社会主義と共産主義、どちらも平等を目指す思想であり資本主義とは違う価値観。
社会主義の国は2016年現在、中国、キューバ、ベトナム、ラオスです。
今回は社会主義と共産主義の違いについて紹介したいと思います。
この二つって混同されがちだけど実は全然違うというかある種の理想論だという感じがするのが共産主義ですね
平等というのは美しく感じるかもしれないけど、人間の何かを手に入れたいという感じる本能というか根本的な部分を否定してしまっているような気がします。
資本主義という競争社会にいる僕らには眩しく感じてしまうかもしれません。
日本は資本主義、格差社会と言われていますがその真逆の思想である社会主義、共産主義って一体なんなのでしょうか?
社会主義とは
みんなが平等であるために政府が仕事や富みを管理する社会。
資本主義はみんながお金、資本を持って会社を立ち上げて自由競争をしていますが
社会主義では原則、起業は許されておらず一部の例外があります。
計画経済を主とする社会主義国でも、特定分野において、小規模なら個人の企業、経営が許される。
部分的にはそれが可能な国もあり旧東ドイツ等はそうでした。
現在の中国等市場経済を主とする社会主義国では可能です。
社会主義を簡単に表現するなら「能力に応じて働き、労働に応じて受け取る」
管理する国家が労働者をきちんと管理し平等に報酬を払うのが社会主義。
平等に資産や物を行き渡らせるのが目標ですが
実際には労働内容が全く違うので全て同じにするのは不平等と感じてしまい生産性が落ちる。
例えば家を作る大工さんと危険がないように見守る警備員さんが同じ給料だったら大工さんは不満でしょうし。
高度な技術と知識が必要な宮大工と普通の大工が同じ月給だったらやってられない
高度な技術と知識を持っていても収入か変わらない
それが社会主義、中国は社会主義の国だけど資本主義の仕組みを組み込んで独裁国家としての体裁を整えているので中国は純正の社会主義ではない。
共産主義とは
社会主義が発展していくと共産主義になる。
共産主義は財産の一部、または財産の全てを共同管理する社会。
社会主義では強い管理者が平等に富みを分配していましたが
共産主義になると逆に無政府主義になる。
有り余る財産をみんなで共同所有する社会であるなら政府は無用というわけです。
共産主義は「能力に応じて働き、必要に応じて受け取る」
共産主義というのは例えるなら
シェアハウスにある[誰でも勝手に中の食べ物を食べていい冷蔵庫]みたいなものです。
食べ物がたっぷりと入っていてそれを好きなだけ食べられる。
誰が中身を調達したか関係なく好きなだけ食べられる。
資本主義とは
社会主義と共産主義を理解するにはその逆である資本主義を理解しないといけません。
生産手段の私的所有および経済的な利潤追求行為を基礎とした経済体系
資本主義とはざっくり言うとお金を使って起業し会社が作れる社会です。
社会主義では会社というのは政府の持ちもので給料も政府が国民に払う形になります。
資本主義は会社を作った資本家が労働者に賃金を払うシステム。
格差を嫌う共産主義や社会主義ではできない投資も行なえます。
資産の個人所有や市場での競争もあり、貧富の格差は大きくなる。
資本主義はお金を使って富みを交換し私的所有権を持っている社会
つまり、個人が財産を持つ社会の事ですね。
社会主義が上手くいくのは小さなコミュニティ、それこそ家族単位。
お父さんかお母さんが家長になって富を平等に分配する。
子供たちは平等に同じご飯を食べて同じように生活する。
子供はお手伝いをしてもしなくてもお小遣いは変わらない
お父さんのお給料を上手く平等に分配している。
実に社会主義的、家を管理する両親以外はみんな平等に富を分配している。
社会主義はこれを国家単位でやろうとして失敗してる。
というのも何故、家庭は社会主義的な平等が、保たれるかと言うと管理者が相手の事を熟知していて相手を納得させられるからです。
100人、1000人、10000人全てを納得させるのは無理。
一人、または一つの組織で国民全てを納得させられるのは難しい
資本主義では起業家と労働者がいてお金で物やサービスを交換している。
お金を自分の裁量で稼ぐか雇われて働くかのどちらかになってお給料や報酬をもらい経済を回す社会。
資本主義は不平等に思える面もありますが自分の才覚でのし上がれる。
社会主義と共産主義、どちらが平等か?
