「破局噴火」という言葉を聞くと、ものすごく大きな噴火を想像するかもしれません。
実際、破局噴火は一般的な火山噴火とは比較にならないほど大量の火山噴出物を放出し、広い範囲に影響を及ぼす可能性がある巨大噴火を指す言葉です。
ただし、「破局噴火」という言葉には、世界共通の厳密な定義があるわけではありません。
海外では「supereruption(超巨大噴火)」や「supervolcano(スーパーボルケーノ)」という言葉が使われています。
この記事では、破局噴火の意味や規模、カルデラとの関係、スーパーボルケーノとの違い、2022年のトンガ噴火について簡単に解説します。
破局噴火とは?簡単にいうと「非常に巨大な噴火」
破局噴火を簡単に説明すると、
広範囲に大量の火山灰や火山噴出物を放出し、社会や環境に大きな影響を与えるほどの巨大噴火
と考えると分かりやすいでしょう。
ただし、ここで注意したいのが「破局噴火」という言葉そのものです。
国際的に「何km³以上なら破局噴火」と一律に決められているわけではありません。
巨大噴火の規模を比較するときには、一般に**火山爆発指数(VEI)**などが使われます。
破局噴火はどれくらいの規模なのか?
巨大噴火の規模を表す代表的な指標の一つが、VEI(Volcanic Explosivity Index)です。
VEIは、火山から放出された火山灰などの量や噴煙の高さなどをもとに、噴火の爆発性を比較するための尺度です。
USGS(アメリカ地質調査所)では、VEI8の噴火を「supereruption」と説明しており、噴出物の量は1,000km³を超える規模とされています。
これは日常生活では想像しにくいほどの規模です。
なお、VEIは単純に「噴火の被害の大きさ」を表す数字ではありません。
あくまで噴火の規模や爆発性を比較するための指標なので、VEIだけで実際の被害を決めることはできません。
破局噴火とカルデラ噴火の違い
破局噴火について調べると、「カルデラ」という言葉もよく出てきます。
カルデラとは、火山活動によってできた大きな凹地のことです。
大規模な噴火によって地下のマグマが大量に失われ、その後に地面が大きく陥没することで、巨大なカルデラが形成されることがあります。
そのため、
巨大噴火=必ずカルデラ噴火
というわけではありませんが、非常に大規模な噴火とカルデラ形成には深い関係があります。
USGSも、VEI8級の巨大噴火では大量のマグマが噴出することで、カルデラが形成されることがあると説明しています。
破局噴火とスーパーボルケーノは同じ?
「破局噴火」と一緒に出てくる言葉がスーパーボルケーノです。
英語の「supervolcano」は、非常に大規模な噴火を起こした火山を説明するときなどに使われます。
USGSでは、過去にVEI8規模の噴火を起こした火山をsupervolcanoと説明しています。代表例として、イエローストーン、トバ、タウポなどが挙げられています。
ただし、スーパーボルケーノだからといって「次の噴火も必ず巨大噴火になる」という意味ではありません。
同じ火山でも、過去にはさまざまな規模の噴火が起こっています。
破局噴火が起きると何が起こる?
では、もし非常に大規模な噴火が起きたら、どのような影響が考えられるのでしょうか。
大量の火山灰が広範囲に広がる
巨大噴火では、大量の火山灰や火山ガスが大気中へ放出される可能性があります。
火山灰は風によって広い範囲へ運ばれるため、火山の周辺だけでなく、遠く離れた地域にも影響することがあります。
航空機の運航、農業、交通、電力など、社会インフラにも影響する可能性があります。
気候に影響することもある
大規模な火山噴火では、二酸化硫黄などの火山ガスが上空へ達し、硫酸塩エアロゾルが形成されることがあります。
こうした粒子が太陽光を散乱・反射すると、地表に届く太陽エネルギーが減少し、地球規模の気候に影響する可能性があります。
ただし、大きな噴火が起きれば必ず地球が寒冷化する、という単純な話ではありません。
噴火の場所や規模、成層圏へ到達した物質の種類などによって影響は変わります。
トンガの海底火山噴火は破局噴火だった?
2022年1月15日に南太平洋のフンガ・トンガ=フンガ・ハアパイ火山で大規模な海底噴火が起こりました。
この噴火では巨大な噴煙が発生し、津波が世界各地で観測されました。
日本でも津波注意報が発表され、大きなニュースになりました。
では、この噴火は「破局噴火」だったのでしょうか。
ここは注意が必要です。
「非常に大きな噴火だった」ということと、「VEI8級の超巨大噴火だった」ということは同じではありません。
NASAによると、この噴火では噴煙が高度約57kmまで達し、成層圏へ大量の水蒸気が注入されました。一方、二酸化硫黄などの量は過去の巨大噴火と比べて特別に大きかったわけではありません。
さらにNASAは、トンガ噴火によって大量の水蒸気が成層圏へ入り、通常の大規模火山噴火とは異なる大気への影響が生じたことを報告しています。
そのため、
「日本にも津波が来たから破局噴火だった」
と判断することはできません。
噴火の規模を考えるときには、噴出物の量や噴煙の高さ、火山ガス、大気への影響などを総合的に見る必要があります。
「破局噴火」という言葉はどこから来た?
「破局噴火」という言葉について調べると、興味深い由来があります。
作家の石黒耀氏が2002年に発表した小説『死都日本』では、「破局噴火」という言葉が重要なキーワードとして登場します。
講談社の作品紹介でも、南九州を舞台に巨大な「破局噴火」が起こる物語として紹介されています。
つまり、現在広く知られている「破局噴火」という言葉には、こうした小説の影響もあります。
一方、科学の世界では、巨大噴火の規模を説明するときにVEIや「supereruption」などの用語が使われています。
そのため、
破局噴火=世界共通の厳密な学術分類
と考えるより、
巨大噴火を説明する日本語として広く使われている言葉
と考えたほうが分かりやすいでしょう。
まとめ
破局噴火とは、簡単にいえば、通常の噴火とは比較にならないほど大量の火山噴出物を放出し、広範囲に大きな影響を及ぼす可能性がある巨大噴火です。
ただし、「破局噴火」という言葉には世界共通の厳密な基準があるわけではありません。
巨大噴火の規模を比較する場合には、VEIが使われ、特にVEI8は1,000km³を超える噴出物を伴う超巨大噴火の規模として説明されています。
また、巨大噴火ではカルデラが形成されることがあります。
2022年のトンガ噴火も非常に大規模な海底噴火でしたが、「日本に津波が到達したから破局噴火」というわけではありません。
「破局噴火」という言葉のインパクトだけで判断せず、噴出物の量、噴煙の高さ、火山ガス、大気や気候への影響などを分けて考えることが重要です。
破局噴火という名前自体は小説が元ネタ
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英語ではSupervolcanoと呼ばれたりするけど、思ったより定義がガバガバ
日本とアメリカで一桁基準が違うみたいな話があるくらいです。
大規模な噴火は多くの人に被害が出る天災だから破局噴火と聞くとかなり怖そうな印象だったけど
致命的な規模の噴火なのかと思えば定義があいまいだったので良くわからないですね。
日本列島で破局噴火と言われるレベルの噴火が起きたら相当な被害が出ます。
カルデラができるレベルの噴火が起きてほしくないですね。
ではでは(^ω^)ノシ
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