりする。

更に紙で補強する事で消しゴムが折れるのを防ぐと共に商品名などを印刷する事ができる

 

なんでプラスチック消しゴムがあるのか?

プラスチック製の消しゴムがなぜ生まれたのかというと歴史を紐解いてみましょう

消しゴムが生まれる前に鉛筆の文字を消すのはパンでした。

現代でパンを食パンというのは字を消すパンと区別するため

 

その名残りというわけです。

ですが消しゴムが発明されてからはパンで字を消す事はなくなります。

 

■ プラスチック製消しゴムの歴史

では、そもそも「プラスチック製の消しゴム」っていつから使われるようになったのでしょうか?

  1. ゴム消しゴムの始まり

    • 1770年、イギリスのエドワード・ネアーンが天然ゴムで鉛筆の跡を消せることを発見。

    • 1839年、グッドイヤーが「加硫」という技術を発明し、天然ゴムの耐久性が向上。

    • 1858年には鉛筆に消しゴムを付けるアイデアも登場しました。

ちょっとややこしいのがジョセフ プリーストリーという人物も同じ時期にゴムで字が消せる事に気がついています

エドワード・ネアーンが消しゴムの原型を発明したとされています。

 

 

  1. 合成素材への進化

    • 20世紀前半、天然ゴムの弱点(劣化しやすい・におい・気候変化に弱い)を補うため、合成ゴムやプラスチックが研究されました。

    • 1960年代になると、PVCを使った「プラスチック消しゴム」が普及し始めます。

    • 代表例としては、ドイツ・ステッドラー社の「Mars Plastic Eraser」(1967年発売)が有名です。

  2. 日本での発展

    • 日本のメーカー(トンボ、サクラクレパス、パイロットなど)が学童用・製図用・デザイン用に多様なプラスチック消しゴムを展開。

    • 特に「白くてきれいに消えるビニール消しゴム」が標準となり、世界でも高い評価を受けるようになりました。

明治時代に日本でも鉛筆と消しゴムが使われるようになります。

1886年(明治19年)に東京の町工場・三田土ゴム製造株式会社が消しゴムを作り始め

様々な会社が消しゴムを作り販売し始めます。

 

そんな中、1959年(昭和34年)に日本のシードゴム工業(現:株式会社シード)がより消去性に優れたプラスチック字消しを開発

ポリ塩化ビニルで作られた消しゴムは現代でも主流の消しゴム

 

  1. メリットと課題

    • メリット:白く清潔、消し跡がきれい、長持ち、加工しやすい。

    • 課題:軟化剤によるベタつきや付着、環境負荷(プラスチック廃棄物)。

    • 最近は環境に配慮した素材や、生分解性をもつ新しい消しゴムの研究も進んでいます。

 


もう少しだけ技術的に(簡単に)

  • 可塑剤(軟化剤)移行:プラスチックに柔らかさを与えるための成分が、長時間・高温下で接触相手に移動することがあります。移動先が別のプラスチックだと、そこを柔らかく・ベタつかせたり、融解や変形を起こすことがあるため注意が必要です。
  • 紙の利点:紙は油性の可塑剤と相互作用しにくく、安価で加工しやすいので消しゴムのスリーブとして適しています。ただし「紙だから絶対安全」というわけではなく、紙にコーティング(油性コーティングやラミネート)がある場合は注意が必要です。

日常でできる予防&使い方のコツ

消しゴムを長持ちさせるコツはこんな感じ

  • 消すときは力を入れすぎない:軽くなでるように細かく動かすと消しカスが細かく出て長持ちします。強く擦ると割れや欠けの原因に。猪口さんも同じアドバイスをしています。
  • スリーブは外さず使う:特に長時間持ち歩いたり、プラスチックの定規やケースの上に置く可能性があるならスリーブを付けたまま使うのが安全。
  • 高温を避ける:夏の車内や直射日光の当たる場所に放置すると移行や変形が起きやすくなるので要注意。
  • 消しカスはこまめに捨てる:デスクや引き出しの中の消しカスがプラスチック製品に付着してしまい、あとでベタついてしまうことがあります。定期的に掃除を。
  • スリーブが破れたら交換:スリーブ自体がボロボロだと本体保護の効果が落ちます。気になるなら交換(手持ちの厚紙で簡易スリーブを自作してもOK)。

ちょっと面白い:自由研究(消し比べ)の提案

夏休みの自由研究向けに、簡単で安全にできる“消し比べ”実験案です。

目的:紙スリーブの有無、放置条件(温度・接触物)で消しゴムや接触物(定規など)に変化が出るかを調べる。

用意するもの

  • 同じメーカー・同じ種類の消しゴム数個
  • 紙スリーブ(元のスリーブを使う)
  • プラスチック定規・プラスチックのペン入れの切れ端
  • 厚紙(対照)
  • 透明なジッパー袋(各サンプルを分けて保管)
  • 温度計(あれば)/観察ノート

やり方(安全重視)

  1. 消しゴムAはスリーブありでプラスチック定規と接触させて袋に入れる。
  2. 消しゴムBはスリーブなしで同じくプラスチック定規と接触させて袋に入れる。
  3. 同様に「厚紙と接触」「何も接触させない」のコントロールセットを作る。
  4. 直射日光を避けた普通の室温(+30℃くらいの室内は可)と、暑い(例:車に長時間放置は絶対しない)――過度な加熱はしないでください。
  5. 毎日観察して写真を撮り、べたつき・色変化・変形の有無を記録する(1〜2週間程度)。

期待される観察:スリーブなし+高温条件で「べたつき」や「接触面の変色・柔らかさの変化」が出やすいかもしれません。

結果を表にまとめてグラフ化すると自由研究らしくなります。

※注意:加熱器具を使っての実験はやめましょう。高温での化学変化は危険です。

 

 


スリーブ以外の選択肢

  • プラスチックのハードケース:持ち運び重視なら硬いケースに入れると物理保護は強い。ただしケース内に消しカスが溜まると接触部分で問題が起きることがある。
  • 布ケースやペンケース:柔らかい生地で包むのはある程度の保護になるが、液体や油脂に注意。
  • 紙スリーブ+ハードケース併用:ベストバランス。スリーブで化学的なトラブルを抑えつつ、ハードケースで衝撃から守る。

まとめ

消しゴムの紙スリーブは“化学的な移行対策”+“物理的保護”+“表示・デザイン*という三重の目的を兼ねています。

定規にくっついた・ペン立てが溶けたは、実際に起きうる現象を示す良い実例です。

日常ではスリーブを外さない、過度の摩擦を避ける、消しカスはこまめに捨てる、直射日光・高温を避けるのが実用的な対処法。

自由研究にするなら「消し比べ」は安全で学びが多いテーマです。

 

ではでは(^ω^)ノシ

 

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