北極の王者・ホッキョクグマは、厳しい寒さと資源の少ない環境をどう生き抜いているのでしょうか。
よく「冬眠するの?」と聞かれますが、答えは「ほとんどの個体はしない。ただし、妊娠中のメスだけは別」です。
本記事では、冬眠の有無、その理由、そして“餌が足りない季節”の過ごし方についてまとめます。
1. ホッキョクグマの冬眠事情
- 非妊娠の個体(オス・非妊娠メス)
本格的な冬眠(体温低下・長期休眠)は行いません。冬でも海氷上でアザラシを狩る機会があるため、活動を続けられるからです 。 - 妊娠中のメスのみ限定的に冬眠
10月頃、雪の中に産穴を掘って巣ごもりし、出産・子育ての間(〜翌春3〜4月)だけ冬眠に近い状態になります 。
2. 冬眠しない理由
- 餌獲得の機会がある
冬の海氷はアザラシ狩りの舞台。脂肪に富む獲物を狙い、体脂肪を蓄える「フィーディングシーズン」を活用できます。 - 高緯度適応の代謝戦略
冬眠をせずとも、代謝を抑えて省エネに切り替える「歩く冬眠(walking hibernation)」戦略を持ちます。体温は維持しつつ、基礎代謝を約30〜40%低下させ、エネルギー消費を抑えます 。 - 長い氷なし期間の出現
気候変動で夏〜秋の海氷減少期間が長くなり、むしろ冬眠して巣穴にこもっている余裕がなく、氷場や獲物を求めて動き続ける必要が生じています 。
ヒグマなどの熊は冬に餌がなくなってしまうため寝て過ごしています。
北極では冬、氷が増えて足場が増え氷の割れ目から顔を出すアザラシを狩りやすくなるためむしろ餌が豊富にある状態
3. 餌が足りない季節(夏〜秋)とその過ごし方
3-1 氷なし期間の到来
- 期間:地域差はあるが、6〜10月頃が海氷不在のピーク。場所によっては最大180日間にも達する。
- 主な原因:地球温暖化による海氷融解の早期化と戻り遅れ 。
足場がないためアザラシが上手く狩れなくなる。
そのため餌が不足してしまうというわけです
これはヒグマやツキノワグマが冬に陥る状況と同じです
しかし、同じように寝る事はできません。
なぜなら氷の足場だからです。
長時間、一つのところで寝ている事はできないのです。
3-2 省エネモードと活動調整
- 代謝抑制でエネルギー消費を抑えつつ、完全休眠にはならず、必要に応じて歩行や泳ぎを継続 。
3-3 代替食の活用
- 陸上資源:ベリー類、鳥の卵、小動物の捕食、打ち上げられた死骸やトナカイの骨・角など。
- 課題:高脂肪食ではないため、捕食コストに見合わず、体重減少を免れません 。
3-4 長距離移動・泳ぎ
- 数十~数百kmの陸上移動や、最大175km以上の長泳を行い、新たな氷場や餌場を探します 。
4. 気候変動がもたらす影響と今後の課題
- 西ハドソン湾では氷なし期間が約3週間延長し、体重減少や繁殖率低下に直結しています 。
- 長期の食糧不足は個体群の維持を揺るがし、地域によっては「生存の限界」に近づきつつあります。
おわりに
ホッキョクグマは「全体として冬眠しない」ものの、賢い省エネ戦略と豊富な行動パターンで過酷な北極環境を乗り越えています。
ただ、気候変動により氷なし期間が延びることで、これまでの適応マニュアルだけでは生き残れない局面も訪れています。
今後も研究を注視し、地球規模での対策と生態系保全が求められます。
ではでは(^ω^)ノシ
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