ナンバ歩きは右手、右足を一緒に動かす 左手、左足を一緒に動かすという動き方とテレビで紹介されましたが
あれは嘘です。
実はテレビでナンバ歩きを取り入れた陸上選手が登場した時に 取材した記者さんが間違って覚えて発表したから広まった
間違った知識でいろいろ考察するから間違った結論に到達してしまいがち 実際のナンバ歩きは腕と足が一緒に動くというものではありません。
肩甲骨と骨盤を連動させる歩き方 肩甲骨の方が分かりやすいのですが厳密には胸郭と骨盤を連動させます。
腕は振らず縦に使う もっと言えば体幹を使う歩き方です。
右手右足を同時には嘘
右足と右腕が同じように前に出るという動きはナンバ歩きじゃない
個人的な感想としては右手右足、左手左足と動かすと勢いがつきすぎる。
長く歩くには不向きだ。
そもそも着物を着て手を振るというのは合理的じゃない
すぐに着崩れる。
能などで同手同足の動きがあるじゃないかと言われるが強い力を出す、例えば物を投げるような動作の時だけです。
それに長時間歩くには疲れる歩き方です。
意識しないと続けられない
では本当のやり方はどういうものでしょうか?
ナンバ歩きのやり方
ナンバ歩きのやり方は 右足が着地する時に右の肩甲骨を下げる 左足が着地する時に左の肩甲骨を下げる
竹馬や缶ポックリに乗ってるような感じ
初心者は 右足が着地する時に右腕を下げる 左足が着地する時に左足を下げる 体を縦に連動させる動きですね。
肩甲骨と骨盤が連動するため楽に歩けます。
階段などでナンバ歩きをするとかなり楽に登れます。
駅の階段など登り切ったらふくらはぎ、太ももがパンパンになっていたのですが ナンバ歩きなら疲れない 「階段を上るの嫌だな~」 という気持ちがナンバ歩きを覚えてから無くなりました。
イラストを描いたのを冒頭に貼ってありますが 足をついた時に肩を下に動かす事で楽に歩けるというわけです。
イメージとしては竹馬とか缶ぽっくりに乗っているイメージ 足と肩を上下の動きで連動させます。
他にも急な坂道で膝に手を置いて歩くのがナンバです。
コツは体を上下に使う
普通のウォーキングは体を捻る動きで体を前後に動かしている
ナンバ歩きで誤解される右手・右足を出す動きは基本的に現代ウォーキングと変わらない
そうではなくナンバ歩きは腰も肩も正面を向いたまま歩く
右手右足一緒みたいなウォーキングは長く歩けない
体が振り回される感覚があって歩きにくい
本物のナンバ歩きは体を上下に使う 腰のラインと肩のラインを平行に動かす事がコツになります。
手を下げる事で胸郭を下げるという動きになり
上半身と下半身が連動した動きになります。
全身をくまなく使うため歩いたり走ったりするのが非常に楽です。
右半身と左半身で歩くような感じになります。
階段を上る時は?
階段を上る時は右足を上げた時に右肩も上に上げる という動きになります
そうすると肩と骨盤で足を上げる動きになるため 普通に上るよりも楽に上る事ができます。
足は地面を蹴らない
地面を蹴るのではなく後ろ足を前に運ぶイメージ 足が後ろに流れるような歩き方ではなく
着地した足が自然と前に運ばれていくようになります。
走る時も同じで着地した足を前に運ぶイメージです。
腕を強く下に突き出すと足の力は少なくても早く動く。
ナンバ歩きは疲れない?効果は?
ナンバ歩きはどういう効果があるのか?
