人毛醤油というものがある事をご存知だろうか?
文字通り髪の毛から醤油を作り出すという試みがあったのです。
現在の日本で市販の醤油に使われる事はないし
個人が作ってみたという程度です。
筆者の感覚で言えば髪の毛から醤油を作るってなんか気持ち悪いですし
いわゆる代替醤油の一種である。
戦後の物資不足で一時的に作られた事もあったようです。
誰が開発した?
昭和初期に日本の毛髪に関する著作家である大門 一夫(だいもん かずお)が人間の毛髪を原料にした醤油を作ろうと実験を行った
執筆の傍らパーマ液や脱毛剤など戦後の美容科学、その先駆者として有名な人物である
彼が研究グループを集めて実験を行った
どうやって作る?
実験では塩酸で髪の毛を10時間程度煮る
その後、加水分解を行いアミノ酸やペプチドに分解する事ができる
揮発性に乏しく実用に耐えないと言われた。
雑誌、ニューヘアで1982年9月号、戦中、戦後の混乱期に「毛屑から代用醤油が作られた」と記している
製法は「毛屑を10 %塩酸の中に入れ、24時間ほど煮沸後、濾過し苛性ソーダで中和させる」というもの
戦後混乱期、髪の毛で工業的にアミノ酸を作る企業などもあったが人件費の増加や公害
そして公害防止事業費事業者負担法施行により1960年代半ばには生産されなくなった。
人毛醤油が流行らなかったのは同じ方法で大豆類の植物の茎・葉・皮、搾りかすを砕いて塩酸で煮て加水分解した方が品質もコスパも何もかも良かったからです。
現在でもオートクレーブ(内部を高圧力にする容器)を使い科学的に再現する事ができる。
実際に髪の毛醤油を作っている動画です。
味は醤油よりも薄いし、若干臭みのあるとの事
何も言われなければ醤油だと信じて疑わないレベルなのだとか?
現在の混合醸造や混合に使われるアミノ酸液
現在、混合醸造に使われているアミノ酸液はオートクレーブを使って大豆や穀物を加水分解する事で生産されている。
アミノ酸液の始まりが人毛醤油を作る実験の結果から生まれたというのが面白い
アミノ酸液を作る企業から購入するのが一般的になっている。
令和で人毛醤油を作るのはコスパが悪い
人毛醤油が流行らない理由は前述した通りだが
令和の時代に人毛醤油を作るのは昔よりも難しくなっている
というのも染髪している人も多いし女性は髪の毛にいろいろな薬品をつけてセットしている人もいる
男だってワックスをつけて髪型をセットしているわけです。
そういう薬品を綺麗に洗い流す必要があるためコスパは非常に悪くなる
また、人体はヒ素や水銀などの有害なミネラルを髪の毛に集める仕組みがあるため健康面を考えても作られない
中国では?
毛髪醤油として生産されていた時期がある
大豆をケチってコストダウンを図るためと言われている
頭髪を中国東北部や華北などで1Kg1元理髪店から徴収
簡単に選別作業をして1.8ドル程度で山東省や河北省などの化学工場に転売
化学処理をしてアミノ酸液にして各地の工場に販売、
各地の醤油工場で使われ毛髪醤油になった。
2004年1月、中国国営テレビ局、中央電視台の番組「毎週質量報告」で毛髪醤油として放送された。
結果を言えば中国政府は人毛醤油製造を禁止。
理由としては理髪店や病院から集めた人毛を使っていたが
人毛にはヒ素や水銀が含まれている事やアミノ酸液を作る際に使用済みのコンドームやナプキン、病院綿、使用済みの注射器などが混入していたからだ
つまり病院はごみの分別をほとんどせずに工場でも分別をしないでアミノ酸液を作っていたというわけです。
普通に汚ねぇ
まとめ
髪の毛から醤油を作る実験は昭和初期に行われ
戦後の混乱期に代替醤油として出回った経緯もある
1960年代半ばまで人毛からアミノ酸を生産する工場も日本にはあった
しかし、現在では髪の毛を使って醤油やアミノ酸を作ってはいない
現在では大豆や穀物からアミノ酸を作っている
中国では2004年ごろにテレビの取材で毛髪醤油が作られている事が判明した
後に病院から集めた毛髪にゴミが混ざっていている事が問題になり
中国政府が禁止している。
ではでは(^ω^)ノシ
この記事もおすすめ
中国には絶対にいけない!地溝油が普通に使われている!横浜中華街ならあり得ない!