暦物語はお話のナンバリング的には終物語の前なんだけど
短編集だからわりとスルーされてしまう話。
でもよくよく読んでいくと一つの方向にまとまっていく感じがなんとも西尾維新らしい話だ。
この話は怪異未満、理屈で論破できてしまう科学的な分野なんだけど人の心理につけこむようなオチばかりだ。
かなり、考えさせられるというかモヤモヤとした印象になる。
勘違いで生まれてしまう何かというのがこの話の主軸なのかも
工作の時間に作った小さな子屋にそれっぽく石を置いてみたり
屋上に花束を置いてみたり、砂場の底にヒビが入っていていて時間が経つと鬼の顔のような模様ができてしまう。
水面に映った自分の顔を何かと間違えてしまったり
噂の広め方とか貝木と話している辺りも伏線臭い。
全部の話が終物語、続・終物語と関係ないんだけど伏線になっているみたいな話の作りになっている。
阿良々木暦のサイドストーリーなんだけど、この話の一つ一つが重要なファクターになっている。
というよりも暦物語の話の構成自体が怪異の作り方について話だ。
そこに何か不思議なものがあってそれについて何か適当に逸話を作ってしまう。
迷信とか幽霊の正体見たり枯れ尾花みたいなものなんだけど。
暦物語のオチの要素を一つ一つ組み合わせて整合性を持たせると怪異をでっち上げられるという感じなのかな。
サブタイトルで言えばこよみストーンは舞台装置、こよみフラワー意味付け、こよみサンドは自然現象を利用する。
見え方の違いや噂、トレンドの作り方なんかは面白い、行動の矛盾なんかは怪異っぽい要素。
一つ一つを組み合わさるとそれは恐ろしげなものになるみたいな話でこれが暦物語から続・終物語に繋がる伏線ですね。
怪異ではないけど、怪異に見えてしまういわゆる、不思議な現象とも言えないまだまだ手品の域を出ないという感じ。
非常にひねくれていて僕は好きですね。
暦物語であるような現象が長く続けばそこに怪異が発生する可能性は微レ存。
怪異自体も気のせい、幽霊の正体見たり枯れ尾花という感じ。
信仰というか迷信、御伽噺を媒体にゆっくり広まっていくのが怪異ってやつなのかもしれませんね。
続・終物語まで読み終わってまたは続・終物語を見終わってから暦物語を読んだり見たりすると違う発見があるかもしれませんよ。
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