歩いたり走ったりしてもあまり息切れしなくなる。
また、効率の良い動きであるため素早く動けます。
日常生活でゴミ収集車が走り出しそうになっている場面とか エレベーターがしまりそうなど ちょっとしたダッシュをしようと思ったときに
思った以上に早く走ってしまってびっくりしたりもしました。
とにかく、息切れしにくいです。
スタミナがついたというわけじゃなくて肺から無駄な息が出ていかない感じです。
歩くのがとにかく楽になった印象。
慣れてくると手を振って体を捻る歩き方に違和感を感じるほどです。
ナンバ歩きは他人が見ても分からない
ナンバ歩きは他人が見てもやっているかどうか分からない
腕を振らずに縦に動かしているだけ
それもほとんど動かないから他人がよほど注意深く観察しないと分からないです。
慣れてくると手のガイドもいらなくなる。
しかも人によっては手をブラブラさせながら歩いていますから腕を振っているように見える。
実際は手を振っているわけじゃなくて体幹が動いているから手が振られているという状態。
テレビで紹介された嘘ナンバ歩きは実践すれば誰でも分かるヘンテコな歩き方ですが 本物は全く分からない
だから江戸時代の人たちはみんなナンバ歩きだったとかそうじゃないというのは写真などでは分からないという事です。
飛脚のお兄さんがナンバ走りをしていないというのも分からない
だって肩と骨盤が上下に連動する動きだから。
故に動画であってもナンバ歩きをしているか否かは判断できないというわけです。
なんば歩きはスポーツに使えるのか?
なんば歩きと言えば右手を出した時に右足も出すという誤解が生まれてる事で有名だが
実際は右足を踏み込んだ時に右手を地面方向に押し込む事で上半身の力を下半身に伝える歩き方
この方法は上半身の力を下半身に伝え
逆に下半身の力を上半身に伝える事ができ応用も効く
一般的に言われてるメリット
なんば歩きは
- 疲れにくい
- 膝や腰への負担が少ない
- 捻らないから怪我しにくい
歩くだけでも効果はこれだけある。
どれだけのエネルギーが発生するのか?
少し実験をしましょう
今、椅子に座ってるなら立ってください
立ちましたか?
では体重が乗ってる足はどちらですか?
右?左?
とりあえず体重が乗ってる方の足
右足なら右手、左足なら左手
思い切り地面に向かってパンチしてください
いやいや頭がおかしくなったやけじゃないですよ
地面を殴れと言ってるわけじゃなくて
肘を曲げて勢いよく伸ばしてくださいって事です。
やりましたか?
一瞬、つま先立ちになりませんでしたか?
つまり地面を蹴ったわけじゃないけど
踵が浮いてしまう。
つまり上半身の力で足を動かした事になります。
やり過ぎると肋骨の辺りにある筋肉がキツくなってくるので要注意
急加速も簡単
早く走ったり方向転換をする時
どうしてもタメが必要になります
そのためを腕で行えるので急な方向転換も簡単です。
軸足と同じ手で地面を押す事で下半身を加速させる事ができる。
上半身でそのタメが作れるため右に行くと見せかけて左へ行くみたいな動きでも 急加速できるため有用です。
右半身と左半身をズラす
なんば歩きの動きというのは右半身と左半身を縦にズラす動きです。
背骨、肋骨、骨盤、仙骨を使いグニャグニャ、ヌルヌルと体幹を左右に分けて ズラす、最終的には肋骨などを使って体幹を動かすため手は不要になる。
そうなると相手に分からないように肋骨をバネのように使える ビヨーンと肋骨を使えば下半身だけで行っていた動きもスピードやパワーがプラスされるから強くなる。
複雑な動作を手を動かす事で再現している。
パワーが上がる
手だけで動かしてもそこまで力が出ないがなんば歩きをしながら引っ張ると思った以上に力が出る
下半身のパワーが上半身にも伝わっているから同じような動作 足踏みをしているだけにしか見えないのに
めちゃくちゃ強くなる
あり得ないくらいパワーが出る 試しに足踏みしてみてください
そして右足で地面を踏んだ時に適当になんか物を引っ張ってみてほしい
思った以上に力が出てビビるからwww なんばで下半身から上半身に力を伝えるには
足踏み状態で踏み込んだ足と同じ側の手を動かす事です。
【考察】難場歩きが消えた理由とは?
難場歩きは明治時代以降に消えてしまったと言われています。
江戸時代はみんな難場歩きをしていたという説もあります。 西洋化が原因なのではないかという説もあります。
筆者は武術が衰退した中で失伝したものがあるとか口伝が消失した可能性も考えています。
今回は考察まじりで解説していきます。
あくまでも考察です。
絶対に正しいものではない事は頭に入れておいてください。
江戸時代はみんな難場歩きだった?
