科学の雑学

火星の夕日が地球とは逆?

火星の夕日は、地球で見るそれとはまったく違った幻想的な景色を見せてくれます。

火星の夕日が青く見える理由や、光を散乱させる仕組みの違いについて、分かりやすく

 

地球では青空から夕日によって赤い空になりますが

 

火星では夕日のように赤い空から青い夕日が見えるというのだ!

 

火星の夕日が青いのはなぜですか?

地球ではレイリー散乱という現象により青空が生まれます。

しかし火星では全く別の理屈で空の色が決まっています。

 

まず大前提として、火星の大気は地球と比べてとても薄く、圧力にして地球の約1%ほどしかありません。

地球で空が青いのは大気、酸素や窒素などにより光が散乱した結果です。

地球の大気の主な成分は、窒素(約78%)と酸素(約21%)という割合

 

火星には酸素が非常に少ない、96%の二酸化炭素、酸素は0.13%ほどしかない

 

その大気中には酸化鉄を含む赤い砂塵(ダスト)が常に舞っていて、昼間は空全体がほんのり赤褐色に見えます。では、どうして夕方になると青くなるのでしょうか?

 

 

塵によるミー散乱が主役 火星の砂塵は粒径がおよそ1μm前後で、これは可視光の波長(約0.4~0.7μm)と同じくらいのサイズです。

このサイズの粒子が起こすのが「ミー散乱」。ほぼ全ての波長を同じように散乱しますが、前方向への散乱が強いという特徴があります。

赤い光が横や後ろに飛ばされる 夕暮れ時、太陽光は地平線に近い低い角度で長い距離を大気中の砂塵に通過します。

このとき、赤い光(長波長)はミー散乱によって四方八方に散らばり、観測者の目には届きにくくなります。

 

 

青い光が直進して届く 一方で、青い光(短波長)はミー散乱でも比較的直進性が強いため、太陽の位置から直接飛んできやすいのです。

その結果、太陽が沈む直前の太陽円盤は淡いシアンブルーに輝きます。

グラデーションの逆転現象 太陽の周辺は青く、周囲の空は赤褐色…という、地球では見られない逆転グラデーションが楽しめるのも火星夕日の魅力です。

NASAのローバーが撮影した映像でも、沈むにつれて青みが強くなる様子がはっきり捉えられています。

 

レイリー散乱とミー散乱の違いは何ですか?

光の散乱には大きく分けて「レイリー散乱」と「ミー散乱」の二種類があります。

火星の夕日では後者が主役なので、ここで両者のポイントを比較してみましょう。

項目レイリー散乱ミー散乱
粒子の大きさ波長の1/10以下(数ナノメートル程度)波長と同程度~それ以上(数百ナノ~数マイクロ)
波長依存性強い(波長⁻⁴に比例。青い光ほど散乱されやすい)弱い(波長依存がほとんどなく、白っぽく散乱)
散乱の向き比較的均一(やや前後対称)前方散乱優位(光が進む方向に強く散乱)
主な例地球の青空・赤い夕焼け雲・霧・火星の砂塵
見かけ上の現象青空が青く、夕焼けは赤くもやや霞が白っぽく、火星夕日は青く

 

  • レイリー散乱:地球大気中の窒素・酸素分子が散乱源。短波長の青い光を特に強く散乱し、四方に飛ばします。だから昼間の空は青く見え、夕方は長い距離を通過した赤い光だけが残って空を赤く染めるわけです。

  • ミー散乱:雲や霧の水滴、火星の砂塵のように粒子が大きい場合に起こります。ほぼ全波長を同じくらい散乱し、特に光の進行方向への散乱が強いので、白っぽいもやや火星夕日の青みのように“前から来る光”が強調されるんですね。

火星の夕日ではミー散乱によって赤い成分が散らばり尽くし、残った青い光がストレートに届くため、シアンブルーに輝く一瞬を見ることができる。

そんなわけで、火星の夕景は「青い夕焼け」という、まるでSFの世界から抜け出してきたような神秘的な光景になるわけです。

 

星の夕日を初めて観測したのは誰?

火星の夕日を初めて観測したのは、NASA の Viking 1 ランダーです。

 

1976年8月21日、火星の Chryse Planitia 地域に着陸した Viking 1 が、太陽が沈む直前の光景を捉えた最初の画像を地球に送りました。

このときの画像が、人類による火星の夕日初観測とされており、火星の大気や地形の理解につながりました (NASA Science)。

 

 

その後も、以下のように複数の探査機が火星の夕日を撮影しています:

  • Spirit ローバー:2005年5月19日の Gusev クレーターで夕日を捉えた Pancam モザイク画像を撮影し、青みを帯びた空を示しました (NASA Science)。

  • Curiosity ローバー:2015年4月15日(ミッション 956 ソル)、Gale クレーターにてカラーで最初に夕日を撮影。青い夕日のグラデーションが印象的です (NASA, NASA Science, NASA Scientific Visualization Studio)。

 

 


観測の流れをまとめると

探査機日付(火星日/地球日)特徴
Viking 11976年8月21日火星最初の夕日観測、記念すべき初撮影
Spirit2005年5月19日(Sol 489)Pancam による夕景画像、青い光のグローあり
Curiosity2015年4月15日(Sol 956)Mastcam によるカラー夕日、青いハイライト明瞭

✅ 結論

  • 火星の夕日を初めて見たのは、Viking 1 ミッションの着陸機である Viking 1 です

  • その後、多くのローバー(Spirit、Curiosity など)が青い夕日や大気現象をより鮮明に観測し続けています。

もし具体的な画像やタイムラプス映像をご覧になりたければ、NASA の公式ギャラリーやジャーナルをご案内できますので、お知らせください!

 


まとめ

  • 火星大気の薄い二酸化炭素と酸化鉄ダストが、夕暮れの光を青く染める。

  • ミー散乱が赤い光を散乱し、青い光が直進するからこその不思議な夕焼け。

  • 地球とは正反対のグラデーションは、未来の火星探検でも一生心に残りそうな絶景です。

次に火星に行くときは、ぜひこの青い夕日を眺めてみたいですよね!

実際のローバー映像や写真を見てみたい方は、ぜひNASAの公式サイトもチェックしてみてください。

 

 

ではでは(^ω^)ノシ

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