基礎

足さばきの種類とトレーニング法

剣道において足さばきは非常に重要で一眼二足三胆四力ともいわれます。

相手を見る事の次に足が重要であるという教えですね。

 

 

剣道のフットワークは大きく分けて4つ

  • 送り足
  • 開き足
  • 継ぎ足
  • 歩み足

 

更に足の運びはすり足で行います。

ボクシングなど違いピョンピョンと跳ねる動きはせず

床をするような動きになります。

 

上手く自然体が作れるようになり、腰が入るようになれば足さばきも鋭く早く緩急がつけられるようになります。

 

 

 

すり足とは?

すり足は床を擦るように足を動かす事、道場で稽古する時と足さばきは床をこするような音が出る。

なぜ、そんな足の動かし方をするかというと。

 

 

素早く動けるからです。

単純に足を最短距離で動かすとこうなる。

 

 

足を不必要に上げない事が重要になる。

すり足をする事で送り足がスムーズになる

 

 

前後左右にスムーズな動きができるようになる。

すり足の利点は体が上下に動かない事です。

体が上下に動くという事はその分、遅くなるし攻撃が読まれてしまう。

 

 

打突時は大きく踏み込むから地面を擦るという感じではないけど

基本は同じです。

 

 

すり足は剣道の基本なので必ずマスターしましょう。

 

 

 

ただ、道場のような平な床ではなくアスファルトではすり足だと足が引っかかるなんて意見もありますが

すり足の意義を考えたときに不必要に足を上げない事が重要なだけで足の高さは調節すればいいだけ。

 

 

剣道の足さばき自体が日常生活でも使える技術なのですり足をアスファルトでやる場合は高さ調節すればいいだけ

 

 

足の位置

剣道では基本、右足が前で左足が後ろになります。

 

 

  1. 自然体で立ちます、(姿勢を作る)
  2. 右足と左足は肩幅くらい(指先は真っすぐ前を向ける)
  3. 右足を半歩前
  4. 左足のかかとは3~4cm浮かせる
  5. 右足のかかとは紙一枚分、浮かせる

 

個人的には右足は床にべったりつけてもいいと思います。

というのも疲れるしすり足をする時は自然とそういう形になる。

 

 

足のつま先は両足とも真っすぐ前を向く。

八の字になったりしない。

 

足を開かない。

両足に同じくらいの体重を乗せる。

極端に右足だけに体重がのったり左足に体重をのせてはいけない。

 

 

重心を偏らせないように稽古しよう。

 

 

 

軸足で地面を蹴るのではなく踏む

足さばきで重要なのは地面を蹴るではなく地面を踏む事です。

宮本武蔵が五輪の書で踵(きびす)を踏めと書いています。

ここで言う踵というのは足の裏の中心からかかとまでを言います。

 

 

違いを説明すると

  • 地面を蹴る=ふくらはぎの筋肉を使う(ジャンプするための筋肉)
  • 地面を踏む=太ももの筋肉やお尻を使う(ハムストリングスやお尻など大きな筋肉)

 

地面を蹴るというのはふくらはぎを収縮させて地面からジャンプする動きになる。

剣道では地面を踏む事が重要になる。

 

 

前に進む時はかかとで地面を押すようなイメージ。

後ろに進む時はつま先で地面を押す

 

 

そうする事で大きな筋肉が使えるから早く動ける。

左足の膝を伸ばすように動かすとハムストリングスやお尻が使える。

 

 

足さばきで地面を蹴っていると一旦、体を上に押し上げてから行動するので遅い

遅いし相手に動きを察知されやすい。

 

 

やってみると分かると思いますが自然体で立って軸足のかかとで地面を進みたい方向へ押すと

つま先よりもはるかにスムーズです。

 

 

足さばきの種類

剣道の足さばきには

  • 歩み足
  • 送り足
  • 継ぎ足
  • 開き足

この4種類があり、それぞれ特徴があります。

 

 

歩み足

足を前後に動かして歩く、普通に歩くのと変わらない足さばき

もちろんすり足で歩くが姿勢を作り、自然体で歩く事が重要。

素早く送り足や開き足に移行できるようにしましょう。

 

 

歩み足は普通に歩くだけなので稽古はあまりされない

ただ姿勢を作って歩く事自体が結構、良い稽古になる。

 

 

歩み足から送り足、開き足へ素早く移行する事で変幻自在に動けるようになる。

 

 

送り足

 

送り足は後ろ足が前足より前に行かない歩き方

必ず右足が前で左足が後ろ

 

体の重心を前に傾けながら左足で地面を踏んで右足を前に運び素早く左足を引き付ける。

これを繰り返す。

 

後ろの足が前の足を追い越さない足さばき

基本中の基本と言える足さばき

 

足さばきと言えば送り足

 

送り足の稽古には

  • 前後の足さばき
  • 前後右左左右の足さばき

など基本的な動きや素早く細かく動く

 

 

継ぎ足

継ぎ足は打突の直前で左足を少し前に動かす

右足を追い越さない程度、親指の爪くらいの距離を動かす事で遠間から打ち込む事ができたり

早い打ち込みができる。

 

 

遠間から飛び込む時やいつもより遠くに飛び込む時なんかにも使える。

素早く姿勢を整える時にも使える。

 

 

 

開き足

円を描くように動く時に使います。

送り足と基本は同じですが左に動いた時に左足と右足の前後が入れ替わる。

 

 

右に動いたときは右足が前、
左に動いたときは左足が前が基本です。

 

相手が打ってきたのをかわして打ち込むなどの使い方ができます。

試合では左に動いた時も右足が前になる事の方が多い印象。

 

 

右前や右後ろ、左前、左後ろと動かす時も基本は同じ

 

左足の引き付けを早くする!