これは違うと思います。
半分は本当で半分はデマという感じ
というのも普通の歩き方に名前をつけたりしません。
江戸時代の人々は特殊な訓練をしていない人は走れなかったなんて説もありますがこれも極端な話です。
だって歩き始めた赤ちゃんだって走り出そうとします。
人は本能で歩くことや走る事ができるからです。
なんば歩きは漢字で難場歩きと書くという説もあります。
つまり、険しい道などを歩くために使われていた技法とも言えます。
江戸の人々は1日に30km〜40kmを歩いたそうです。
現代人よりも長距離を歩けるのは間違いない
ではどのように歩いていたかと言うと
手は意識して振りません
ブラブラさせてるだけでしょう。
着物や剣道着を着た事がある人なら共感してくれると思いますが腕をウォーキングみたいに振れば袖がバサバサしてうっとうしいからです。
そして小股で歩いていたそうです。
大股に名人(達人)なしなんて言われるくらいです。
着物で大股に歩くとこれまたバサバサとみっともない
どちらかと言えば腰を落として小股で歩くのが昔の人の歩き方でした。
内転筋や骨盤底筋群がめちゃくちゃ強かったのではないかと考えられます。
難場歩きはこれらの動きに腕の動きを追加したもの
体幹の動きを補助して歩きやすくする技術
江戸の人々は体幹の動きが現代人よりも上手い
着物は西洋的な捻る動きだとはだける
温泉旅館で浴衣を着た事がある人なら分かるだろうけど
少し動いただけではだける。
これを防ぐには捻らずに体幹を動かす必要がある。
体幹を複雑に動かす事で早く歩けていた。
つまり手の動きはないが難場歩きと同じような効果を得ていた
もちろんナンバ歩きの方が山道などを快適に歩けただろう。
順序が逆で普通の歩き方を工夫して難場歩きになったと考えた方がいいかもしれませんね。
西洋文化の流入でナンバ歩きが消えた?
西洋文化をいち早く学ぶために何でもかんでも西洋化した時代が明治時代です。
洋服を着たり、西洋的な文化や軍隊の教練方法などなど
その結果、難場歩きが消えてしまったという説です。
当時の日本は西洋かぶれというか何でもかんでも西洋化した
警官も日本刀ではなくサーベルを持っていた時代です。
きちんと性能比較したら日本刀のままだった可能性は高い
つまり歩き方から何から西洋人の真似をした結果、優れた技術が失伝してしまったという可能性です。
明治時代の廃仏毀釈
もう一つ注目したいのが廃仏毀釈
何をしたのかと言うとお寺にあった経典などを焼き払った
仏具や鐘を溶かして大砲にしたり
寺に火をつけたりという騒動があった。
その中には武術書みたいな物も含まれていたのでは?という考察です。
つまり難場歩きのような特殊な技術を記した書物はたくさんあったけど
それを収めるお寺が焼かれて灰になったから失伝してしまった。
口伝が途絶えた
難場歩きという名前じゃなくていろいろな名前で伝わっていた
明治時代と言えばいろいろな武術が廃業していった
柔術は柔道に統合されたりする中でこぼれ落ちた技術にナンバ歩きがあったのではなかろうか?
明治時代は修験道の修行、山籠りが禁止されたのも影響されているかもしれませんね
武術の技術は秘伝扱いで書物にまとまっていない事もある。
そのデメリットがモロに出た感じですね。
まとめ
ナンバ歩きは着地した足と同じ側の肩、もしくは肩甲骨を下げる動きになります。 肩のラインと腰のラインを平行に使う歩き方であり
巷で言われている右腕と右足が一緒に出る、これぞ捻らない動き! みたいなものではないという事です。
上達すると第三者から分からないくらい小さい動きになります。
上半身のパワーを下半身に伝える事ができるからです。
逆に下半身から上半身に力を伝える事もできる ありとあらゆる事に応用が効く動き
スポーツに使えるか?といえばかなり使えるテクニックです。
最初は手を使ってなんば歩きをすればいいけど 慣れてきたら肋骨?胸郭の辺りを下げる動作でナンバ歩きができるようになります。
慣れてくると歩くのがすごく楽になるし階段を上っても太ももが痛くならない
覚えればすごく簡単な動きなのでぜひ、お試しあれ
難場歩きが消えた理由 考察すると
- 一般的な歩き方ではなく特殊技能であった
- 西洋の技術を何も考えずに輸入したため廃れた技術があった
- 廃仏毀釈で消失した技術書が存在した。
難場歩き自体、着物を着て歩く方法を改良したもので険しい道を歩く時に開発されたもの
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