備長炭と普通の炭の違いは実際に手に持ってもらえれば分かるが
備長炭はとても硬い炭です。
普通の炭は軽く叩くだけでも割れてしまうし鉈などで簡単に細かくできる。
備長炭は白炭とも呼ばれています。
炭の作り方
炭を作るというと難しそうとか大変そうだと感じるかもしれないが
原始的なものクオリティを考えなければ簡単に作れる
単純に言えば木材を蒸し焼きにしたものが炭になります。
酸素が少ない状態で焼けばいいから空気の通り道を極力減らした状態で木材を400℃~700℃で焼く事で炭が作れます。
こうやって作ると黒炭になります。
本格的な窯を使って作る場合も同様で酸素が少ない状態で焼いて最後に窯の口を塞いで消火します。
使われる木材はクヌギやナラなど柔らかい木材を使います。
こうして作った炭は簡単に火がついて火力も出るため
鍛冶屋などで使う炭もこの黒炭になります。
鍛冶などでは松炭が好まれているそうです。
作り方を知っていて品質にこだわらなければ誰でも作れるのが特徴
黒炭の特徴
- 入手しやすく、比較的安い ...
- 最大火力が高い ...
- 火がつきやすい ...
- 大きな爆跳は起こらない ...
- 火力調節がしやすく扱いやすい ...
- 燃焼時間がやや短い ...
- 煙が多く、においがある ...
- BBQ(バーベキュー)
火が付きやすく安く燃焼時間は短いが火力が高いため鍛冶や陶芸などにも使われます。
BBQやキャンプで使う分には普通の炭で十分
木炭の歴史
世界最古の炭は日本の愛媛県喜多郡肱川町鹿の川遺跡の石灰岩の洞窟内で発見された木炭と言われています。
日本最古の炭であり、縄文時代より古い石器時代(30万年前)には既に炭は存在していたという事です。
洞窟内で発見されたのは普通に木を燃やした消し炭ともう一つは簡単な工程で作られた樫の木炭でした。
現在の木炭を作る技術は紀元前17世紀頃 ~紀元前11世紀(1046年ごろ)の中国最古の殷(商)王朝時代が発祥と言われています。
青銅の鋳造や絵画、医薬、化工などに使われたそうです。
日本に中国の炭焼き技術が伝えたのが遣唐使の弘法大師空海(774年~845年)です。
現在の和歌山県、紀州に伝えられ熊野(ゆや)炭、日高(ひだか)炭、新宮(しんぐう)炭、田辺(たなべ)炭などの特産が産まれました。
日本各地に炭焼きの技術が広まっていきました。
備長炭が生れたのが江戸時代、正確には備長炭という名前がつけられたのが江戸時代です。
元禄時代(1700年代)紀州田辺(現在の和歌山県田辺市)に”備中屋長左ェ門”という商人がいました。
炭問屋だった彼は田辺(秋津川村)で作られる炭に【備中屋】の備と長左ェ門の長をくっつけて
備長炭と命名し江戸で販売した事が備長炭の始まりと言われています。
他にも明治時代、石炭の粉、コークスの粉、炭の粉を接着剤で固めた練炭が生れ
1950年におが屑を固めたオガライトが発明され、オガライトを炭にしたオガ炭が開発されました。
備長炭の作り方
備長炭はウバメガシ(カシ類を含む)という木を使って作ります。
しかし、現代では硬い木材を使って作る炭はみんな備長炭になり
外国でもその地域で採れる硬い木材で備長炭を作っています。
「インドネシア備長炭」や「ラオス備長炭」なんかも流通しています。
炭作りの最終工程で窯の口を開けて空気を送り込んで窯の温度を1000℃以上にして
不純物を焼き切る「ねらし」を行い、その後は砂と灰を混ぜた粉をかけて消火します。
この工程で炭が白くなるため白炭とも呼ばれます。
備長炭の特徴
- 黒炭と比べると火付きは悪い
- 火持ちが良い
- 消臭、吸湿効果が高い
- 硬く備長炭同士をぶつけると金属のようなキンキンという高い音が出る
火持ちが圧倒的に良いので焼き鳥屋とかうなぎ屋では必須になっている。
火持ちが良いという事はコスパが良く使う炭が少なくて済むという事です
火が長持ちするという事は炭の量を少なく出来る、焼き鳥などを安く提供できるのは備長炭を使っているからというわけです。
欠点として硬い備長炭は爆跳、パチパチと炭の粉が爆ぜてしまう
硬いから黒炭よりも勢いがあったりします。
まとめ
普通の黒い炭と備長炭の違いは
黒い炭は柔らかい木材を使用し、作る際に窯のフタを閉じて消火している
備長炭は硬い木材を利用し作る際、一旦1000℃まで加熱して不純物を焼いて砂と灰で消化
黒い炭は火力が高く安いが火持ちが悪い
白い備長炭は火力は黒炭よりも高くないが火持ちが良くコスパがいい
ではでは(^ω^)ノシ