社会主義と共産主義のどちらが平等かと言うと共産主義です。
社会主義というのは
10人の人間が10個のあんパンを平等に食べられるように分け合う
これが社会主義。
共産主義は
10人の人間が山のようにある、あんパンを好きなだけ食べる。
社会主義は限られたリソース(資源、資産)を平等に分け合うというのが社会主義
無限にある資産、資源を全員が好きなだけ使える社会。
書いていて思ったけど共産主義はある意味は理想過ぎて笑えてくる。
共産主義を目指すならものすごく豊かでないと無理。
社会主義には権力者が必要、共産主義は無政府状態
社会主義は限られた物資を平等に分配するために管理する人間が必要。
それも大きな権力を持った管理者じゃないと機能しない。
全ての人間に同じだけの物資が平等に渡されているのかを厳しく管理する必要がある。
共産主義はその管理がいらない状態、みんなが好きなだけ物資というか資源を好きなだけ使える社会
だから大きな力をもつ権力者はいらない、最低限のルールさえあればいいというのが共産主義。
山のようにある資源というとピンとこないかもしれないけど、例えば服屋で好きなだけ服をもらえるのをイメージしてみてください。
気に入った服を好きなだけ選んで持ち帰れる。
仕事をしていればどんな物でも手に入る社会。
共産主義では泥棒とか強盗という犯罪はなくなるでしょう。
そんな事をしなくてもいいくらい何でも手に入るんだから。
全ての社会主義国家は共産主義を目指している。
基本的に社会主義は共産主義の過程にある社会という位置づけ。
社会主義の国が豊かになったら共産主義にシフトしていく感じです。
実際問題、豊かな日本でも共産主義に移行するのは無理。
制度の問題もあるけど、日本だって共産主義になれるほど豊かじゃない。
と言うよりも国民全員が満足できるリソースというのが無理がある。
できるようになるにはSF映画並みの科学力がいりそう。
鉱山惑星を何個も持っているみたいな感じじゃないと共産主義は無理。
社会主義の失敗って?
国が企業や起業家をコントロールしようとしたりするのは無理があった。
企業が自由に競争できない社会では物造りやサービスなどがドンドン衰退していきます。
といろいろな無理があって生産性というのが低下していきました。
国が指定した服を着て、同じ車に乗ってみたいな生活は経済を停滞させる原因でした。
ソビエト連邦の場合、少しでもお金を稼ぐようになる資産家の卵や裕福な農家、富農を潰していく政府
富農と言ってもほんのちょっぴり豊かな程度です。
一般的な農家が馬を1頭しか持てないのに富農は3頭も馬を飼っているとかその程度でも潰していった。
社会主義と言ってもまだ、貨幣がいらない社会には程遠い社会形態でお金を稼がなきゃいけない。
社会主義国を何の定義で言っているかによります。
カール・マルクスの提唱した理想国家の場合、「能力に応じて働き、必要に応じて受け取る」になりますので、給料が一緒と言っていい状態でしょう。
ソビエト等の場合、「ノルマを課され、そのノルマをこなせば給料」になります。ノルマを多くこなせば給料が増える制度でした。つまり給料は違いますね。
しかし実際問題、そのノルマの量に対する評価はあっても質に対する評価はなく、全員が「以下に手を抜くか」状態になりました。
国が決めた生産計画のノルマを達成しても上手くいかないという自体が発生し社会主義の国は殆ど残っていないというのが現状。
まとめ
共産主義と社会主義の違いは共産主義は物があふれていてそれを自由に使える。
社会主義は国が厳しく企業を管理するので平等に物資を分配できるという仕組み。
社会主義は政府が腐ってしまったり経済が停滞しやすいから上手くいかないという感じです。
アニメとか映画に登場する社会主義的な社会ってディストピアとして表現される事が多いけど
国の管理で経済が上手くいくとそんな感じになってしまいそうですよね
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