雷が鳴るたび、つい口にしてしまう魔除けの言葉「くわばら くわばら」。
最近は死語になりつつあるけど、漫画や小説などでは使われたりする言葉です。
今回は兵庫・三田に伝わる民話と、それをモチーフに作られたお菓子「くわばらサブレ」を軸に、由来・伝承・地域文化、さらに菅原道真説まで含めて丁寧にまとめます。
受験シーズンの読み物や旅先の豆知識にどうぞ。
「くわばら くわばら」はもともと落雷除けのおまじない。
言葉の由来は諸説あり、三田・欣勝寺の民話説と菅原道真説がある
三田・欣勝寺の民話では、いたずら好きの雷の子が古井戸に落ち、和尚に助けられて「桑原(くわばら)へは雷を落とさない」と誓ったことがきっかけで、その地には雷が落ちなくなったと伝わります。
一方、平安時代の学者・政治家 菅原道真(すがわらのみちざね) にまつわる説も有力で、「桑原=道真の領地」に雷が落ちなかったという言い伝えが、同じ呪文の起源として語られます。
欣勝寺の「雷坊や」──三田の民話(要約)
約460年前の1556年(弘治2年)のある夏、いたずら好きの雷の子が欣勝寺の古井戸に落ちてしまう。
和尚が最初は叱るが助けると、雷の子は「桑原には雷を落としません」と約束。雷の親もこれを認め、欣勝寺・桑原には雷が落ちなくなった――というお話です。
1980年の「まんが日本昔ばなし」で取り上げられたこともあり、地域で広く知られる伝承となっています。
これが三田側のローカルな起源です。
雷の子がイタズラして和尚様に叱られたという民話、昔話にありがちな話ですね
菅原道真説 — 怨霊と雷、そして「桑原」
「菅原道真説」は、くわばら由来の代表的な説明のひとつで、以下の流れで語られます。
- 菅原道真(845–903年)は平安時代の学者・政治家で、後に無実の罪で九州の大宰府へ左遷された人物。死後、都(平安京)では落雷や怪死が相次ぎ、「道真の祟り(怨霊)」として恐れられました。特に都の御所で落雷が起きた事件などが、この噂を助長しました。
- 人々は道真の怒りを鎮めるため、やがて道真を神(天神)として祀るようになります(北野天満宮・太宰府天満宮など)。一方で、「道真=雷と結びついた恐ろしい霊」というイメージも根強く残りました。
- 伝承では、道真の所領とされる「桑原」という地には雷が落ちなかった、あるいは道真の領地だから雷を落とすなと雷側に通達があった──と語られます。ここから「ここは桑原だから雷よ落ちないでくれ」と唱える習慣が生まれ、「くわばら、くわばら」が雷除けの呪文になった、という説明です。
要点:菅原道真説は、怨霊信仰(祟りを恐れる気持ち)と、地名伝承が結びついて生まれた民間語源の典型例です。
三田の欣勝寺の話とは別系統の説明ですが、人々は地域ごとの「桑原」伝承を混ぜて語ることがあり、結果として複数の由来説が共存しています。
学問の神様としても祀られている菅原道真公ですが祟り神としての一面もある。
祟りを恐れた人々が「ここは貴方様が納めていた桑原の地ですよ、どうか雷を落とさないでくわばらくわばら」と唱えたのが始まりという
この説は結構面白くて民話よりもこっちの方がメジャーな説だと思われる(個人の感想)
くわばらの他の由来(簡単整理)
「くわばら(桑原)」にはいくつかの由来説があり、地域や資料によって語り口が違います。代表的なのは次の4つ。
- 三田・欣勝寺の井戸伝承(雷坊や説)
— 今回メインで扱った、雷の子が井戸に落ち「落とさない」と誓った話。 - 菅原道真説(平安期の怨霊伝承)
— 以下で詳述します。 - 桑(くわ)の木にまつわる説
— 桑の木が雷を避けるという民間信仰から「桑のある原=桑原」を唱えることで雷を遠ざけるという説。 - 語源の異文化混淆説
— サンスクリット系や仏教用語が訛って「くわばら」になった、という学説的な異説もある(地域差あり)。
欣勝寺で見られるもの・地域の風習(追記)
- 雷井戸(伝承の井戸):民話の舞台で、説明板や伝承パネルがあることが多い。欣勝寺では伝承を紹介する掲示や、住職直筆の伝承板などが保存されています。
- 合格祈願との結びつき:「落ちない(落雷が“落ちない”→試験に“落ちない”)」という語呂合わせから、受験シーズンに参拝する人がいるのも現代の風習です。
- 地域信仰の継承:三田・三木など付近の地域では雷信仰が残り、毎年の参拝や祭礼で伝承が語り継がれています。
くわばらサブレ──伝承をかたどったお菓子
地元の菓子職人が民話をモチーフに作った「くわばらサブレ」は、伝承のキャラクター(雷坊や)を模した型抜きで焼かれる焼き菓子。
ドイツ製モールドで型取り、ラックごと入るオーブンで焼き上げるなど、手間とクラフト感を大切に作られています。
旅のお土産や合格祈願のお供にぴったりです。
雑学:雷と農(稲作)の関係
昔の人は雷と豊作を結びつけて考えてきました。
雷が多い年は降水や日照のバランスが作物に合うことがあり、
また雷の放電で空中の窒素が化学変化して雨に溶け、土の栄養になる、という自然現象の観察が民間知として伝わっています。
「稲の夫(いなつま)」→「稲妻」という語の由来話も、その延長にあります。地域の農文化と雷信仰が、民話や祭事に反映されているのです。
まとめ
- 三田・欣勝寺の「くわばら」は、地元民話(雷の子の井戸伝承)としてやさしく伝わる物語です。
- 一方で「菅原道真説」は平安期の怨霊信仰に根ざした有力な語源説明で、どちらの話も日本人の雷への恐れと敬意をよく表しています。
- 旅行で三田に来たら、欣勝寺の雷井戸や案内板を見て、地域の空気を感じ、ついでに「くわばらサブレ」を買ってみてください。食べながら民話を語るのも良い思い出になりますよ。
個人的には菅原道真公説が面白いと感じましたね
怒られる事を雷を落とすなんて言い方もするから怒られそうな時にもくわばらくわばらというわけです
ではでは(^ω^)ノシ
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