足さばきにおいて左足(後ろ足)の引き付けを早くする事で姿勢を崩さず

早く動く事ができる。

左足で地面を強く押し、その反動も使いつつ引き付ける。

 

 

 

引き付けを早くする事で小回りが効くようになる。

次の動作に素早く入れるから複雑な動きもできる。

 

 

お尻やハムストリングスを鍛えると引き付けが早くなります。

 

 

踏み込みは母指球から

打突時の踏み込みは母指球を中心に踏み込むべし

かかとから踏み込むと足を痛めてしまうので要注意。

 

上手くできない場合は

 

小さく強く踏み込む稽古をしよう。

いつもより短い距離から打突をして母指球でしっかり踏み込めるように稽古すべし。

 

強い踏み込みや跳躍素振りの要領でやってみると良いかもしれません。

 

 

 

左足のかかとを浮かせる理由

これについては、はっきりした事を書いている本もなければ

はっきり指導してくれる先生もいません。

なぜ、かかとを浮かせるのか?

 

 

しかもかかとを浮かせる高さは個人差があるから一概に正解はないみたいな事を書いてるネット記事もある。

左足のかかと浮かせるというのがどういう事なのかを考察していきたいと思います。

 

 

私の考えでは左足のかかとは車でいうクラッチである。

やってみれば分かりますが正眼に構えた状態で左足のかかとをゆっくりと地面につけてください

 

 

地面につけたら右足をよく観察してみてください。

右ひざが曲がっていませんか?

 

 

これは右足で前に倒れるのをこらえたからです。

左足のかかとを浮かせた状態というのは重心が前のめりになっているのを左足で支える形になります。

 

 

 

そこから左足のかかとをつけると今度は右足で倒れないように耐えている形になります。

 

では左足のかかとが地面についた時に右足が地面についてなかったらどうでしょうか?

当然、前に進みます。

 

 

 

 

つまり、剣道の構えは少しでもバランスが崩れると前に倒れる構えなのです。

なので浮かせた左かかとを地面に近づける事で素早く前にすすめる

重心の向きによっては左右にも素早く動ける。

 

 

 

練習方法

どこの道場でもやっている足さばきの練習はもちろん必要だけど他にも

 

  • 歩み足から送り足への切り替え
  • その場で踏み込み
  • 日常生活でも使う

 

一般的な足さばきの練習って道場の端から端まで送り足で素早く歩くとか

ラダーを使ってステップを練習するとかなんですけど

 

 

歩み足から送り足へ

毎日、いつでもどこでもできる練習方法として歩み足から送り足に切り替えるというのをやってみてください

普通に歩いている時にランダムで送り足を使う。

素早く横に移動するなど

 

 

 

歩くという日常に少し足さばきを入れる。

意外と歩み足から素早く送り足に切り替えるというのはやらない人が多いが

間合いをつめる時など歩み足の方が疲れないため素早く切り替える事ができると動きに幅が出る

 

 

その場で踏み込む

足は一歩分も前に出ない

足踏みを送り足でやる。

 

 

 

本気で打突をする時のような踏み込みを稽古する。

これも外でならどこでもできる

 

 

マンションなどだと近所迷惑になるから止めよう。

 

 

日常生活に剣道の足さばきを取り入れる

また、日常の動作で足さばきを使うと素早く動けるうえに稽古にもなる。

例えば家で自炊する時、野菜を切って後にフライパンに入れる時に送り足でスッと動く

 

 

食器棚からお皿を取り出す時の一歩を送り足や開き足で行う

そういった日常動作に取り込んでしまうと足さばきのクオリティは必ず上がる。

 

 

駅前で人とすれ違う時、スッと開き足でよけたり

というのを繰り返す事で足さばきのフットワークが向上します。

 

 

まとめ

剣道の足さばき非常に奥が深い、じっくり練習して変幻自在の足さばきを身に着けるべし

 

  • すり足は最小限の上下運動でスムーズに移動する方法。
  • 足の位置は稽古中、常に確認しよう
  • 足さばきの種類は4種類
  • 左足の引き付けは早く
  • 左足のかかとを浮かせるのは謎が多い
  • 日常生活でも足さばきを取り入れるべし

 

かかとの高さを変える事で膝も伸びて重心も移動する。

足さばきに関しては細かいフォームチェックは常に必要。

だけど日常生活でも稽古できるからガンガン足さばきの練習を取り入れるべし。

 

 

スーパーで商品を見る時とか送り足は超便利ですよ。

 

ではでは(^ω^)ノシ

 

 

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